■練習機とCOIN機
練習機について、前回軽攻撃伊としての運用が南西諸島での脅威想定に対処し得ないところまでを検証しました。

現在の練習機の中には、軽攻撃機としての能力を持つものがあり、中にはそれを強調する機体も存在します、これまでに紹介しましたM-346の姉妹機であるロシアのYak-130などは明らかに軽攻撃機としての能力を強調していまして、空対空ミサイルの運用能力は短射程型に止まりますが、火器管制装置の能力は、オプション次第で相当高められるもの。

Yak-130は軽攻撃機としての性能を強調しつつも、あくまで練習機なのですが、搭載する短射程空対空ミサイルの性能は日進月歩ですので、例えばMiG-21のような戦闘機であっても旧式のミサイルを搭載したまま、迂闊に近寄れば返り討ちにする程度の能力があります。もちろん、防空管制支援等の有無と水準も大きく反映するものではあるのですが。

このほかに、大半の練習機は戦闘機や攻撃機というほどではなくともCOIN機、即ちゲリラやテロ組織に麻薬密売組織等の制圧に用いる用途の軽攻撃機ですが、このCOIN機程度の用途には、初等練習機でも転用可能なオプションを備えている例が多いのです。また、逆にジェットではなくターボプロップ方式の低速機のほうがCOIN機のきめ細やかな用途に合致している、という事情もあります。

ただ、COIN機が我が国防衛に寄与するかといいますと、ほぼその用途はありません、対ゲリラ戦用といいますが、我が国は内戦中のような状況にありませんし、国際平和維持活動においてもこの種の航空機を投入する可能背うは無く、更に武装勢力の他特殊部隊対処等国内での所謂グレーゾーン事態などは想定されるものですが、COIN機は携帯地対空ミサイル等に脆弱性を有しており、我が国へ浸透する程度の能力と戦略目標を有する脅威へは、能力不足でしょう。

一応、COIN機のほかに練習機の用途としてジェット機であっても超音速戦闘機と異なる小回りから、低速小型機による自爆テロ対策や、法執行機関を支援しての情報収集の母機として、更に哨戒機よりも速度が速い機種については海洋監視任務に、用いる事は可能である、としてこの種の航空機の多用途性を強調するメーカーもないではないのですが、しかし専用機種である必要性も低いというところ。

軽攻撃機運用を前提とする練習機は、この通りの状況を想定していますので、我が国が想定する航空攻撃任務とは大きな開きがあるのです。特に、南西諸での有事のさいには脅威対象は艦艇に関して高度な防空艦艇を随伴させ、前述の通り南西諸島までを戦闘行動半径に含める戦闘機は高性能、COIN機としての運用が限界となる航空機はなかなか出番が考えられません。

冷戦時代、欧州NATO正面であれば、軽攻撃機アルファジェットが軽攻撃任務を、特にドイツ空軍が想定していまして、確かに当時のソ連地上軍は最高度の野戦防空能力を有していましたが、超低空飛行と多数の分散運用を重ね合わせることで、近接航空支援に寄与する可能性があったのですが、残念ながら欧州にあてはまる要素と我が国南西諸島の情勢、違うものがあるのです。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
練習機について、前回軽攻撃伊としての運用が南西諸島での脅威想定に対処し得ないところまでを検証しました。

現在の練習機の中には、軽攻撃機としての能力を持つものがあり、中にはそれを強調する機体も存在します、これまでに紹介しましたM-346の姉妹機であるロシアのYak-130などは明らかに軽攻撃機としての能力を強調していまして、空対空ミサイルの運用能力は短射程型に止まりますが、火器管制装置の能力は、オプション次第で相当高められるもの。

Yak-130は軽攻撃機としての性能を強調しつつも、あくまで練習機なのですが、搭載する短射程空対空ミサイルの性能は日進月歩ですので、例えばMiG-21のような戦闘機であっても旧式のミサイルを搭載したまま、迂闊に近寄れば返り討ちにする程度の能力があります。もちろん、防空管制支援等の有無と水準も大きく反映するものではあるのですが。

このほかに、大半の練習機は戦闘機や攻撃機というほどではなくともCOIN機、即ちゲリラやテロ組織に麻薬密売組織等の制圧に用いる用途の軽攻撃機ですが、このCOIN機程度の用途には、初等練習機でも転用可能なオプションを備えている例が多いのです。また、逆にジェットではなくターボプロップ方式の低速機のほうがCOIN機のきめ細やかな用途に合致している、という事情もあります。

ただ、COIN機が我が国防衛に寄与するかといいますと、ほぼその用途はありません、対ゲリラ戦用といいますが、我が国は内戦中のような状況にありませんし、国際平和維持活動においてもこの種の航空機を投入する可能背うは無く、更に武装勢力の他特殊部隊対処等国内での所謂グレーゾーン事態などは想定されるものですが、COIN機は携帯地対空ミサイル等に脆弱性を有しており、我が国へ浸透する程度の能力と戦略目標を有する脅威へは、能力不足でしょう。

一応、COIN機のほかに練習機の用途としてジェット機であっても超音速戦闘機と異なる小回りから、低速小型機による自爆テロ対策や、法執行機関を支援しての情報収集の母機として、更に哨戒機よりも速度が速い機種については海洋監視任務に、用いる事は可能である、としてこの種の航空機の多用途性を強調するメーカーもないではないのですが、しかし専用機種である必要性も低いというところ。

軽攻撃機運用を前提とする練習機は、この通りの状況を想定していますので、我が国が想定する航空攻撃任務とは大きな開きがあるのです。特に、南西諸での有事のさいには脅威対象は艦艇に関して高度な防空艦艇を随伴させ、前述の通り南西諸島までを戦闘行動半径に含める戦闘機は高性能、COIN機としての運用が限界となる航空機はなかなか出番が考えられません。

冷戦時代、欧州NATO正面であれば、軽攻撃機アルファジェットが軽攻撃任務を、特にドイツ空軍が想定していまして、確かに当時のソ連地上軍は最高度の野戦防空能力を有していましたが、超低空飛行と多数の分散運用を重ね合わせることで、近接航空支援に寄与する可能性があったのですが、残念ながら欧州にあてはまる要素と我が国南西諸島の情勢、違うものがあるのです。
北大路機関:はるな くらま
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