小沢一郎「起訴相当」に進退は本人の判断だとする閣僚は同じ船に乗った覚悟を持つべし

2010-05-02 04:24:06 | Weblog

 次の衆議院選挙で政権党を決めることとして、それまで国の政治を不安定とする衆参ねじれは阻止されるべき

 内閣・党とも、一蓮托生、運命共同体だとして腹を括るか、同じ船に乗ることを拒否して一蓮托生、運命共同体を断るかすべし

 小沢民主党幹事長が東京第五検察審査会から「起訴相当」と議決されたのは4月27日。共同通信社が全国緊急電話世論調査を行ったのが4月28、29の両日。当然、検察審査会の「起訴相当」の議決に対する国民の反応を反映している。

 《内閣支持20%に急落 83%が小沢幹事長辞任を》47NEWS/2010/04/29 16:29 【共同通信】)

 鳩山内閣支持率――20・7%(4月3,4日前回調査-12・3ポイント)(鳩山内閣として30%を割った
                                  のは初めての快挙)
    不支持率――64・4%(4月3,4日前回調査+11・1ポイント)

 小沢氏は「幹事長を辞めるべきだ」――83・3%(前回調査+2・4ポイント)
       「続けてよい」     ――10・3%(前回調査-4・2ポイント)

 米軍普天間飛行場移設問題5月末未決着の場合

 「首相を辞めるべきだ」――54・4%(前回調査+7・3ポイント)(初めて過半数超え)

 「辞めなくてよい」   ――39・2%(前回調査-6・1ポイント)

 政党支持率

 民主党   ――24・1%(前回調査-6・2ポイント)
 自民党   ――18・7%(前回調査+0・7ポイント
 みんなの党 ――11・5%(初めての2桁台)

 政党支持率に限って言うと、みんなの党が自民党に近い“みんなの党”になりつつあると言うことなのか。尤も民主、自民に対する不人気を受けた相対的人気上昇といった側面は否定できない。
 
 小沢一郎「起訴相当」を受けた4月30日の閣議後の記者会見での各閣僚の発言を《検察審査会議決 閣僚から発言》NHK/10年4月30日 12時28分)が伝えている。

 菅副総理兼財務大臣「小沢幹事長本人がもう少し説明することが必要ではないか。進退問題は、鳩山総理大臣と本人の判断を待つしかないが、鳩山総理大臣は小沢氏に頑張ってほしいと伝えており、その判断に従いたい」

 仙谷国家戦略担当大臣「法律的な手続きに従って東京地検がもう1回捜査をするのだから、それを見守るしかない。進退問題は、一般論から言っても、本人、あるいは鳩山総理大臣との2人で判断するべき事柄ではないか」

 枝野行政刷新担当大臣「参議院選挙に影響があるのは間違いない。幹事長のいちばんの役割は選挙に勝つことであり、そのことを踏まえていろいろと考えていると思う。みずからの政治家としての責任に基づいて本人が判断することだ」

 小沢環境大臣「本人も驚いているという話だったが、私自身の第一印象もそうだ。検察の動きを見守っていきたい。参議院選挙に影響がないわけではないと思うが、閣僚としては、精いっぱい政策面で頑張ってばん回したい」

 赤松農林水産大臣「国民がたいへん厳しい目で見ているということは、民主党として認めたほうがよい。ただ、直ちに辞めるべきだなどと、他人が言うことではなく、みずからが判断するべきことだ」

 社民党党首福島消費者・少子化担当大臣「検察審査会の結論は、重く受け止めなければならない。今後は、検察側が、ほかにどういう証拠があるのか、公判を維持できるのかも含めてしばらく検討すると聞いているので、その結果を注視したい」――

 参議院選挙への悪影響は記事が伝える範囲内では枝野行政刷新担当相以外は誰一人直接言及していないが、誰もが悪影響を及ぼすだろうとは認識しているはずである。悪影響を取り除く唯一の最善策は小沢幹事長の自発的辞任に尽きるが、福島社民党党首の検察の判断を待つと菅直人の首相の幹事長続投指示の判断に従うとする以外は幹事長職の進退は本人の判断だとして、直接的には誰一人辞任を求めていない。

