北大路機関

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0系新幹線 原色塗装復元のもと山陽新幹線にてラストスパート運行中

2008-07-15 12:32:08 | コラム

■0系新幹線 開通時塗装再現

 3000両を超える空前の生産数を誇り、新幹線の代名詞として高速鉄道網の名声を全世界に轟かせた0系新幹線も、さすがに老朽化は否めず今年11月にも運用を終了し、栄光の鉄路から歴史の一幕へとポイントを曲がることとなる。

Img_8020  1964年の東海道新幹線開通以来、新幹線といえばこの車両を示していた0系は、いよいよ近付く最後の瞬間に向けて、やはり思うものがあるようで、西日本旅客鉄道の英断として、0系新幹線を山陽新幹線塗装から新幹線開通当時の原型塗装が復元されることとなった。4月18日から営業運転を開始し、その懐かしい車両を写真として残すべく、新大阪駅へ展開した。本日は0系新幹線の新大阪における写真を軸に記事を掲載したい。

Img_7961  朝の冷涼な空気の中、一日の始動に向け活気を帯びはじめる新大阪駅のホームに福山駅始発の“こだま620号”新大阪行きが到着する。到着した20番線は、主として山陽新幹線新大阪駅始発の新幹線特急電車が発着するホームであるが、隣のホームからは期せずして懐かしい車両が飛び込んだ瞬間、0系こだま号は、のぞみ号を待つ乗客からも視線を集めていた。

Img_7970  0系新幹線は、近年の微衝撃波対策と空気抵抗の低減を緻密に盛り込んだ動物然とした最新車両と比べると、設計思想の相違を痛感させられる。最高営業運転速度は220km/hと、500系やN700系の300km/hと比べれば見劣りすることは否めないが、しかしながら今をもって在来線の如何なる特急車よりも高速であり、世界的に見ても高性能特急車の一員であることに変わりはない。

Img_7982  さて、現在、山陽新幹線用に6編成の0系が維持されている。全車、アコモゼーション向上のためにシートをグリーン車から転用し2×2並列座席となっており、16両編成から8両編成に短縮化されているが、その姿は紛れも無く、久しく写真でしか知ることができなかった0系新幹線の姿である。

Img_7984  2008年7月現在の山陽新幹線における0系新幹線運行状況であるが、新大阪方面に向かう上り運行で六本。内訳は『こだま620号』新大阪行(始発:福山駅0609→終点:新大阪駅0747)、『こだま638号』岡山行(始発:博多駅0919→終点:岡山駅1253)、『こだま762号』小倉行(始発:博多駅1804→終点:小倉駅1824)、『こだま674号』新大阪行(始発:博多駅1842→終点:新大阪2321)、『こだま724号』広島行(始発:博多駅1912→終点:広島駅2120)、『こだま682号』福山行(始発:広島駅2315→終点:福山駅2358)。

Img_7997  博多から新大阪方面に向かう下りの0系新幹線は四本で、『こだま』629号博多行(始発:新大阪駅0612→終点:博多駅1041)、『こだま』639号博多行(始発:新大阪駅0759→終点:博多駅1309)、『こだま』629号博多行(始発:岡山駅1451→終点博多1821)、『こだま』769号博多行(始発:小倉駅1836→終点:博多駅1856)という運行状況だ。

Img_8019  新大阪駅を博多に向けて発車する「こだま639号」、追越駅では通過待ちを行う為、0759時に出発しても終点の博多駅に到着するおは1309時となっている。他方で、座席は前述のようにグリーン車のものを設置しているので乗り心地は良い(ひかりレールスター等、山陽新幹線はアコモゼーションや運行の改革に精力的だ)。

Img_8023  新大阪駅にて0系新幹線を撮影するには、0612時発(こだま629号)、0747時着(こだま620号)、0759時発(こだま639号)、2321時着(こだま674号)となっている。今回掲載したのは0747時着、0759時発の列車で、全ての0系が新大阪に来るわけではないので、時間を良く調べていかないと残念な結果が待っている。山陽新幹線の中央辺りにある広島や岡山あたりが撮影には容易やもしれない。

Img_8024  余韻を新大阪駅のホームに残しつつ、発車してゆく。0系新幹線の山陽新幹線こだま運用は、順次500系新幹線(短縮編成)により代替されてゆく。300系新幹線が間もなく大規模に廃車を向かえ、500系も短縮化により一部車両が廃車となるなか、0系新幹線の寿命は驚かされるものであり、また、多くの0系新幹線が様々な施設にて保存車両という第二の人生を送っている点でも、特筆される車両といえよう。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (2)
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