■始動する北海道の機甲師団
ウクライナ戦争、ロシア軍のウクライナ侵攻は一部でロシア軍が防御陣地を構築しはじめたと衛星写真で判明し長期化の様相を呈す、そんななかで北海道の抑止力を紹介だ。
73式装甲車に89式装甲戦闘車に96式自走迫撃砲、戦車や自走砲に加え装甲車両の観閲行進待機位置への前進が開始されました。これは写真でも案外届くのかもしれませんが、これだけの装甲車両が一斉に動きはじめますと本当に大気が揺れ動き始めるのですよね。
装甲戦闘車は、しかし自衛隊にはいま最も必要な装備であるように思う、それはロシアの脅威の為でも中国の脅威でもましてや北朝鮮の脅威からでもない、少子高齢化の時代において、普通科隊員は必要なのです、だからこそ守らなければならない。この日本の為にも。
自衛隊の普通科隊員は、いろいろ調べてみますと先進国の中では最も体力を強いられている、徒歩機動や山岳機動力などでは恐らく世界最高でしょう。武装競争などはあのフランス外人部隊の水準といいますし、ここまで個人技術に頼るのはアメリカ海兵隊など一部で。
空挺兵としてアメリカの101や82は凄いといいますし、フランスの27山岳も凄いという、イギリス海兵隊などは全員コマンドーだ、と反論されればまさにその通りなのですが、全般的な平均値としては、陸上自衛隊はかなり高い水準にあるのではないのか、平均値です。
装甲車に乗車させるならば、最後の瞬間まで体力を温存でききますので下車戦闘では短距離走のような瞬発力を発揮できます、逆に長距離競歩の能力で短距離走に勝てというような要求そのものが不思議というものでして、それならば装甲戦闘車に乗せるべきとおもう。
日本の89式装甲戦闘車は銃眼からの乗車戦闘を念頭とした第一世代の装甲戦闘車ですが、世界の装甲戦闘車は乗車戦闘能力よりも歩兵戦闘の迅速化へ、打撃力を機関砲に特化させ、その上で乗車歩兵は銃眼からの射撃で戦闘への参加よりは、下車戦闘に軸を置くようなる。
機関砲の3P弾やフレシット弾など散弾型の砲弾を含め陣地攻撃を行うことで装甲戦闘車への陣地からの反撃を抑制させ、近接戦闘に下車展開を開始するまで、とにかく陣地に肉薄するという運用に転換しています。ここが重要で、防御力をたかめなければならないのだ。
防御力を高めるという構図から銃眼は、銃眼に対戦車擲弾が命中した場合は構造上メタルジェットが戦闘室内に流れ込み乗車人員を殺傷する懸念、こうしたものを回避する必要があり、銃眼を改良により塞ぐか、新型では排する設計が新しい常識となりつつあります。
これは同時に装甲戦闘車の車内設計が従来は銃眼を射撃するために座席を車体中央部に配置し乗員は車体左右で背中合わせに配置していたのに対し、従来のAPC装甲人員輸送車のように向かい合わせに、つまり通勤電車のロングシートのように座席を配置するのです。
これは利点が一見分かりませんが、車内中央部に空間が生まれることを意味し、対戦車ミサイルを車内に持ち込みやすくなる利点が生まれるということ。対戦車ミサイル、第一世代装甲戦闘車には対戦車ミサイルを車載するものが、予算が許せが広範に行われました。
ミサイルの搭載、ソ連のBMP-2やBMP-1はサガー等、そしてアメリカのM-2ブラッドレーなどはTOWを標準装備、イギリスのウォリアーはオプションとして輸出用に提示していました、日本の89式装甲戦闘車も79式対舟艇対戦車誘導弾を標準装備していたのですが。
これは砲塔に搭載するもので、車内には89式装甲戦闘車では84mm無反動砲を装備する程度、ブラッドレーでは昔は旧型のドラゴン対戦車ミサイルまでは持ち込んでいたようですがジャベリン対戦車ミサイルなどは持ち込みません。最初の時点で窮屈だったのですね。
対戦車ミサイル、必要ならば無理矢理持ち込もうと思えばのせられるのでしょうが、なにしろ車内の戦闘室中央部の座席が邪魔になります、ジャベリンもドラゴンも携帯対戦車ミサイルですが、これが三脚を要するミラン対戦車ミサイルやスパイクER対戦車ミサイルは。
ミラン対戦車ミサイルやスパイクER対戦車ミサイルなどとなりますと、打つ手なし、入らなくなる。これがCV-90やASCODなどでは三脚ごと持ち込むことが可能です。邪魔にはなりますが車内は相応に広く、足の位置を工夫するならば81mm迫撃砲も持ち込めます。
ミサイルも迫撃砲も予備弾薬も搭載できる。利点は多い、対戦車ミサイルは基本的に直接照準で運用します、いやレーザー誘導型の第三世代型などはレーザー照射装置を離隔して運用するならば直接照準の必要はないのですけれども、各国なかなかそういう運用はない。
対戦車戦闘、基本的に装甲戦闘車が独立戦闘を行う場合には、直接照準の必要があり、見通しの良い射撃陣地に展開する必要がある、対戦車ミサイルの速度はTOWや重MATなど有線誘導型が200m/sというところ、この速度の根拠は誘導ワイヤーが切れてしまうため。
レーザー誘導型が400m/sで音速を超える程度なのですが、戦車砲弾は1800m/s程度が普通、4kmの射程で射撃しますと命中まで十秒二十秒と対戦車ミサイルが要するとともに誘導しつづけねばならないのですが、対する戦車は主砲の瞬発交戦能力が極めて高いという。
戦車砲弾は2秒で誘導中の装甲戦闘車を撃破し得るということにほかなりません。装甲戦闘車にミサイルを搭載するのはこうした問題点がありまして、たとえば今後は装甲戦闘車に伸縮式マストを、ドイツオランダのフェネク装甲偵察車のようなものを搭載することも。
伸縮式マストを、ここから誘導し車体は掩砲所からミサイルを射撃することもあり得るのかもしれませんし、威力は限られますがスイッチブレード徘徊式弾薬を装甲戦闘車から打ち上げるとか、ミサイル誘導用に無人機を活用する選択肢もあるのかもしれませんが。
しかし、現状では車体をさらす必要がある。すると、下車戦闘でミサイル班を降ろして有利な地形からミサイルを運用する利点は、実は大きいのですよね。実際、CV-90の訓練をみますと戦車との遭遇戦では即座に対戦車班3名を下車させる。ミサイル射程は3kmほど。
対戦車班を下車展開させると装甲戦闘車は迅速に後方の掩蔽可能な地形に後退し機関砲で対戦車班を敵歩兵から防護しつつ、対戦車班は素早く地形防御の彼方に隠れて敵戦車を攻撃しています。戦車と協同が前提であれば、装甲戦闘車は出番は薄くなるのかもしれない。
時代遅れ、乗車戦闘の時代は終わりつつあるのかもしれませんが、これを根本から示すのが殆ど乗車戦闘だけを想定して開発した様な旧ソ連製BMP-3を見ますと納得するのではないでしょうか、今年二月中旬までは搭載火砲口径だけで強力な装甲戦闘車と信じていた。
アメリカのブラッドレー装甲戦闘車等を見ますと、乗車戦闘能力というものが反映されているのですよね、これは89式装甲戦闘車と同じ様に乗員は背中合わせに着席する、銃眼から外を狙えるように。ドイツのマルダー装甲戦闘車も同様、その下車戦闘の乗降口は狭い。
プーマ装甲戦闘車やCV-90装甲戦闘車といった、新時代の装甲戦闘車は車内がフラットで乗員は隔壁に沿って座席を配置しています、これですと銃眼は無いので乗車戦闘は想定していないのですが、対戦車ミサイルを車載する際にも座席などの配置は邪魔になりません。
戦車の時間だ。観閲行進準備は戦車連隊の移動が開始される頃合いに。90式戦車、これだけ数が揃うと中々の迫力です。第71戦車連隊、第72戦車連隊、第73戦車連隊と、第7師団には三個戦車連隊が揃っていまして、有事の際の機動打撃を担う骨幹戦力となります。
第71戦車連隊、第72戦車連隊、第73戦車連隊と、各戦車連隊は本部管理中隊と五個戦車中隊を基幹としていて、戦車連隊戦闘団を組む際には第11普通科連隊に六個普通科中隊と重迫撃砲中隊が置かれていますので、任務に応じた様々な編成が状況に応じて可能という。
BMP-3装甲戦闘車はやはりダメだったのか、ロシア軍ウクライナ侵攻にともなうウクライナ戦争によりBMP-3がかなりの数が撃破されたことで、打撃力に特化した装甲車両の限界というものを痛感させられました、また撃破された車両をみますと乗員は、とも思う。
装甲戦闘車、このなかにあってBMP-3は異端児でした、こういうのももともとは軽戦車として設計された車体を応用した車両ですので異色といえば異色なのですが、同時に100mm低圧砲と30mm機関砲を連装し火力重視設計で、100mmという口径に身構えたもの。
100mm低圧砲は陣地攻撃に火力支援として用いるか、または対戦車ミサイルを運用し遠距離にある戦車などに対抗するという運用が用いられていまして、動く相手いにたいして正確に照準できるものではなく、こうした場合には基本的に機関砲を用いていました。
PT-76水陸両用軽戦車、BMP-3の車体設計はこのPT-76を応用したものなのですが、これは同時に下車戦闘を想定した車体ではないために乗員は苦労して下車するという設計でした。車体後部にあるエンジンが邪魔で下車の際にはエンジン上を屈んで降りてゆくという。
乗車戦闘重視、もともとBMP-3はソ連陸軍の無理な火力至上主義という要請により設計されたものでした。このために下車戦闘は可能でさえあれば設計上の配慮が重視されなかったのかもしれません、故に乗車戦闘が第一であり、車内配置も相応のものとなっています。
BMP-3は座席がすべて前を向いて配置されている、いやより具体的には100mm低圧砲と30mm機関砲を備えた巨大な砲塔、その基部を囲むように座席が配置されていまして、窮屈というものを考えさせられる、だけではなく砲弾と兵員が同居する危険な配置を採った。
装甲車の必然、下車戦闘に際して、BMP-3は下車に時間をかけるものですが、同時にそれは乗車、つまりBMP-3への復帰へも時間を要するものである裏返し。訓練でどの程度の歩兵全員下車や再度乗車所要時間を想定しているかは未知数ですが、迅速は不可能でしょう。
一方、100mm低圧砲と30mm機関砲の連装というものは一見強そうに見えまして、しかし主砲だけで二系統の弾薬を必要とするにほかなりません。このためロシア軍は57mm自動砲への換装を計画しています、本来はアルマータT-15重装甲戦闘車用に開発されたもの。
57mm自動砲は高射機関砲を転用したもので、発射速度も高いのですが初速が高く射程も長い、具体的にはアメリカのTOWミサイルを遙かに凌駕する性能であり、アメリカ製装甲戦闘車をアウトレンジする性能を備えている。装甲戦闘車同士の戦闘では相応に脅威です。
日曜特集、これは北大路機関記事の資料写真としての機能もありますので写真点数を多めとしましたら、何回記事が必要なのか、と24枚記事を36枚記事に強化してみましたが、その分はわたしの戦車観を列挙する記事となってしまいました。御付き合いください。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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ウクライナ戦争、ロシア軍のウクライナ侵攻は一部でロシア軍が防御陣地を構築しはじめたと衛星写真で判明し長期化の様相を呈す、そんななかで北海道の抑止力を紹介だ。
73式装甲車に89式装甲戦闘車に96式自走迫撃砲、戦車や自走砲に加え装甲車両の観閲行進待機位置への前進が開始されました。これは写真でも案外届くのかもしれませんが、これだけの装甲車両が一斉に動きはじめますと本当に大気が揺れ動き始めるのですよね。
装甲戦闘車は、しかし自衛隊にはいま最も必要な装備であるように思う、それはロシアの脅威の為でも中国の脅威でもましてや北朝鮮の脅威からでもない、少子高齢化の時代において、普通科隊員は必要なのです、だからこそ守らなければならない。この日本の為にも。
自衛隊の普通科隊員は、いろいろ調べてみますと先進国の中では最も体力を強いられている、徒歩機動や山岳機動力などでは恐らく世界最高でしょう。武装競争などはあのフランス外人部隊の水準といいますし、ここまで個人技術に頼るのはアメリカ海兵隊など一部で。
空挺兵としてアメリカの101や82は凄いといいますし、フランスの27山岳も凄いという、イギリス海兵隊などは全員コマンドーだ、と反論されればまさにその通りなのですが、全般的な平均値としては、陸上自衛隊はかなり高い水準にあるのではないのか、平均値です。
装甲車に乗車させるならば、最後の瞬間まで体力を温存でききますので下車戦闘では短距離走のような瞬発力を発揮できます、逆に長距離競歩の能力で短距離走に勝てというような要求そのものが不思議というものでして、それならば装甲戦闘車に乗せるべきとおもう。
日本の89式装甲戦闘車は銃眼からの乗車戦闘を念頭とした第一世代の装甲戦闘車ですが、世界の装甲戦闘車は乗車戦闘能力よりも歩兵戦闘の迅速化へ、打撃力を機関砲に特化させ、その上で乗車歩兵は銃眼からの射撃で戦闘への参加よりは、下車戦闘に軸を置くようなる。
機関砲の3P弾やフレシット弾など散弾型の砲弾を含め陣地攻撃を行うことで装甲戦闘車への陣地からの反撃を抑制させ、近接戦闘に下車展開を開始するまで、とにかく陣地に肉薄するという運用に転換しています。ここが重要で、防御力をたかめなければならないのだ。
