北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

潜水艦うんりゅう引渡式・自衛艦旗授与式 川崎造船神戸工場にて明日開催

2010-03-24 23:49:20 | 先端軍事テクノロジー

◆そうりゅう型二番艦明日就役!

 防衛省海上自衛隊によれば、明日1130時から1430時、神戸の川崎造船神戸工場において最新潜水艦うんりゅう、が自衛艦旗を授与され、海上自衛隊に引き渡されます。

Img_5721  式典へは、川崎造船社長と、呉地方総監武田海将が執行者として執り行われ、防衛省からは海上幕僚長の赤星海将、海幕装備部長の矢野海将補、装備施設本部の岡崎本部長が出席する予定です。川崎造船神戸工場は、現在練習艦隊の近海航海訓練に参加している護衛艦ひえい、さわゆき、が停泊しているポートターミナルとは反対側にあり、ポートライナーのポートターミナル駅から見ることが出来ます。なお、明日0900時に、ひえい、さわゆき、は次の寄港地佐世保基地に向けて出航する予定です。

Img_6701_1  自衛艦旗授与式・引渡式は、1130~1135に引渡式、続いて1135~1215に自衛艦旗授与式が行われ、1250~1345には祝宴、そして1420~1430に出航見送り式が行われます。うんりゅう初代艦長には、杉山治2佐が就き、新しい潜水艦が抑止力の一翼を担えるように訓練と戦術研究を行います。なお、式典へは招待客のみが立ち入ることが出来るのですけれども、川崎造船神戸工場からやや距離はありますけれども、前述のポートターミナル周辺やポートアイランドからも出航は望見することが出来ます。

Img_57111  うんりゅう、は、そうりゅう型潜水艦の二番艦で、そうりゅう、が三菱にて建造されていて、二番艦が川重において建造されています。そうりゅう、は呉基地の第一潜水隊群第五潜水隊に所属していますから、うんりゅう、も同じく第五潜水隊に配備され、そうりゅう、とともに隊を編成することになるのでしょうか。海上自衛隊の実用潜水艦としては、二隻目の非大気依存推進:Air Independent Propulsion、AIP潜水艦となります。これにより、従来のディーゼル発電機により蓄電池に電力を蓄えて行動する潜水艦よりも水中行動力が工場しています。

Img_6682  基準排水量2950㌧、満載排水量4200㌧。全長84㍍、全幅9.1㍍、喫水8.4㍍。機関として、ディーゼルエンジン二基とスウェーデンのコックルムス社が開発したスターリング方式AIP機関二基を搭載、ディーゼルスターリングエレクトリック推進方式で一軸推進を採用しています。出力は8000馬力、水中速力は20ノット。武装は533㍉魚雷発射管6門で、これまでの海上自衛隊潜水艦と同じく20発の魚雷もしくは対艦ミサイルを搭載していると考えられ、乗員は65名。既に五番艦までが建造中となっています。

Img_6697  AIP推進方式が注目される、そうりゅう型ですが、X字舵を採用して水中機動力の向上と接岸作業時の安全性を高めている点、舵の制御にはコンピュータを採用していて、主電動機に永久磁石方式を採用していて、潜望鏡には非船殻貫通方式のタレス社製オプトロニクマストCM101を三菱電機がライセンス生産したものを搭載するなど、これまでの海上自衛隊潜水艦とは技術的に進んだものが盛り込まれています。今回は、そうりゅう、の写真を掲載しましたが、明日、姉妹艦うんりゅう、が自衛艦として海へ歩みを始めることになります。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (23)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする