■祇園祭14・15・16・17日が最盛期
鉾立の勇壮な様子を金曜日に撮影したのだが、撮影データの整理などで掲載が遅れている。そこで、2007年の祇園祭の情景を掲載して、代えたい。是非、一見をお薦めしたい次第。
京都祇園祭、この名前ほど京都を示す祭事は無いのではないか。八坂神社から京都の中心部に向けての四条通りに沿って動く美術館といわれる山鉾が組みたてられ、実に32もの山鉾が曳かれる山鉾巡行を頂点として、七月の一ヶ月にも及ぶ、祭事に京都が沸く。無病息災を目指した祇園祭は、いまや世界的にも認知度を広げ、平日にも拘らず宵山の三日間の夕刻だけで、100万もの観覧者が京都を沸かせる。
祇園祭は、山鉾巡行や宵山など、主たる行事がほぼ平日に行われることで、観覧にはやや時間的余裕が必要となる。多忙なビジネスマンは言うに及ばず、時間がありそうな学生も最終講義試験の時期と重なる。しかし、三日間にわたる宵山は、1800時から2300時まで、というように何とか神戸や、新幹線を利用すれば名古屋(東京は帰路に寝台特急(サンライズを大阪から乗車、翌0700頃に東京着)でも使わなければ難しい?)からも観覧が可能だ。
宵山とは、山鉾の灯を燈し、祇園囃子とともに一般に公開するもので、山鉾の特に一部の鉾は内部が一般公開される。多くの屋台が軒を連ね、無論多くの観覧者により歩道が一方通行になるものの、阪急烏丸駅下車すぐ、京阪三条から徒歩、京都駅から地下鉄で四条駅下車という立地にて行われるこの伝統行事には、36万名前後の観覧者で賑わっている。今年は14日、15日、15日に宵山が行われる。
17日に行われる山鉾巡行は祇園祭の絶頂である。山鉾からは祇園囃子が奏でられ、囃子とともに曳き手の団結のもと、人力にて曳かれるのが山鉾巡行で、各々の町内から四条通に集まった山鉾は、そのまま四条河原町まで、そして四条河原町から河原町通りを烏丸通まで移動し烏丸御池を通って町内に戻ってゆくのが山鉾巡行。
方向を換えるその瞬間が最も勇壮ということだが、残念ながらその様子を撮影する機会に小生は恵まれていない次第。鉾は、その多くが高さ20㍍を超えており、重量も10㌧を超えるものである。かつて、京都が今日のように近代的な建築物に覆われる前であれば、これだけの高さがある山鉾である、八坂神社はもちろんのこと、清水寺や東寺からも、山鉾の様子が見ることが出来たのではないだろうか。
山鉾巡行が終わると、そのまま山鉾は解体され、翌年の祇園祭まで各々の町内にある保存会により大切に保管される。山鉾のような山車を用いる祭事は全国に多々あるものの、保存会の人手などの関係から、山車をそのまま車庫のようなものに入れているところが多い、この点、若い衆にも大切に受け継がれる伝統が息づく街、京都ならではの情景が、この山鉾の解体だ。
八坂神社から神幸祭として三基の神輿が担がれて四条寺町へ往く行事が、山鉾巡行を終えた17日に行われる。山鉾に比べると神輿の大きさは決して大きく無いが、2㌧もの神輿は300名もの担ぎ手により街をすすむ。神輿は別々の経路を辿って四条寺町へ向かい、山鉾以上に縦横無尽に進む神輿と担ぎ手の熱気に街は否応無しに活気付く。行われるのは夕刻なので、こちらもお仕事の帰りにお薦めしたい。
HARUNA
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