 民主党内で反小沢のトップである前原国交相は4月29日、訪門先ワシントンでの記者会見で「起訴相当」に対する自身の考えを述べている。《“小沢氏問題 参院選に影響”》NHK/10年4月30日 12時7分)

 前原国交相「検察審査会の起訴相当という議決を考えて検察がどう判断するかということもあるが、それ以前に3人の秘書が逮捕されていることについての責任はあると思う。そういう意味で参議院選挙への影響はあると思う」

 「任命権者の鳩山総理大臣がどう判断されるかだと思う。あと、40年間も一線で自民党幹事長から民主党代表、そして与党の幹事長をされている方なので、ご自身が判断すべき問題だと思う」

 同じ反小沢派の枝野行政刷新担当相と同じく参院選への影響に言及しているが、進退は首相と本人の判断だとしていて、やはり直接的には辞任すべきだと求めてはいない。

 各閣僚のこれらの意思表示は小沢幹事長が「起訴相当」と議決された同じ4月27日に党本部の記者会見で、「私自身、何もやましいこともないので、与えられた職務を淡々と全力でこなしていくということにつきる」(asahi.com)と幹事長を辞任する意思のないことを早々に伝えたことと、菅副総理が「鳩山総理大臣は小沢氏に頑張ってほしいと伝えており、その判断に従いたい」と言っているように首相の小沢続投支持が影響した反応でもあろう。

 首相は4月30日の首相官邸でのぶら下がり記者会見で参議院選への影響を認めつつ、幹事長続投容認を明らかにしている。《鳩山首相「参院選に影響ある」 小沢氏の「起訴相当」に》asahi.com/2010年4月30日20時22分)

 首相「参議院選挙に影響はあると考えるべきだ」

 「(小沢氏には)頑張っていただきたい。改革の志をもった者たちが行動してきているわけだから、その思いは決して曲げてはならない」

 ――参院選まで小沢氏にがんばって欲しいのか。

 首相「当然そうでしょう」

 任命権者たる鳩山総理大臣が小沢一郎幹事長の続投を支持、小沢幹事長本人も続投意思を表明、辞任する意思のないことを示した。そしてこのような首相と幹事長の姿勢に閣僚の誰一人異を唱えていない。

 いわば各閣僚が首相や小沢幹事長の前以ての姿勢に影響を受けたとしても、進退についてはそれぞれが首相プラス本人の判断を基準とした時点で、首相の続投支持判断及び小沢幹事長の辞任する意思のない判断、続投意思判断を認めていたことになる。進退は首相と本人の判断次第なのだから、首相と本人が続投と言うなら、それに従いましょうとしたということである。

 このことを言い換えるなら、首相及び小沢幹事長と同じ船に乗ったということであろう。同じ船に乗った以上、内閣・党とも、一蓮托生、運命共同体だとして一致団結して腹を括るしかないはずである。玉砕を覚悟で潔く参院選に突入すべきであろう。

 小沢幹事長が幹事長の座にいる限り、どうしても参院選が戦えないということなら、同じ船に乗ることを拒否して小沢幹事長の自発的辞任を強硬に求めるか、受入れられないなら、求めた閣僚は自ら抗議の閣僚辞任を行って、例え不発に終わったとしても幹事長の辞任を誘うべく行動すべきではないだろうか。

 そうとでもしなければ、同じ船に乗ることを拒否することにはならない。

 いわば態度をどちらか一つにすっきりとさせるべきである。

 一つにすっきりとさせずに自発的辞任が期待不可能な状況にあることを認めることができないままに、同じ船に乗ることになるサインであるにも関わらず、「進退は本人の判断だ」といった雑音を様々に立てることが有権者の民主党支持離れ、支持率降下に手を貸すことになっていることに気づいていない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする