北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

防衛予算を圧迫する防衛省職員子供手当 児童手当だけで年額98億円

2010-09-02 23:46:16 | 国際・政治

◆子供手当の為に増大する防衛予算!

 丸を読んでいて少々驚いたのですが、国家公務員世帯に支給される子供手当は各省庁の予算枠で実施され、これが職員数の多い防衛省の場合、かなりの負担になっているとのことです。

Img_6522  これは軍事総合誌「丸 2010年10月号」のdefense reviewのコラムにて紹介されていたのですが、平成19年度防衛予算に占める児童手当だけで98億円に達しているという事で、これが子供手当満額支給となれば最低でも現行の数倍の支出となるのでは、と記されていました。児童手当が防衛予算から捻出されていた、という事も知らなかった不勉強な私ですが、子供手当も防衛予算から、それも縮減傾向にあり、装備品調達や訓練にまでしわ寄せがきている防衛予算から、隠れるようにしっかりと子供手当が引かれていたとは、と驚きました次第。

Img_6523  児童手当は、十二歳以下の児童が対象で一人目、二人目の児童に対して月額5000円、三人目の児童に対しては月額10000円を支給する、という制度で厚生年金加入者の場合、数字は人数により異なるのですが年収532万円以下が受給対象となります。防衛省は、受給額が98億円とのことですが、これは省庁では一位で、二位の国土交通省が受給額19億円といいますから、この額はかなりの負担です。子供手当は、現在半額の13000円が支給されていて、これでも一人目二人目の児童手当が5000円ですから、かなりの増額なのですが満額支給の26000円となった場合、これを全て防衛省が防衛予算から捻出する場合、かなりの負担となり、中期防あたりでみると護衛艦二隻分程度の費用となってしまう訳で、予算全体の抑制を求められている防衛省としては、厳しいものがあります。

Img_0972  一人あたりの支給額は二人目までの子供で五倍、そして所得制限がありませんので、受給額と受給対象の増大で下手をすると300~400億円、ということにもなるのでしょうか。防衛予算一割減を求めつつ、防衛予算削減要求額の一割に当たる部分が増加する、という事にもなる訳で、これは厳しい。しかも、子供手当分が増額した防衛予算は、そのまま、日本の防衛予算として各国の国防費と比較される訳ですから、日本の防衛力に実質影響の少ない子供手当の部分でも、増額して防衛予算が膨れれば、そのまま額面では軍拡している、という非難の要素を創ってしまっている事にもなります。いわば、子供手当の為に増大する防衛予算、子供軍拡、ううむ、何か腑に落ちないのは気のせいなのでしょうか。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする