◆尖閣問題急騰を背景に
俳優の小林桂樹氏が心不全で旅立たれたそうです。新東宝の時代から東宝、そしてドラマまで活躍された方です。謹んでご冥福をお祈りします。さて、本日は南西諸島の話題。
与那国町議選、陸自誘致推進・町長派が過半数維持・・・ 台湾に近接する日本最西端の島、沖縄県・与那国島への陸上自衛隊誘致の是非が争点となった与那国町議選(定数6)は12日投開票され、誘致を推進する町長派が4議席を獲得し改選前に続いて過半数を維持、反対派は2議席だった。 町議選には8人が立候補。誘致派は「人口減に歯止めがかかり、経済活性化につながる。国境の島の守りにも不安がある」と主張。
反対派は「自衛隊が来れば台湾との摩擦を引き起こす。台湾との交流で活性化を図るべき」と訴えた。 防衛省は中国の日本近海での活動活発化などを踏まえ、与那国島など南西諸島への自衛隊配備へ向けた調査費3000万円を2011年度の政府予算に計上するよう要求している。(2010年9月13日 読売新聞)http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20100913-OYS1T00450.htm◆
少々古い記事の引用ですが、ううむ、地元の理解を得られた、というのでしたら旧気象庁官舎等を利用して比較的早い時期に施設を建設して分屯地を前倒しで配置してしまってはどうか、と思うのですがね。人員の捻出には苦労がたまるでしょうけれども、西部方面隊から国際平和維持活動支援の部隊編成という要領で送れば、本格的に沿岸監視隊が置かれるまで、繋ぎになるようにも思う次第です。
本来国防政策は国家の必要な視点から、つまりマクロ的な視野から画定して実施するべきものなのですが、南西諸島への自衛隊配備について、その該当地域の住民の方からもその必要性について、些か結論のみの同意、という印象はあるものの賛同が得られた、という事は幸いでした、勇気づけられますね。現在考えられているのは沿岸監視隊規模の情報関係の部隊を想定しているようですが、拠点があれば有事の際の即応性も高まります。
南西諸島は、中台関係の緊張がある限り重要性に代わりありません。現在日本の主権が及んでいますが、一方が領有化し、この地域に航空基地を建設した場合に台湾海峡の軍事バランスが大きく変動、台湾有事、という状況に直結するものです。台湾が確保すれば中国は台北への威力行使が困難となり台湾有事は遠のきますが、この日本に連動して台湾排除にかかるでしょう。中国が確保すれば台湾北方空域の憂慮が無くなり、数年内に有事、となるでしょう。
この地域における重要性を考えた場合、可能であれば地対艦ミサイル連隊を新編して配置し、88式地対艦誘導弾と、これを防護する81式短距離地対空誘導弾を展開させるのが理想、だとは思うのですが予算的には難しいでしょうか。沿岸監視隊以上の部隊についても考えなければならない事にもなるでしょう。
日中関係については今なお楽観視している向きも、あるのかもしれませんが、冷戦時代の最前線であった北海道とならび、21世紀の最前線は南西諸島となります。正直、第二次大戦の激戦地沖縄がこうなる事は避けたかったのですが、防衛費よりも福祉を重視し、外交では長らく対中融和政策を続けたツケが回ってきました。このことについては率直に反省するべきでしょう。
HARUNA
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