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米海軍オハイオ級原子力潜水艦ミシガン(SSGN-727 Michigan)、横須賀基地へ入港

2010-09-28 22:42:30 | 防衛・安全保障

◆射程1600kmのトマホーク154発を搭載

 横須賀基地へアメリカ海軍のオハイオ級ミサイル潜水艦が補給のために入港したとのことです。こういう時に横須賀軍港めぐりに乗船したいですが、当方無理です、残念。

Img_5735  神奈川新聞からの引用です。米海軍オハイオ級原潜「ミシガン」、横須賀基地に入港/神奈川・・・2010年9月28日: 米海軍のオハイオ級原子力潜水艦「ミシガン」(1万6764トン、マクローリン大佐ら158人乗り組み)が28日午前10時5分ごろ、米海軍横須賀基地に入港した。「乗組員の休養と物資の補給・維持」などが目的とされている。 横須賀市によると、原子力艦船の寄港は通算816回目で、今年に入って15回目。http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1009280012/

Img_1970  オハイオ級戦略ミサイル原潜はトライデントSLBM24基を搭載する第四世代型戦略ミサイル原潜として1981年から18隻が建造され、多弾頭型のトライデントは一たび使用されれば大陸の地形から世界史まで激変させる威力を備えていた潜水艦ですが、STARTⅡ条約に基づく削減対象に本型が含まれた事で2006年からオハイオ、ミシガン、フロリダ、ジョージアの四隻が最大でトマホーク巡航ミサイル154発を搭載する巡航ミサイル原潜に改修されました。搭載するトマホークは射程1600kmのブロックⅢ/Ⅳ、核兵器を除けば原子力空母に次ぐ強力な打撃力といえるでしょう。

Img_7901  オハイオ級は水中排水量18750㌧、満載排水量19000㌧の、ひゅうが型護衛艦に匹敵する大きさで、戦略ミサイル原潜の時代は前方展開すること自体が潜水艦の秘匿性を損なうとして日本に入港する事はありませんでしたが、2008年10月16日に一番艦オハイオがミサイル原潜として初めて入港する事となりました。ミシガンは、オハイオとともに太平洋側のキトサップ基地に展開しており、フロリダ、ジョージアは大西洋岸のキングスベイ基地に展開して、長射程の巡航ミサイルを搭載しての紛争抑止への巡回を続けています。

Img_5270  今回の入港は訓練の一環としてかなり前から計画されていたのかもしれませんが、尖閣諸島において日中間が摩擦を続ける状況下にあるなかで、アメリカが日本側を強く支持する発言を繰り返し、菅直人首相の決定を称賛する発言も為されている中で、強力な打撃力を持つミサイル潜水艦の入港は心強い事です。しかし、日米間の連帯と同盟関係を強調する観点からも、もっと今回のミシガン入港は大きく報じられてもいいのかな、と思ったりもします、やはり困った時に同盟国がこういう強力な潜水艦を入港させてくれるというのはありがたいですね。

HARUNA

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コメント (18)
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