■ASCOD/CV-90
今回も装甲戦闘車について。装甲機動旅団用の機械化大隊基幹装備ということで掲載を続けていますが、今回も。
国産車両が望ましいのですが、ASCOD装甲戦闘車やCV-90装甲戦闘車でも換えられるとは考えます、ASCODはオーストリアとスペインが従来の旧式化した軽装甲戦闘車や装甲車を代替するべく開発したもので、30mm機関砲と高出力のエンジンを搭載した車両で、山間部と平野部という異なる運用環境に合致させるエンジン要求仕様の相違から、スペインとオーストリアがともに異なるエンジンや変速器を搭載できるよう余裕を持たせた設計で知られるもの。
自衛隊装備との互換性ですが、ASCODは、採用国が自国の整備補給体系に併せてエンジンや変速器を載せ換えることが可能であることから、イギリス陸軍将来装甲車体系の原型車両として、装甲戦闘車や軽戦車型に砲兵車両や工兵車両として採用されるものとなりました、増加装甲などの改修により取得費用は邦貨換算で9億円前後となりましたが、我が国が採用する場合はエンジンなどを国産として整備の利便性をたかめられるでしょう。
CV-90,スウェーデン製装甲戦闘車で強力なボフォース40mm機関砲を搭載する車両です。実際、オランダ軍などはCV-90の充足を待って戦車をドイツ軍保有戦車に依存し廃止したほどの能力を持ち、ノルウェーやフィンランド、オランダにスイスなど欧州各国が大量に採用しており、欧州標準装甲戦闘車というべき車両です。
ボフォース40mm機関砲は貫徹力が大きく、近年はテレスコープ弾仕様のオプションや、各国補給体系に合わせ35mm仕様なども提案されています。もともとは装甲戦闘車が機関砲に対戦車ミサイルを合わせて搭載する方式がM-2や89式にダルド等と一種潮流となりつつあった時代、一石を投じたのが大口径機関砲の搭載でした。
CV-90の新しい提案は、ポーランド軍がT-72戦車の後継に充てるべく開発を進めるPL-01軽戦車でCV-90に105mm砲を搭載したもので、この種の軽戦車型は多く提案されていますが、マルダー装甲戦闘車に105mm砲を搭載したアルゼンチンのTAM軽戦車以来の規模で大量配備となる可能性がでています、逆に12.7mm機関銃をRWSに搭載する簡易型のアルマジロ重装甲車も提案され、武装の自由度が高いのも利点の一つ。
二車種以外に、ドイツが開発したプーマ重装甲戦闘車のように、もっとも量産が全く進んでいない点にプーマは留意すべきですが10式戦車並みの重量を有し、その分10式戦車よりも高価ではありますが、非常な重装甲を有して国際平和維持活動での絶対的な防護力を期待したものが開発され、イスラエルなどはメルカヴァ主力戦車の設計を流用したナメル重装甲車、などといったものもあります。
これら装甲戦闘車を国産ないしライセンス生産するという視点は、実は有事の際の緊急生産という部分から戦車を援護することとなる要素を忘れてはなりません。装甲戦闘車の生産で戦車の工場設備をある程度流用できる、ということで、そもそも冷戦時代、74式戦車は年産60両、月産5両を前提として生産されていましたが、これは有事の際の見積もりとして月産10両程度に増強し損害の補填とした運用を想定したという話がありました。
北大路機関:はるな
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
今回も装甲戦闘車について。装甲機動旅団用の機械化大隊基幹装備ということで掲載を続けていますが、今回も。
国産車両が望ましいのですが、ASCOD装甲戦闘車やCV-90装甲戦闘車でも換えられるとは考えます、ASCODはオーストリアとスペインが従来の旧式化した軽装甲戦闘車や装甲車を代替するべく開発したもので、30mm機関砲と高出力のエンジンを搭載した車両で、山間部と平野部という異なる運用環境に合致させるエンジン要求仕様の相違から、スペインとオーストリアがともに異なるエンジンや変速器を搭載できるよう余裕を持たせた設計で知られるもの。
自衛隊装備との互換性ですが、ASCODは、採用国が自国の整備補給体系に併せてエンジンや変速器を載せ換えることが可能であることから、イギリス陸軍将来装甲車体系の原型車両として、装甲戦闘車や軽戦車型に砲兵車両や工兵車両として採用されるものとなりました、増加装甲などの改修により取得費用は邦貨換算で9億円前後となりましたが、我が国が採用する場合はエンジンなどを国産として整備の利便性をたかめられるでしょう。
CV-90,スウェーデン製装甲戦闘車で強力なボフォース40mm機関砲を搭載する車両です。実際、オランダ軍などはCV-90の充足を待って戦車をドイツ軍保有戦車に依存し廃止したほどの能力を持ち、ノルウェーやフィンランド、オランダにスイスなど欧州各国が大量に採用しており、欧州標準装甲戦闘車というべき車両です。
ボフォース40mm機関砲は貫徹力が大きく、近年はテレスコープ弾仕様のオプションや、各国補給体系に合わせ35mm仕様なども提案されています。もともとは装甲戦闘車が機関砲に対戦車ミサイルを合わせて搭載する方式がM-2や89式にダルド等と一種潮流となりつつあった時代、一石を投じたのが大口径機関砲の搭載でした。
CV-90の新しい提案は、ポーランド軍がT-72戦車の後継に充てるべく開発を進めるPL-01軽戦車でCV-90に105mm砲を搭載したもので、この種の軽戦車型は多く提案されていますが、マルダー装甲戦闘車に105mm砲を搭載したアルゼンチンのTAM軽戦車以来の規模で大量配備となる可能性がでています、逆に12.7mm機関銃をRWSに搭載する簡易型のアルマジロ重装甲車も提案され、武装の自由度が高いのも利点の一つ。
二車種以外に、ドイツが開発したプーマ重装甲戦闘車のように、もっとも量産が全く進んでいない点にプーマは留意すべきですが10式戦車並みの重量を有し、その分10式戦車よりも高価ではありますが、非常な重装甲を有して国際平和維持活動での絶対的な防護力を期待したものが開発され、イスラエルなどはメルカヴァ主力戦車の設計を流用したナメル重装甲車、などといったものもあります。
これら装甲戦闘車を国産ないしライセンス生産するという視点は、実は有事の際の緊急生産という部分から戦車を援護することとなる要素を忘れてはなりません。装甲戦闘車の生産で戦車の工場設備をある程度流用できる、ということで、そもそも冷戦時代、74式戦車は年産60両、月産5両を前提として生産されていましたが、これは有事の際の見積もりとして月産10両程度に増強し損害の補填とした運用を想定したという話がありました。
北大路機関:はるな
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)