◆そして、はるな除籍から一年
明日3月18日は、一年前にヘリコプター搭載護衛艦はるな、が自衛艦旗を返納して除籍された日にあたります。
そして、ヘリコプター搭載護衛艦ひゅうが、が就役して一周年となる日でもあるわけですね。本日、海上自衛隊の新しい海洋観測艦しょうなん就役の日として報じられていますが、来週の25日には潜水艦うんりゅう、が自衛艦旗を受領、海上自衛隊の実用AIP潜水艦としては二隻目の就役となります。しかし、ひゅうが就役の驚き、正確には進水式を終えて横浜で建造中の様子を見たときと表現するべきでしょうか、その新鮮な衝撃とくらべれば、新しい立派な自衛艦の就役、という程度にしか見えなくなってきてしまいます。そのくらいに全通飛行甲板を備えた、ひゅうが型は驚きでした。
ひゅうが、の公試が行われているところを、運よく何度か陸上から見ることが出来まして、そのうちの一度は、ヘリコプター搭載護衛艦はるな、が環太平洋合同演習から帰国、横須賀に立ち寄った際に横浜を相模湾へ公試に向かっている、ひゅうが、と揃った写真を撮影することが出来ました。はるな・ひゅうが、新旧ヘリコプター搭載護衛艦が揃った写真は他では見たことがありませんので、少し嬉しくなるとともに、艦影の相違から、海上自衛隊護衛艦隊は、いよいよ全通飛行甲板の時代へと本格的に移行してゆくのか、と感じました。昨年には、二番艦いせ、が進水式を迎え、22DDHとして19500㌧、より大型の護衛艦も建造が承認されました。
海上自衛隊は、四個護衛隊群の編成を護衛艦隊の基幹部隊として位置付けていますから、22DDH、ながと型か、あかぎ型かは未知数ですけれども、日本の防衛安全保障政策が決定的な変更を行われない限り、更にもう一隻の建造が認められ、全通飛行甲板型のヘリコプター搭載護衛艦は、ひゅうが型2隻、そして22DDHの同型艦とともに、少なくとも四隻が建造され、配備されることとなります。しかし、大型護衛艦が充実する一方で、80年代から大量に建造された12隻の、はつゆき型、8隻の、あさぎり型がいよいよ耐用年数を迎え、後継艦の建造が急務になってきます。
19DDとして5000㌧型護衛艦の建造は始まっていて、今年夏にも進水式を迎えることとなるのですが、高性能の多機能レーダーを搭載し、満載排水量で7000㌧に達する大型護衛艦は建造費も高く、目下のところ4隻程度の建造が見込まれているのみで、はつゆき型を置き換えるには不十分です。また、はたかぜ型ミサイル護衛艦の耐用年数も近づいていますし、七年後の2017年には、FRAM改修を行わない限り、海上自衛隊初のイージス艦こんごう型が耐用年数を迎え始めることとなります。このあたりの対応についてもそろそろ具体像の模索を始める必要があるでしょう。
また、22DDHは、ひゅうが型と比較した場合、搭載する火器等の面でかなり個艦防衛に特化したもののみが装備されていますので、艦隊防空を担う固定翼機の導入や、それに伴う航空集団の改編、補給体系の近代化も、行う必要があるのか、それとも22DDHを補う強力な汎用護衛艦やミサイル護衛艦の整備を行うのか、ということも、本年末に予定されています防衛計画の大綱改訂、そして一年遅れの中期防衛力整備計画画定に向けて、考える必要があるでしょう。ひゅうが型就役から一周年を迎えるこうした日こそ、今後のこうした体系について、少し考えてみるにはいい機会なのでは、と思います次第。
HARUNA
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