北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

現状は稼働一隻、ヘリコプター護衛艦の増強は真剣に検討するべき

2010-03-22 23:09:35 | 防衛・安全保障

◆ひえい神戸入港

 本日、練習艦隊神戸入港と歓迎式典が行われたのですけれども、練習艦かしま、は今回の近海練習航海には参加していないようです。

練習艦かしま、何らかのトラブルがあったのか、練習艦隊の徳丸司令官は護衛艦ひえい、にて歓迎式典に参加したようです。ひえい、は、はるな型護衛艦の二番艦で、二門の5インチ砲が背負い式に搭載されていて、強力な水上戦闘艦、という印象を与えてくれます。昨今、水上戦闘艦が平面を多用したステルス性重視の時代にあって、外見からよく視力を発揮できる、こうした護衛艦は貴重です。

しかし、思い起こせば、一つ大きなことを思い出します。現在、稼働状態にあるヘリコプター搭載護衛艦は、ひえい一隻、という実状です。しらね、は舞鶴基地で修理中、火災事故からの最後の復旧整備を行っているのですが、完了までにはもう少し時間を要するようです。そして、くらま、も昨年韓国船が関門海峡で進路を変えて追突してきました影響で艦首が破損、こちらも修理中です。最新鋭の護衛艦ひゅうが、は慣熟訓練が終了しつつある状態、まだ実任務は厳しいでしょう。

ヘリコプター搭載護衛艦は、対潜任務の中枢艦ですし、近年までは護衛隊群の直轄艦として実質的に旗艦として任務に当たっていました。そして、今日では他の汎用護衛艦も満載排水量ではかなり大型化しているのですけれども、それでもなお、航空機整備能力では進んだ部分が大きく、特に日本から離れた地域では、その重要性が顕著に現れてきます。このヘリコプター搭載護衛艦が、意図しないにしても、作戦稼働状態にあるのが、4隻中1隻、というのは少し意外に感じてしまいます。

近年、海上自衛隊の任務範囲が拡大していて、インド洋海上阻止行動給油支援は終了しましたが、海賊対処任務は継続中、そして海賊対処任務に補給艦を派遣できないか、という検討も行われていますし、今年から輸送艦を用いた、いわゆる友愛ボート運用が開始されるとのことで、やはり任務範囲は広域化の傾向にあるようです。こうしたなかで、航空機整備能力と搭載能力、運用能力が高く、海上自衛隊のパワープロジェクション能力では重要な位置を占めるヘリコプター搭載護衛艦というものは、やはり増勢の方向で検討されてもいいのではないでしょうか。

コメント (8)
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