3月13日に、アメリカ文学者の第一人者である渡辺利雄先生の特別補講が、青山ブックセンター本店のカルチャーサロンで行なわれました。
http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_201003/2010313.html
以下で当日のレポートが読めます。
http://www.culture.aoyamabc.co.jp/course/2010/06/post-3.html
この特別補講において、渡辺先生は、純文学と大衆文学についての問題を、エリック・シーガル(Erich Segal, 1937-2010)の小説Love Storyを例に挙げて、考えようとしました。少し長くなりますが、引用しますと、「……何千万部も売れて、多くの読者の心をつかんだ(特に若い読者に大きな影響をあたえました)こうした小説を、文学的な歴史的事実としてはたして無視してよいか、ということです。さらに言えば、文学にはさまざまなジャンルがあり、こうした若者向けの小説は、サブジャンルとして一段下に見られていますが、こうしたものがあってこそ、それが下地となって一流の文学が現われるのではないでしょうか」と渡辺先生は問題を提起されています。
以来、この作品が気になって、少しずつ読んでおります。
そしてこのLove Storyは、シーガル自身が脚本を担当し、アリ・マクグロウ(Ali MacGraw, 1938- )とライアン・オニール(Ryan O’Neal, 1941- )の主演で、映画化されました。 これから数日間、GetUpEngishでは、この映画に出てきた口語表現をいくつか紹介したいと思います。
本日は、to hung up onという俗語表現を紹介します。
アリ・マクグロウ演じるJennyとライアン・オニール演じるOliverは、大学の図書館ではじめで出会いますが、最初はこんな会話を交わします。
○Practical Example
Jenny: "Listen Preppie, I know you’ve got at least a few brains."
Oliver: "Really?"
Jenny: "Yeah. You’re hung up on me, aren’t you? Goodbye."
ジェニー 「ねえ、プレッピー、ちょっとは頭があるってことはわかるわ」
オリバー 「ほんと?」
ジェニー 「ええ。あなた、わたしに夢中でしょう? じゃあね」
to hang up onで、「(人に)夢中になって、ほれて」の意味で使われる。
また、preppieは、「金持ちの子弟が多いpreparatory school の学生・卒業生」
●Extra Point
to hung up onは、元々は「(あまり好ましくないものに)夢中になっている」とネガティブな意味で使われることが多いと思う。
◎Extra Example
"I hear Yoko is hung up on a new religion."
"I know. I'm worried about her."
「陽子が新興宗教にはまっていると聞いている」
「知ってる。彼女が心配だ」
書店のイベントは、勉強になることが多いです。ぜひ近くの書店のイベントをチェックしてみてください。 柴田元幸先生のトマス・ピンチョン『メイソン&ディクスン』(Thomas Pynchon, Mason & Dickson, 1997)のイベントは、今から楽しみです。
トマス・ピンチョン全小説『メイスン&ディクスン』刊行記念として、柴田元幸先生の以下の書店イベント3本(!)が予定されています。
http://www.shinchosha.co.jp/event/#20100725_01
そのほか、柴田先生は、7月31日のタワーブックスのイベントの前に、以下のイベントも予定されています。
cross my heart and hope to dieで、「ほんとうだ、うそではない」。
「胸に十字を切って(もし違っていたら)死ぬことを願う」の意味で、キリスト教式に誓うことを表現する。
今日のGetUpEnglishでは、この表現を学習しよう。
○Practical Example
"Cross my heart and hope to die, it’s all perfectly true."
"Good Lord! You don't expect me to believe that, do you?"
「天地神明に誓うが、そいつは完全に真実だ」
「おいおい。まさかぼくがそんな話を信じるとは思っていないだろう?」
●Extra Point
単にcross my heartだけで使われることもある。
◎Extra Example
"Cross my heart, that’s exactly what he said."
"How could you think I would believe such a ridiculous story, Diego?"
「誓ってもいいが、それが彼の言ったとおりのことばだ」
「ディアゴ、そんなばかげた話を俺が信じるとでも思っているのか?」
all at onceで、「いきなり、突然」。
今日のGetUpEnglishでは、この表現を学習しよう。
○Practical Example
"We feel the market is going to take off all at once."