防御力を高めるという構図から銃眼は、銃眼に対戦車擲弾が命中した場合は構造上メタルジェットが戦闘室内に流れ込み乗車人員を殺傷する懸念、こうしたものを回避する必要があり、銃眼を改良により塞ぐか、新型では排する設計が新しい常識となりつつあります。
これは同時に装甲戦闘車の車内設計が従来は銃眼を射撃するために座席を車体中央部に配置し乗員は車体左右で背中合わせに配置していたのに対し、従来のAPC装甲人員輸送車のように向かい合わせに、つまり通勤電車のロングシートのように座席を配置するのです。
これは利点が一見分かりませんが、車内中央部に空間が生まれることを意味し、対戦車ミサイルを車内に持ち込みやすくなる利点が生まれるということ。対戦車ミサイル、第一世代装甲戦闘車には対戦車ミサイルを車載するものが、予算が許せが広範に行われました。
ミサイルの搭載、ソ連のBMP-2やBMP-1はサガー等、そしてアメリカのM-2ブラッドレーなどはTOWを標準装備、イギリスのウォリアーはオプションとして輸出用に提示していました、日本の89式装甲戦闘車も79式対舟艇対戦車誘導弾を標準装備していたのですが。
これは砲塔に搭載するもので、車内には89式装甲戦闘車では84mm無反動砲を装備する程度、ブラッドレーでは昔は旧型のドラゴン対戦車ミサイルまでは持ち込んでいたようですがジャベリン対戦車ミサイルなどは持ち込みません。最初の時点で窮屈だったのですね。
対戦車ミサイル、必要ならば無理矢理持ち込もうと思えばのせられるのでしょうが、なにしろ車内の戦闘室中央部の座席が邪魔になります、ジャベリンもドラゴンも携帯対戦車ミサイルですが、これが三脚を要するミラン対戦車ミサイルやスパイクER対戦車ミサイルは。
ミラン対戦車ミサイルやスパイクER対戦車ミサイルなどとなりますと、打つ手なし、入らなくなる。これがCV-90やASCODなどでは三脚ごと持ち込むことが可能です。邪魔にはなりますが車内は相応に広く、足の位置を工夫するならば81mm迫撃砲も持ち込めます。
ミサイルも迫撃砲も予備弾薬も搭載できる。利点は多い、対戦車ミサイルは基本的に直接照準で運用します、いやレーザー誘導型の第三世代型などはレーザー照射装置を離隔して運用するならば直接照準の必要はないのですけれども、各国なかなかそういう運用はない。
対戦車戦闘、基本的に装甲戦闘車が独立戦闘を行う場合には、直接照準の必要があり、見通しの良い射撃陣地に展開する必要がある、対戦車ミサイルの速度はTOWや重MATなど有線誘導型が200m/sというところ、この速度の根拠は誘導ワイヤーが切れてしまうため。
レーザー誘導型が400m/sで音速を超える程度なのですが、戦車砲弾は1800m/s程度が普通、4kmの射程で射撃しますと命中まで十秒二十秒と対戦車ミサイルが要するとともに誘導しつづけねばならないのですが、対する戦車は主砲の瞬発交戦能力が極めて高いという。
戦車砲弾は2秒で誘導中の装甲戦闘車を撃破し得るということにほかなりません。装甲戦闘車にミサイルを搭載するのはこうした問題点がありまして、たとえば今後は装甲戦闘車に伸縮式マストを、ドイツオランダのフェネク装甲偵察車のようなものを搭載することも。
伸縮式マストを、ここから誘導し車体は掩砲所からミサイルを射撃することもあり得るのかもしれませんし、威力は限られますがスイッチブレード徘徊式弾薬を装甲戦闘車から打ち上げるとか、ミサイル誘導用に無人機を活用する選択肢もあるのかもしれませんが。
しかし、現状では車体をさらす必要がある。すると、下車戦闘でミサイル班を降ろして有利な地形からミサイルを運用する利点は、実は大きいのですよね。実際、CV-90の訓練をみますと戦車との遭遇戦では即座に対戦車班3名を下車させる。ミサイル射程は3kmほど。
対戦車班を下車展開させると装甲戦闘車は迅速に後方の掩蔽可能な地形に後退し機関砲で対戦車班を敵歩兵から防護しつつ、対戦車班は素早く地形防御の彼方に隠れて敵戦車を攻撃しています。戦車と協同が前提であれば、装甲戦闘車は出番は薄くなるのかもしれない。
時代遅れ、乗車戦闘の時代は終わりつつあるのかもしれませんが、これを根本から示すのが殆ど乗車戦闘だけを想定して開発した様な旧ソ連製BMP-3を見ますと納得するのではないでしょうか、今年二月中旬までは搭載火砲口径だけで強力な装甲戦闘車と信じていた。
