■日本にただ一機
先日掲載した419系電車であるが、あのあと東舞鶴からの帰路、むりやり敦賀を経由したので、再び撮影することが出来た。こういうのを縁、というのだろうか。さてさて、航空機ともやはり、こうした縁、というものがあると信じている。
写真は岐阜基地航空祭で撮影したC-1輸送機。C-1試作初号機として製造され、飛行試験機として区分されている。いわゆるC-1FTBと呼ばれる機体で、次期輸送機C-Xのエンジン試験なども担当したもので、日本に一機だけ、という機体である。大きく旋回する様子を撮影でき、機体上部の姿をとらえたものである。この形状は皆さんも航空祭などに足を運べばご覧になられたことも多いであろう。
今回の写真。距離がかなりあったので、画像が悪いのは申し訳ない。何気なくみてみるとC-1輸送機のように見えるが、機首や胴体の凹凸部分から推測してEC-1電子支援訓練機であると推測される。本機は入間基地の航空総隊司令部飛行隊隷下にある電子支援隊に所属する航空機で、C-1の量産機に所要の機材を搭載するかたちで1984年12月に導入された。
電子支援訓練機とは、レーダーサイトに対して模擬的な電子攻撃を仕掛け、訓練を行う航空機で、電波妨害、チャフ散布などを行うことで電子戦環境を構成し、訓練を行う。C-1輸送機の貨物部分を改修し、訓練用機上電波妨害装置などを搭載している。このEC-1は一機だけだが、電子支援隊にはYS-11E/E改電子戦支援機が運用されている。
蛇足ながらEC-1,この目で見たのは初めてである。電子支援訓練機は、電子情報収集などに用いる、SIGINT用途航空機として用いる事が出来るのだが、残念ながら一機では訓練支援が限界である。専守防衛を堅持するには、情報収集に依拠した予防外交が重要である。したがって、この種のSIGINT任務にも対応できる航空機が航空自衛隊にもう少しあってもいいのかな、と思いつつ、次回会った時にはもう少し良い写真を撮りたい。
HARUNA
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