"And i’s a natural time for us to make a move."
「市場は突然開けると思う」
「だから、ここで動くのは当然だ」
●Extra Point
では、もう一例。
◎Extra Example
"I can't read the books all at once, Akiko."
"I know. You should read them one by one, Masayasu."
「章子さん、ここにある本は全部一度には読めないよ」
「わかっている。雅康、一冊ずつ読むしかないよ」
この表現は、すでに2008/3/18のGetUpEnglishで学習した。
http://blog.goo.ne.jp/getupenglish/d/20080308
ここで説明したように、wowは「うわー!」という「驚きや感嘆の叫び」としてつかわれるほか、動詞として「(群衆など)をやんやと言わせる」という意味で使われる。
今日のGetUpEnglishは、これにちょっと補足してみたい。
wowは動詞として「(人)に大受けする」という意味でも使われる。
次のように、否定の意味で使われることもあるので、注意しよう。
○Practical Example
"Do you have some Apple’s gadgets?"
"I own multiple iPods, an iPhone and an iPad. Apple never fails to wow me."
「アップルの機器を何か持ってる?」
「iPodsを複数台、そのほかiPhoneとiPadを一台ずつもっている。アップルは決して期待を裏切らない」
●Extra Point
次のような意味でも使われたりする。確かにセクシーな女性を見ると、おじさんたちは興奮してしまうかもしれない。
◎Extra Example
"You'll wow all the men with that ultra miniskirt, Erica."
"It’s okay."
「エリカ、そんな超ミニスカートをはいていったら、男の人はみんな大興奮してしまうよ」
「大丈夫よ」
back numberは、「(雑誌などの)バックナンバー」であるが、口語表現で「時代遅れの人[方法、もの]、(名声・人気を失った)過去の人」の意味でよく使われる。
本日のGetUpEnglishでは、この表現を学習しよう。
○Practical Example
"The Jazz Singer was the first movie with sound."
"Yes. All silent movies were back numbers after it was relased."
「『ジャズ・シンガー』は、最初に音が付いた映画だった」
「ああ、それが出てから、すべてのサイレント映画は過去のものになった」
●Extra Point
次のような形でもよく使われる。
◎Extra Example
"It is time for me to retire, Xabi. I realize that I've become a back number."
"No, you can still play, Puyol."
「シャビ、おれもそろそろ引退したほうがいいみたいだ。おれはもう過去の選手だよ」
「いや、君はまだできるさ、ブジョル!」
ワールド・カップも終わってしまいました。また4年後を楽しみにしています。それまでGetUpEnglishもつづけてみたいです。
edgeは「ヘリ、端、縁」あるいは「刃」であるが、状況によっては、「(刃の)鋭利さ、鋭さ」「威力、力」といった意味で使われる。
今日のGetUpEnglishではedgeのこの用法を学習しよう。
○Practical Example
"Made-in Japan electronics have lost their innovative edge to American companies like Apple."
"Yes. The iPod now leads the digital music player market in Japan."
「日本製の電子機器は、もはやアップルほかアメリカ企業の製品に対抗できる革新的な力を失ってしまった」
「ああ。実際、今やiPodが日本のデジタル音楽プレイヤーをリードしている」
●Extra Point
次のような形でもよく使われる。j状況によっては、「力がある、威力がある」「上である」という意味になる。
◎Extra Example
"Holland definitely has the edge over Spain as far as offence is concerned, Del Bosque."
"Oh yeah?"
「攻撃力では、オランダがスペインより明らかに上だよ、デル・ボスケ」
「そうかな?」
この表現は、昨日のGetUpEnglishのExtra Exampleで紹介した。
http://blog.goo.ne.jp/getupenglish/d/20100711
その例文を以下に記します。
"For all I know, the iPads in that place were hot. I went upstairs and into a back room. A man pulled it out of little drawers." (よくわからないですけど、あの場所にあったiPadは盗品だったと思います。わたしは二階の奥の部屋に入りました。すると、そこにいた男が、小さな引き出しからiPadを出してきました。)
for all I knowは、「多分(……もしれない)、恐らくは(……だろう)」の意味でよく使われる。
今日のGetUpEnglishでは、この言い方を学習しよう。
○Practical Example
"Mr. Kobayashi may be a good man for all I know."
