◆演習期間は10月18日~10月20日
防衛省統合幕僚監部HPによれば、平成22年度国際平和協力演習が10月18日から20日にかけて北海道の東千歳駐屯地、千歳基地において実施されるとのことです。
演習は、自衛隊の国際緊急援助活動について、最近の国際緊急援助活動における教訓を踏まえた実動訓練を実施し、統合運用能力の向上を図ることが目的とされます。統合幕僚監部が統裁し、陸上自衛隊からは北部方面隊、中央輸送業務隊が参加、航空自衛隊からは航空支援集団が参加、第1波の派遣に関わる資材などの航空機への統裁要領が訓練されるとのことです。
国際人道支援任務といえば、中央即応集団の中央即応連隊が最初の第一波派遣部隊を編成する、という印象が強いのですが、近年はその派遣に関する頻度も高くなり中央即応集団以外の部隊においてもその第一波を派遣することを考慮する必要が出てきた、という事もあるのかもしれません。
北部方面隊は規模としては自衛隊最大最強の方面隊ですし、広大な北海道の演習環境と北方からの脅威を想定した重装備重視の編成により、その練度も高い方面隊として知られ、西方脅威が指摘される今日では重要な戦略予備部隊としての性格も有しています、この北部方面隊が国際緊急援助隊に即応できる、という事は数の上で運用に柔軟性が付与されるでしょう。
一方で、航空自衛隊の輸送能力、という点では少々問題が残っています。航空自衛隊にはC-1輸送機が輸送型で25機と写真のC-130H輸送機が16機、しかし航続距離の短いC-1は海外派遣に対応していないため、C-130H輸送機16機しか国際貢献に対応していないのが現状です。新型のC-2輸送機が配備されれば大きく改善されるのですが、現状は厳しいですね。
他方で、国際緊急援助活動というかたちでも即応性が向上し、空輸展開できる体制を構築する、という事は必然的に有事の際の緊急対処能力も向上することを意味するのですがら、意義は多角的に大きいといえます。付け加えるのならば、北部方面隊ほど、というわけではありませんが、せめて普通科部隊だけでも中央即応連隊並に装甲化が実現すれば、整備は苦労するでしょうが国際緊急援助活動から従来型有事まで様々な局面に対応能力が高まる、と思ったりもします。
HARUNA
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