■金山駅で撮影 7000形パノラマカー
日本列島太平洋側大雪の日、小生は名古屋にいた。早朝は曇っているものの、小雨が飛ぶ程度で、大晦日の舞鶴展開のように豪雪は予報のみに終わると考えていた。
お昼過ぎ、出てみると・・・、なんじゃこりゃぁ!。ううむ、今から銀閣寺に行くかって、170kmは離れてるし、そもそも新幹線も在来線も関ヶ原で止まって、関西線も動いてたとして、大阪から京都までが大変なことになってるんじゃないのか?。ううむ、今居るところでできるだけの写真を撮影しよう、ということになり、そのまま地下鉄名城線で金山駅に向かった。正直、名鉄の雪景色は撮れる機会も少ない。
1000形特急電車パノラマSuper。名鉄の看板特急として80年代後半に登場し、四両編成の全車特別車編成(登場当時は指定席車)が支線特急に、特急料金不要の1200形一般車を連結した一部特別車編成が、名古屋本線特急に投入されている。ハイデッカー方式の全面展望車が名鉄特急の証。
特別車は350円で始発から終点まで乗車しても、一区間でも均一である。展望車部分は一段高くなっており、料金は同じであるが、リクライニングシートのヘッドレスト部分が少し低くなっており、前面展望をより容易としている。この1000形から名鉄はそれまでの110km/h最高速度から、120km/hの運転に移行したが、国鉄からJRへ民営化し、直線が多い線形に恵まれた東海道本線の新快速を相手に、苦戦を強いられている。
空港特急として華々しく登場した2000形と2200形特急電車ミュースカイ。VVVFインバータ制御方式を採用し、振り子式制御装置を搭載した近代的特急電車。空港特急として特にダイヤが重視される特急だが、さすがにこの日は除雪の為に中部国際空港が滑走路一時封鎖という状況になったようだ。
名鉄の近代的通勤電車として90年代半ばに導入された3500形通勤電車。ロングシート方式の車両で、VVVFインバータ制御を採用しているが、更にシングルアーム式パンタグラフを採用した3700形や増結用二両の3200形が導入された。背後の銀色の車体は3150形。三列クロスシート車とロングシートを併用した異色のセミクロスシート車である。
6800形電車。3500形と良く似ているが、車体部分のスカートの有無で区別できる。二両編成の固定式セミクロスシート車であるが、クロスシート部分がやや小さすぎるとの評判。後述する6000形電車の最終系列で、停車時に発電する回生ブレーキを搭載し、界磁添加励磁制御方式を採用している。
これは非常に珍しい。2003年に一部特別車のパノラマSuperの特急電車が名古屋本線線路上に侵入し逆走していた自動車と衝突し(なンでそんなとこ走ってるんだよ!)、1000形部分が大破、仕方なく一般車部分の1200形電車を四両編成の車両として運用されている。一編成しか無いが、セミクロスシート車で、こういった形状の急行用車両が名鉄にはもっと大量に必要だと考える。
2000形特急電車。手前四両が一般席車。後部二両が特別車。空港特急ということで、展望車を含む凄い特急電車を期待していたが、鉄道雑誌を読んで7000形をモダナイズした車輌があり、これこそ次世代の名鉄特急だ!と思ったら、他の某私鉄の偽パノラマカー最新型の特急電車だったりした。
6000形電車と6500形電車。6000形系列の車輌で、1970年代後半から導入が開始され、名鉄の通勤車体系を確立した車輌である。抵抗制御方式から界磁チョッパ方式制御が採用され、技術的には大きく変わったが、なによりも貫通扉が無くなったことで、6500形は原型の6000形と比べて非常にスッキリしたデザインとなった。これを見てしまうと、貫通扉が目立つ車輌が不恰好にみえてくる。
6000形電車二編成。今回撮影したのは金山駅であるが、ここは線路とホームが一体形状の屋根で覆われており、ホームの先まで屋根がある。つまり、外がどれだけ吹雪いていようと暖かい、とはいかなくとも、少なくとも濡れずに済む。デジカメユーザーには防滴が一番の関心事となるだけに、重要な点だ。特急停車駅であるので温食も御手洗も自販機の完備だ。
3150形電車と3700形(3500形の可能性も)の連結車輌。比較的新しい車輌なのだが、これが通勤時に2000形特急電車に併結運転を行うこともある。しかし、3700形の二両編成型である3200形が特急と併結運転も行うこともあり、紅い通勤電車が先頭の特急となるとやや興ざめである。あと、貫通扉が気になる。
7000形パノラマカー。待ってましたこの電車。1961年に導入されて以来、名鉄の主力車輌として活躍した。日本初の全面展望車を有する車輌として知られ、鉄道専門誌“鉄道ファン”創刊号の表紙を飾った電車としても知られる。久々に買った鉄道ファン、愛用のEOS 40Dの広告が載っていたし、また、定期購読しようかな。
金山駅に到着したパノラマカー急行新可児行き。7000形電車の有する連続窓が良く判る、1961年に登場した本車は特急料金不要で、特急、高速、急行などに多用された。やはり良い面構えだ。いつまでも撮っていたいが、しかし背後にはもう一編成の7000形が到着。これは嬉しい時間帯だ。この新可児行きが金山駅に到着するのは1531時。
同時刻、名古屋本線の豊明行き普通が発車する。富士山を逆さにした行き先表示板は、自動幕方式ではなく手動切替方式が採用されている。全面展望席には雪がへばり付いているがワイパーが無い。神宮前駅では運転士が交代するので、そこで撮ることも考えたが、あそこはホームの先が露天。リアル八甲田山は遠慮した次第。
7000形の運転台は一段高いので、110km/h走行時でも80km/hくらいにしか感じないのだとか。また、運転台が高いので安全確認も容易で運転が楽しい車輌であるとはOBの言葉。他方で、古い車輌であるので老朽化、加えて大型の重い車輌であり、消費電力が凄い。7000形が全車除籍となる日はもう間もなくだ。
1539時、次の7000形。こう多くの7000形をみてみると、パノラマカーもかなりの数が残ってるんだなあ、という印象。犬山経由岐阜行き準急。背後からは1200形特急が走ってくるのがみえる。1530時からの十分間がパノラマカー強化タイム。しかし、この日は名鉄全線が雪のため5~10分の遅れであった。隣の金山総合駅の放送ではJR線の遅れはもっと凄かったが。
7000形、1000形、2000形特急電車。歴代の名鉄特急勢揃いといった情景である。いまは既に無い8800形特急、パノラマDXも、かつてはパノラマカー、パノラマSuperとともにここ金山駅に三編成で並んだこともあったのだろうか。実は向こう側のホームからこちらに階段を走って移動したのだが、そうしていると向こうに2000形。向こう側のホームでは柱が邪魔になって、この三世代の車輌集合写真は撮れなかったかも。
1600形特急電車。白帯車と呼ばれた7000形特急仕様車を支線特急に用いていたが、流石にリクライニングシートも御手洗も無く、時間帯によっては普通電車に用いている車輌をそのまま特急に使うのは、ということもあり導入された。当初は、これが空港特急となるのでは、といわれた。支線特急として運行され、全車三両編成。
5700形。この頃になると雪ももう止んでいる。急行用セミクロスシート車として7000形の増強用に導入された。展望車こそ有していないが、客席からの前面視界を確保するべく採用された大きな前面窓が本車の特徴である。このあたりの心配りが失われつつある名鉄車輌の血統。旧型車の機器を流用した5300形は、来年度には全車除籍となる模様。
HARUNA
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