■F-35A三菱FACO初飛行!
航空自衛隊次期主力戦闘機F-35A,日本組立分のAX-5が本日、航空自衛隊小牧基地に隣接する三菱重工小牧南工場から初飛行を迎えました。
岐阜基地へ進入するF-35A,航空自衛隊初の第五世代戦闘機です。F-35A航空自衛隊向け五号機AX-5は三菱重工小牧南工場FACO最終組立検査施設にて胴体部分と主翼及びエンジン部分に関する最終組立を完了したもので、この三菱FACOは2015年12月15日からF-35の組み立てを実施しています。ここでは重整備や改修を行う国際整備拠点MRO&Uも担う。
F-35Aは第五世代戦闘機として従来の戦闘機を圧倒すると共に陸海空統合戦闘の融合を念頭にシステム構築された画期的防衛装備です。ステルス性が最大の特色で、レーダー反射を徹底し抑える形状と共に機体構成のカーボン複合材は、素材段階よりRAMレーダー波吸収材含有の新技術が用いられ、巨大な機体もレーダー上には舞う葉書程度にしか映らない。
AN/APG-81 レーダーはAESAレーダー方式が採用され第五世代戦闘機の鏑矢F-22A用のAN/APG-77を改良小型化し、最大探知距離166.7kmを有します。センサー融合によりF-35はレーダー情報に加え多様な情報を元に戦闘優位を構築し、更にF-35単体に加えE-767やイージス艦始め将来的には10式戦車等の各種防衛装備とのネットワークを構築可能です。
ネットワーク型戦闘機体システムを設計段階から採用したF-35はAN/APG-81 レーダーに加えAN/AAQ-40 EOTS電子・光学式照準システムとAN/AAQ-37 EO-DAS電子式光学画像配信システムを搭載し、地上と航空目標や弾道ミサイル等を包括的に収集し且つ処理し、戦域情報を俯瞰し恰も手に取るが如く操縦士や司令部へ供する事が可能となりました。
初飛行には岐阜基地飛行開発実験団のF-2Bが同伴しました。本日岐阜基地ではF-2戦闘機後継ステルス戦闘機への技術蓄積を目指すX-2実験機が飛行試験を行い、F-2戦闘機搭載の新型超音速対艦ミサイルXASM-3技術試験も実施されています。併せてF-35Aは航空自衛隊のF-15Jとのデータリンクを念頭としており、防空全体の世代交代に資する航空機です。
自衛隊ではF-35要員の教育を大車輪で進めており、アリゾナ州ルーク空軍基地では最初の操縦要員2名が操縦課程を修了しました。全て単座であるF-35A要員はFMSフルミッションシミュレーターを用いて実施され、航空自衛隊では老朽化したF-4EJ戦闘機の後継として当面42機を導入し、将来的にF-15J初期型の後継機にもF-35Aが有力視されている。
三沢基地に航空自衛隊最初のF-35A飛行隊が創設される事となっていまして、今年度末にも臨時F35飛行隊が新編されます。F-35A戦闘機は一機一億ドル、という高価な機体ですが、アメリカ空軍は1763機を導入予定で、海軍が艦載型のC型を260機、海兵隊が各種420機、イギリス海空軍がB型を138機、イタリア空軍の131機等、12か国が採用します。
日の丸を冠した機体ながら真紅の旭日を描かないのはステルス素材の性能を最大限発揮させる為です。全ての兵装は必要に応じ全て機内に搭載し開戦第一一撃を担う。一方でステルス機ですが航空管制用に機体後部にレーダーリフレクターを装着しています。複数の突起を装着する事で航空管制を混乱させぬようF-2戦闘機程度までレーダーに反射させます。
平和国家として専守防衛の我が国にとり、第一撃を受け身で受ける為、航空防衛は緒戦を耐え再構築するには優れた戦闘機が必要です。一方、中国海軍の国産空母建造や遂に戦後初めて1000回を超えた対領空侵犯措置任務等周辺での活発な軍事行動は防衛力の重要性を繰り返し認識させる厳しい情勢であり、F-35Aの日本での初飛行は“間に合った”防衛力整備の筆頭といえるでしょう。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
航空自衛隊次期主力戦闘機F-35A,日本組立分のAX-5が本日、航空自衛隊小牧基地に隣接する三菱重工小牧南工場から初飛行を迎えました。
岐阜基地へ進入するF-35A,航空自衛隊初の第五世代戦闘機です。F-35A航空自衛隊向け五号機AX-5は三菱重工小牧南工場FACO最終組立検査施設にて胴体部分と主翼及びエンジン部分に関する最終組立を完了したもので、この三菱FACOは2015年12月15日からF-35の組み立てを実施しています。ここでは重整備や改修を行う国際整備拠点MRO&Uも担う。
F-35Aは第五世代戦闘機として従来の戦闘機を圧倒すると共に陸海空統合戦闘の融合を念頭にシステム構築された画期的防衛装備です。ステルス性が最大の特色で、レーダー反射を徹底し抑える形状と共に機体構成のカーボン複合材は、素材段階よりRAMレーダー波吸収材含有の新技術が用いられ、巨大な機体もレーダー上には舞う葉書程度にしか映らない。
AN/APG-81 レーダーはAESAレーダー方式が採用され第五世代戦闘機の鏑矢F-22A用のAN/APG-77を改良小型化し、最大探知距離166.7kmを有します。センサー融合によりF-35はレーダー情報に加え多様な情報を元に戦闘優位を構築し、更にF-35単体に加えE-767やイージス艦始め将来的には10式戦車等の各種防衛装備とのネットワークを構築可能です。
ネットワーク型戦闘機体システムを設計段階から採用したF-35はAN/APG-81 レーダーに加えAN/AAQ-40 EOTS電子・光学式照準システムとAN/AAQ-37 EO-DAS電子式光学画像配信システムを搭載し、地上と航空目標や弾道ミサイル等を包括的に収集し且つ処理し、戦域情報を俯瞰し恰も手に取るが如く操縦士や司令部へ供する事が可能となりました。
初飛行には岐阜基地飛行開発実験団のF-2Bが同伴しました。本日岐阜基地ではF-2戦闘機後継ステルス戦闘機への技術蓄積を目指すX-2実験機が飛行試験を行い、F-2戦闘機搭載の新型超音速対艦ミサイルXASM-3技術試験も実施されています。併せてF-35Aは航空自衛隊のF-15Jとのデータリンクを念頭としており、防空全体の世代交代に資する航空機です。
自衛隊ではF-35要員の教育を大車輪で進めており、アリゾナ州ルーク空軍基地では最初の操縦要員2名が操縦課程を修了しました。全て単座であるF-35A要員はFMSフルミッションシミュレーターを用いて実施され、航空自衛隊では老朽化したF-4EJ戦闘機の後継として当面42機を導入し、将来的にF-15J初期型の後継機にもF-35Aが有力視されている。
三沢基地に航空自衛隊最初のF-35A飛行隊が創設される事となっていまして、今年度末にも臨時F35飛行隊が新編されます。F-35A戦闘機は一機一億ドル、という高価な機体ですが、アメリカ空軍は1763機を導入予定で、海軍が艦載型のC型を260機、海兵隊が各種420機、イギリス海空軍がB型を138機、イタリア空軍の131機等、12か国が採用します。
日の丸を冠した機体ながら真紅の旭日を描かないのはステルス素材の性能を最大限発揮させる為です。全ての兵装は必要に応じ全て機内に搭載し開戦第一一撃を担う。一方でステルス機ですが航空管制用に機体後部にレーダーリフレクターを装着しています。複数の突起を装着する事で航空管制を混乱させぬようF-2戦闘機程度までレーダーに反射させます。
平和国家として専守防衛の我が国にとり、第一撃を受け身で受ける為、航空防衛は緒戦を耐え再構築するには優れた戦闘機が必要です。一方、中国海軍の国産空母建造や遂に戦後初めて1000回を超えた対領空侵犯措置任務等周辺での活発な軍事行動は防衛力の重要性を繰り返し認識させる厳しい情勢であり、F-35Aの日本での初飛行は“間に合った”防衛力整備の筆頭といえるでしょう。
北大路機関:はるな くらま
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