"I don’t think so."
「よく知らないが、小林さんはいい人かもしれない」
「そうは思わない」
●Extra Point
では、もう一例。
◎Extra Example
"For all I know, she might be out of my life."
"Good Lord, Michael!"
「よくわからないが、彼女はぼくの前から消えてしまったかもしれない」
「マイケル、それは悲しいわね!」
hotはもちろん「熱い、暑い」であるが(昨日も暑かったですね)、それ以外にもたくさんの意味がある。
hotは、俗語表現で、「不正に入手した、盗んだ(ばかりの)」の意味で使われる。今日のGetUpEnglishでは、この意味のhotの使われ方を確認しよう。
次のような状況でよく使われる。
○Practical Example
"The robber was traced by the hot goods."
"Now, find where he got the one, Kanbe."
「窃盗犯は盗品から足がつきました」
「では、神戸くん、窃盗犯がどこからそれを手に入れたか、突き止めてください」
●Extra Point
流れものにはくれぐれもご注意を。
◎Extra EXample
"So tell me, Mr. Uesugi. What happened?"
"For all I know, the iPads in that place were hot. I went upstairs and into a back room. A man pulled it out of little drawers."
「では、上杉さん、話してください。何があったのですか?」
「よくわからないですけど、あの場所にあったiPadは盗品だったと思います。わたしは二階の奥の部屋に入りました。すると、そこにいた男が、小さな引き出しからiPadを出してきました」
hotを使った用例は、GetUpEnglishですでにいくつか紹介しました。
TO HOT(-)DOG
http://blog.goo.ne.jp/getupenglish/d/20100225
HOTSHOT
http://blog.goo.ne.jp/getupenglish/d/20100205
HOT POTATO
ジョージ・ハリソン(George Harrison, 1943-2001)は、1987年に名盤Cloud Nineを発表しました。このcloud nineは、「天にも昇る心地、意気揚々」「とてもうれしい気持ち」という意味です。『リーダーズ英和辞典』には、「1950 年代にラジオ番組 ‘Yours Truly, Johnny Dollar' でポピュラーになった; 米気象庁が 1 つの雲を 9 タイプに分類した最上層部]」と背景情報が記されています。 そしてon cloud nineで、「このうえなく楽しくて[しあわせで]、うきうきして」という気持ちでよく使われます。
今日のGetUpEnglishでは、この表現を学習しよう。
○Practical Example
"Kyoushi has been on the cloud nine since he knew that his wife’s pregnant."
"Great! When is his baby due?"
「享資さん、奥さんに赤ちゃんができたと知って、もう最高にしあわせよ」
「それはすごい! 予定日はいつなの?」
●Extra Point
on cloud sevenという言い方をすることもあるので、注意。
そしてon cloud nineもon cloud sevenも、基本的に現在形(もしくは現在完了形)で使われると思う。
◎Extra Example
"Madoka is on cloud seven after she got the job she wanted."
"Yes. I am quite sure she will do the best job."
「まどかは望みの仕事がもらえて有頂天よ」
「ああ。きっといい仕事をするぞ」
☆Extra Extra Point
状況によっては、「舞い上がっている」という意味になると思う。
★Extra Extra Example
"Naoko's on cloud nine because her favorite author spoke to her."
"What? When and where did she meet the author?"
「尚子は大好きな作家に話しかけられて、舞い上がっているわ」
「え? 彼女はあの作家にいつどこで会ったのよ?」
to make outにはいろんな意味がある。to understand(理解する、わかる)の意味で用いられることが多いが、状況によっては「見分ける、認める」「判読する」といったニュアンスで使われる。
今日のGetUpEnglishでは、このto make outの使い方を復習しよう。(この表現もまだ紹介していなかったようでした!)
○Practical Example
"What an odd fellow Diego is!"
"Yeah. I can’t make him out at all either."