アメリカのブラッドレー装甲戦闘車等を見ますと、乗車戦闘能力というものが反映されているのですよね、これは89式装甲戦闘車と同じ様に乗員は背中合わせに着席する、銃眼から外を狙えるように。ドイツのマルダー装甲戦闘車も同様、その下車戦闘の乗降口は狭い。
プーマ装甲戦闘車やCV-90装甲戦闘車といった、新時代の装甲戦闘車は車内がフラットで乗員は隔壁に沿って座席を配置しています、これですと銃眼は無いので乗車戦闘は想定していないのですが、対戦車ミサイルを車載する際にも座席などの配置は邪魔になりません。
戦車の時間だ。観閲行進準備は戦車連隊の移動が開始される頃合いに。90式戦車、これだけ数が揃うと中々の迫力です。第71戦車連隊、第72戦車連隊、第73戦車連隊と、第7師団には三個戦車連隊が揃っていまして、有事の際の機動打撃を担う骨幹戦力となります。
第71戦車連隊、第72戦車連隊、第73戦車連隊と、各戦車連隊は本部管理中隊と五個戦車中隊を基幹としていて、戦車連隊戦闘団を組む際には第11普通科連隊に六個普通科中隊と重迫撃砲中隊が置かれていますので、任務に応じた様々な編成が状況に応じて可能という。
BMP-3装甲戦闘車はやはりダメだったのか、ロシア軍ウクライナ侵攻にともなうウクライナ戦争によりBMP-3がかなりの数が撃破されたことで、打撃力に特化した装甲車両の限界というものを痛感させられました、また撃破された車両をみますと乗員は、とも思う。
装甲戦闘車、このなかにあってBMP-3は異端児でした、こういうのももともとは軽戦車として設計された車体を応用した車両ですので異色といえば異色なのですが、同時に100mm低圧砲と30mm機関砲を連装し火力重視設計で、100mmという口径に身構えたもの。
100mm低圧砲は陣地攻撃に火力支援として用いるか、または対戦車ミサイルを運用し遠距離にある戦車などに対抗するという運用が用いられていまして、動く相手いにたいして正確に照準できるものではなく、こうした場合には基本的に機関砲を用いていました。
PT-76水陸両用軽戦車、BMP-3の車体設計はこのPT-76を応用したものなのですが、これは同時に下車戦闘を想定した車体ではないために乗員は苦労して下車するという設計でした。車体後部にあるエンジンが邪魔で下車の際にはエンジン上を屈んで降りてゆくという。
乗車戦闘重視、もともとBMP-3はソ連陸軍の無理な火力至上主義という要請により設計されたものでした。このために下車戦闘は可能でさえあれば設計上の配慮が重視されなかったのかもしれません、故に乗車戦闘が第一であり、車内配置も相応のものとなっています。
BMP-3は座席がすべて前を向いて配置されている、いやより具体的には100mm低圧砲と30mm機関砲を備えた巨大な砲塔、その基部を囲むように座席が配置されていまして、窮屈というものを考えさせられる、だけではなく砲弾と兵員が同居する危険な配置を採った。
装甲車の必然、下車戦闘に際して、BMP-3は下車に時間をかけるものですが、同時にそれは乗車、つまりBMP-3への復帰へも時間を要するものである裏返し。訓練でどの程度の歩兵全員下車や再度乗車所要時間を想定しているかは未知数ですが、迅速は不可能でしょう。
一方、100mm低圧砲と30mm機関砲の連装というものは一見強そうに見えまして、しかし主砲だけで二系統の弾薬を必要とするにほかなりません。このためロシア軍は57mm自動砲への換装を計画しています、本来はアルマータT-15重装甲戦闘車用に開発されたもの。
57mm自動砲は高射機関砲を転用したもので、発射速度も高いのですが初速が高く射程も長い、具体的にはアメリカのTOWミサイルを遙かに凌駕する性能であり、アメリカ製装甲戦闘車をアウトレンジする性能を備えている。装甲戦闘車同士の戦闘では相応に脅威です。
日曜特集、これは北大路機関記事の資料写真としての機能もありますので写真点数を多めとしましたら、何回記事が必要なのか、と24枚記事を36枚記事に強化してみましたが、その分はわたしの戦車観を列挙する記事となってしまいました。御付き合いください。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)