◆快晴に恵まれた今津駐屯地祭
今津駐屯地祭に行ってきました。写真も整理できていないものですからとりあえず保存した写真での速報です。
今津駐屯地は第3戦車大隊、第10戦車大隊の駐屯する中部方面隊機動打撃部隊の根幹をなす駐屯地ですが、同時に中部方面移動監視隊、中部方面無人偵察機隊が新編され、中部方面情報隊が編成完結、情報収集の中枢としての地位を担いつつあります。写真は今年度から運用開始した無人偵察ヘリコプターで、解説によれば無人観測ヘリコプターとは運用的性能的に別物との事です。
新しく情報科が新設されたことで、情報保全に加えて斥候と威力偵察を中心としていた情報収集体系に、これまで行われていた電子情報収集と沿岸監視能力を包含した部隊を構築出来るに至りました。こうした中で日本海を隔てて北朝鮮と対峙する中部方面隊に方面沿岸監視隊と方面無人偵察機隊が編成され、沿岸防衛の強化に一歩を踏み出したという事です。
観閲行進では地上レーダー装置1号改JTPS-P23レーダーが四両、参加しました。2007年から調達が始まり全国の偵察隊にも配備が開始されるこの装備とともに今回は展示されなかったのですが、光学装置の収束に寄り僅かな物体の動きも感知する広域用監視装置千里眼などを中部方面移動監視隊では運用しています。
今津駐屯地の主力と言いますか、メインと言うのは74式戦車です。旧式化していて、将来今後十年ほどで10式戦車に置き換えられるのでしょうけれども、今日なお重要な陸上自衛隊の機動打撃力を構成する装備です。各戦車中隊から小隊規模の戦車が観閲行進に参加、秋の晴れ空に戦車の威容を刻みました。
戦車について、日本ではいろいろな意見があるようですが、少なくとも専守防衛で地上戦と言えば確実に本土決戦となる防衛政策を選択してきた国民を守るためには、普通科部隊を中心に長期間ゆっくりと戦勢を展開するのではなく、機甲部隊による機動打撃力により迅速に敵主力と防御線を崩壊させる素早い展開こそが、国土の戦災による荒廃を防ぎ、人命と財産を守るものと考えます。そういう意味で戦車は重要です。
訓練展示の規模も例年通り実施されました。戦車中隊と装甲車小隊が仮設敵陣地に対して情報収集の上で攻撃し奪取する、という内容です。来場者の規模も例年並み、会場の配置は基本的に昨年と同じなのですが、今年度は例年立ち入ることが出来なかった倉庫側の一部が一般に開放されていました。
HARUNA
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