「ディアゴはほんとにおかしなやつだ!」
「ああ。おれにもまるで理解できない」
●Extra Point
このようにnot make outと否定的に使われることが普通だと思う。
では、もう一例。
◎Extra Example
"Hey, do you know what's going on, Schweinsteiger?"
"No. I can’t make out what it’s all about."
「おい、シュバインシュタイガー、どうなってるのかわかるか?」
「わからん。何がなんだかさっぱりわからないよ」
☆Extra Extra Point
「判読する」という意味でも使われる。
★Extra Extra Example
"It is too dark to make out the letter, Madoka."
"Use this flashlight, Mother."
「まどか、とっても暗くて字が見えないよ」
「お母さん、この懐中電灯を使って」
GetUpEnglishのtwitterもぜひチェックしてみてください。
with a heavy handで、「手厳しく、強力に、圧制的に」。 今日のGetUpEnglishでは、この表現を学習しよう。
○Practical Example
"The Red Queen had ruled her country with a heavy hand."
"But Alice came and a revolution occurred in that country."
「赤の女王は強圧的に国を統治していた」
「しかし、アリスが来て、あの国に革命が起こった」
●Extra Point
with a firm handと表現されることもあるようだ。
◎Extra Example
"'I don’t want to be a football player,' Maldini said."
"But his father put down the revolt with a firm hand and said 'You’re going to be one anyway.'"
「『ぼくはサッカー選手にはなりたくない 』とマルディーニは言った」
「でも、彼のお父さんは怒りを抑えながら、厳しい調子で『とにかくおまえはなるんだよ』と言ったよ」
今日のGetUpEnglishは、hypeという表現を学習しよう。
hypeは大きく分けて、二つ意味がある。
一つは「(商品・政策などの)誇大宣伝、はでなプロモーション」という意味だ。こちらは動詞(誇大に……を宣伝する)としても使われる。
もう一つ、語源が異なり、「皮下注射」、あるいは「ヤク中、麻薬常用者」という意味で使われる。こちらも動詞(……を興奮させる、刺激する)としても使われる。
まずは、「誇大広告」の意味で使われる用例を紹介する。以下のように、「大げさな取り上げられ方」という意味で使われることもよくある。
○Practical Example
"The hype around the iPad in Tokyo highlights what has become a sobering reality for this country."
"Exactly. Japan now frequently looks overseas for innovation."
「東京ではiPadが過剰に取り上げられているが、これによって、今の日本にどれほど深刻な現実が突きつけられているか、はっきりと示されている」
「確かに。今や日本は技術革新を海外に求めることが多くなってしまっているんだ」
●Extra Point
つづいて、「……を興奮させる」という意味の用例を。
◎Extra Example
"What are you so hyped up about, Ashihara?"
"Japan beat Denmark 3-1 and reached the last 16 of the World Cup for the first time on foreign soil!"
「芦原さん、どうしてそんなに浮かれているんだい?」
「だって、日本がデンマークを3対1で下して、海外開催のワールドカップで初めてベスト16入りしたんだよ!」
sayは動詞だけでなく、名詞として「発言の機会、発言権」よい意味で使われることもある。
to have a sayで「(……について)言う権利がある」、to have one’s sayで「言いたいことを言う」の意味で用いられる。
今日のGetUpEnglishでは、この2つの表現を中心に学習しよう。
まずは、to have a sayの用例から。
○Practical Example
"I have a say in the matter, Joachim."
"No, you have no say in the matter, Diego."
「ヨアヒム、ぼくはそのことについて発言する権利がある」
「いいや、ディアゴ、君にそれについて言う権利はない」
to have no sayで、「(……について)言う権利がない」。
●Extra Point
つづいて、to one’s sayの用例を。
◎Extra Example
"It’s time I have my say."
"Okay, go ahead, Dunga."
「じゃあ、ここでそろそろ言いたいことをいわせてもらうぜ」
「ああ、何でも言えよ、ドゥンガ」
"It’s time I have my say."は、"It’s now my say."と言うこともできる。
☆Extra Extra Point
次のような使い方もする。
★Extra Extra Example
"Let Özil have his say now."
"Yeah, I want his opinion."
「今度はエジルに話してもらうおう」
「ああ、あいつの意見が聞きたい」