北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

スタンダードSM-3ブロックIIA弾道ミサイル防衛用能力向上型迎撃ミサイル発射試験成功

2015-06-08 22:53:50 | 先端軍事テクノロジー
■SM-3ブロックIIA
 防衛省技術研究本部と米国ミサイル防衛庁が日米共同開発として開発を進めてきましたスタンダードSM-3ブロックIIA弾道ミサイル防衛用能力向上型迎撃ミサイルが発射実験に西欧したとのこと。

 スタンダードSM-3ブロックIIA弾道ミサイル防衛用能力向上型迎撃ミサイルの実験は米国カリフォルニア州ポイントマグー射場において実施され、第1次地上発射試験として最初の飛翔試験を行ったこととなります。その内容は迎撃試験ではなく発射後のノーズコーン分離と第3段ロケットモータ点火までの一連の動きを実発射を通じ試験したもの。

 射程は1200kmで最大迎撃高度は大気圏外の500kmまでを想定しており、従来の中距離弾道弾への対処に加えより高速度で落達し迎撃の難易度が高くなる大陸間弾道弾への迎撃が限定的に可能となっており、洋上のイージス艦より運用されることから、多弾頭型大陸間弾道弾が弾頭を分離以前に迎撃可能となる可能性をも含めています。

 日米共同開発に際し、我が国は開発費の45%程度を負担し進めており、日米の費用により開発された技術が将来の装備体系やアメリカが友好国や同盟国へ輸出することから、我が国からの武器輸出という結果につながる可能性があり、もともと我が国が武器輸出三原則の見直しを進めた最大の背景となった開発事案でした。

北大路機関:はるな
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コメント (1)
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