■新装甲戦闘車の想定
前回までに戦車が削減される一方、戦車を支援する装甲戦闘車の位置づけを示しました、自衛隊には装甲戦闘車が必要だ、と。
しかし、大きな難点は訓練場の問題です、さすがに市街地駐屯地に隣接する狭い訓練場で装甲戦闘車の訓練を行うのは無理があります、動けませんし照準訓練にも支障がでてきます、もともと戦車部隊の駐屯地が例外なく演習場と隣接しているのは、市街地駐屯地に配備しては戦車が訓練できない為なのですから、この点は考えねばなりません。
装甲戦闘車の車幅は道路運送車両法にほぼ全車抵触しまして、シンガポールのバイオニクス装甲戦闘車くらいしか、車幅に問題のない車両は思い浮かびません、73式装甲車に砲塔を搭載するくらいでしょうか、ロシアのBMD-4空挺戦闘車も車幅はやはり広すぎます。装甲戦闘車を一個中隊、演習場近くに配置し、平時は駐屯地で機能別訓練を行うなど、対処法はいくつか考えられるところですが。
アメリカ海兵隊のLAV-25ですと車幅の問題はありませんが、海兵隊は軽装甲攻撃中隊に配備しているLAV-25,水陸両用能力を有するため汎用性は高いのですが軽装甲である点に加え不整地突破能力に限界があり、設計も1970年代に始まる旧式ですので、車幅以外の面では少々用途が限られてしまうでしょう。車幅は重要ですが全てではありません。
もっともLAV-25は水陸両用能力を有し現在アメリカ海兵隊では近代化改修作業がすすめられていますので、将来的に自衛隊がアメリカ海兵隊との共同作戦を重視するのであれば、更にオーストラリア陸軍とニュージーランド陸軍もLAV-25の自国仕様を導入していますので、この両国との防衛協力拡大を視野に含めると有用な車両です、一概にはいえないところ。
さて。89式装甲戦闘車の車体設計を利用し87式偵察警戒車の砲塔を搭載する、というもの。もちろん87式偵察警戒車は夜間戦闘能力が暗視装置に微光増倍方式を採用しており、89式装甲戦闘車の熱線暗視装置方式と比較し能力が劣りますので、暗視装置の換装など相応の近代化を行う必要があり、そもそも設計が25年以上前のものですので、仕様変更の必要はありますが、視点を示しました。
89式装甲戦闘車は、79式対舟艇対戦車誘導弾を搭載し、これも古くなってきましたが、4kmという交戦距離を有するとともに35mm機関砲による対地制圧能力の高さなどを有しますが、相応に取得費用が大きいのが難点です。もっとも5億円から年間一両の維持生産の場合で7億円、デフレが長く続いた日本ですが世界の標準的な装甲戦闘車と比較した場合、かなりの安価なのですが。
そこで、費用低減の方策として79式対舟艇対戦車誘導弾を省き、車載する人員用の01式軽対戦車誘導弾により代替、搭載機関砲も35mmを25mmとして砲塔動力系統を簡略化、更に砲塔基部小型化を人員区画の拡大にあて、増大する個人用装備の収容能力強化を目指す、という視点から、一種89式装甲戦闘車2型ともいうべき提案を前回した次第です。
北大路機関:はるな
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
前回までに戦車が削減される一方、戦車を支援する装甲戦闘車の位置づけを示しました、自衛隊には装甲戦闘車が必要だ、と。
しかし、大きな難点は訓練場の問題です、さすがに市街地駐屯地に隣接する狭い訓練場で装甲戦闘車の訓練を行うのは無理があります、動けませんし照準訓練にも支障がでてきます、もともと戦車部隊の駐屯地が例外なく演習場と隣接しているのは、市街地駐屯地に配備しては戦車が訓練できない為なのですから、この点は考えねばなりません。
装甲戦闘車の車幅は道路運送車両法にほぼ全車抵触しまして、シンガポールのバイオニクス装甲戦闘車くらいしか、車幅に問題のない車両は思い浮かびません、73式装甲車に砲塔を搭載するくらいでしょうか、ロシアのBMD-4空挺戦闘車も車幅はやはり広すぎます。装甲戦闘車を一個中隊、演習場近くに配置し、平時は駐屯地で機能別訓練を行うなど、対処法はいくつか考えられるところですが。
アメリカ海兵隊のLAV-25ですと車幅の問題はありませんが、海兵隊は軽装甲攻撃中隊に配備しているLAV-25,水陸両用能力を有するため汎用性は高いのですが軽装甲である点に加え不整地突破能力に限界があり、設計も1970年代に始まる旧式ですので、車幅以外の面では少々用途が限られてしまうでしょう。車幅は重要ですが全てではありません。
もっともLAV-25は水陸両用能力を有し現在アメリカ海兵隊では近代化改修作業がすすめられていますので、将来的に自衛隊がアメリカ海兵隊との共同作戦を重視するのであれば、更にオーストラリア陸軍とニュージーランド陸軍もLAV-25の自国仕様を導入していますので、この両国との防衛協力拡大を視野に含めると有用な車両です、一概にはいえないところ。
さて。89式装甲戦闘車の車体設計を利用し87式偵察警戒車の砲塔を搭載する、というもの。もちろん87式偵察警戒車は夜間戦闘能力が暗視装置に微光増倍方式を採用しており、89式装甲戦闘車の熱線暗視装置方式と比較し能力が劣りますので、暗視装置の換装など相応の近代化を行う必要があり、そもそも設計が25年以上前のものですので、仕様変更の必要はありますが、視点を示しました。
89式装甲戦闘車は、79式対舟艇対戦車誘導弾を搭載し、これも古くなってきましたが、4kmという交戦距離を有するとともに35mm機関砲による対地制圧能力の高さなどを有しますが、相応に取得費用が大きいのが難点です。もっとも5億円から年間一両の維持生産の場合で7億円、デフレが長く続いた日本ですが世界の標準的な装甲戦闘車と比較した場合、かなりの安価なのですが。
そこで、費用低減の方策として79式対舟艇対戦車誘導弾を省き、車載する人員用の01式軽対戦車誘導弾により代替、搭載機関砲も35mmを25mmとして砲塔動力系統を簡略化、更に砲塔基部小型化を人員区画の拡大にあて、増大する個人用装備の収容能力強化を目指す、という視点から、一種89式装甲戦闘車2型ともいうべき提案を前回した次第です。
北大路機関:はるな
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