北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【G3X撮影速報】岐阜基地航空祭2022,COVID-19乗り越え三年ぶり挙行となった岐阜の大空(2022-11-13)

2022-11-13 20:00:49 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■三年ぶりの岐阜航空祭
 本日岐阜基地航空祭がほんとうに実に三年ぶりの挙行を迎えました。

 F-2戦闘機の編隊離陸、CANONPowerShotG3Xというコンデジ機種の中では小型ながら2400mmという望遠ズーム性能を発揮する機種を、メインカメラであるEOS-7Dmark2と連装して取り付け撮影したものです、この手法での航空祭撮影も実に三年ぶりとなります。

 第10師団創設60周年記念守山駐屯地祭が愛知県で行われ、航空学校創設記念明野駐屯地祭が三重県で、そして岐阜県では岐阜のぶなが祭、は先週でしたが今週が岐阜基地航空祭という、岐阜県も愛知県も三重県も、自衛隊行事を選べる、そんな程度にコロナを抑えた。

 岐阜基地航空祭、三年ぶりの挙行となりました本日、撮影を完了しまして夕刻帰宅しました。三年ぶりの航空祭ですが、現行の感染状況が第八の波への入り口と懸念されている通り、慎重を期しまして事前応募制による一般公開となっています、が航空祭は航空祭です。

 C-1FTBの飛行、どんよりとした文字通りの曇天ではありますが、実は今日、全国的に雨天の予報があり、しかも北海道と日本海沿岸を中心に一定以上の雨量が予報されており、航空祭の開催にも憂慮されたものでした、もっとも多少は自分の御天気運を信じていました。

 航空祭会場に列線を構成する飛行開発実験団の精鋭、手前にF-2戦闘機も居ますが圧縮効果の航空機列線はやはり迫力がある、前回2019年の航空祭ではF-4ファントムがこの列に加わっていましたが、2021年春に退役、ファントムのいない翌年の航空祭となりました。

 ファントム。退役したF-4戦闘機ですが祝賀会会場や装備品展示会場の片隅で展示されています、もう漏洩する機密も無い、というところでしょうが航空自衛隊は三菱重工とともにライセンス生産した141機のF-4戦闘機を改良し延命し、最後まで活用していましたね。

 ペトリオットMSE,今回初めて見た装備です。航空自衛隊の弾道ミサイル対処ミサイル防衛任務にはPAC-3が用いられていますが、対航空機用のPAC-2が射程100kmを発揮するのに対して、PAC-3は迎撃高度にもよりますが15kmから20kmと短い射程が難点でした。

 イーグル。アメリカ空軍が嘉手納基地からF-15C戦闘機の撤収を開始、新しい戦闘機では無い事を実感する。他方アメリカは嘉手納基地の配備を後継のF-22から常駐を取りやめローテーションに切替え、第五世代機の費用の高さによる数を揃えられない問題を実感する。

 MSEは小田急のロマンスカーのような名前ですが、発射システムはM-902発射装置をそのまま使用でき、そしてPAC-3に対してミサイル防衛任務での射程を30%以上延伸している点が特色です。概ね30kmの射程といい、ここ岐阜基地からぎりぎり名古屋市を守れる。

 地対空ミサイルをPAC-2にPAC-3とPAC-3-MSEと三種類同時に撮影出来ました、聞けばこのMSEは岐阜基地には今年配備開始されたばかりの装備という。なお航空自衛隊には現在6個高射群24個高射隊がありますが、将来4個高射群24個高射隊へ改編されるという。

 岐阜基地らしい風景を、こう考えますと、思いついたのは飛行開発実験団のマークが尾翼に描かれた列線の風景です、T-4練習機は日本中多くの基地で展示されるのですが、飛行開発実験団のマークを冠したT-4が何機も並ぶ様子となりますと、これが岐阜基地らしさ。

 曇天ではあった、いや実は雨天予報であり、大阪の友人も東京の友人も雨天予報と云う事で展開を断念しているのです、ただ、土曜日の前日予行では青空であり、これ得降るものか、なにか降らないような気もするが、とはもちろん願望も含みますが、見通していた。

 イーグルの着陸、異機種大編隊と大編隊飛行、岐阜基地航空祭は奇跡的に飛行展示の時間帯は降雨に見舞われませんでした、ちょっと青空を期待したりもするのですが、秋雨の気配は秋雲の覆いで済んでおり、曇天でも三年ぶりの航空祭を愉しむ事が出来ましたね。

 COVID-19第八波の入り口という状況での岐阜基地航空祭は、事前応募制という点で特殊だったのですが、意外と混雑していました印象です。これは正門が閉鎖され入場が北門など限られていまして、南側会場の設定もなかったという会場そのものが狭かったのですね。

 事前応募制だったのですが、抽選と云うよりも事前登録制度に近い行事だった、一方で例年以上、とはいっても三年ぶりですが、脚立と三脚の禁止が徹底されていました、故に撮影が最前列でなくとも簡単でして、観衆越に離陸する情景を会場後方から撮影できました。

 活況の航空祭でしたが、正午近くに予定された異機種大編隊をオープニングフライトに前倒しし、オープニングフライト後の編隊飛行を正午近くに切替えたことで、降雨前に飛行展示を完了する事が出来た、この飛行開発実験団の決断に柔軟だと感心させられたものでした。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都発幕間旅情】阪急京都本線特急運行に就く1300系と8300系,大量輸送時代のロングシート特急

2022-11-13 18:10:46 | コラム
■京都へ大阪へ阪急特急
 大量輸送時代はまだ続いているという21世紀ではありますが移動の時間位はゆったりしたい。

 阪急1300系の運行開始が2014年と云うから、考えてみるともう時間がたったものです。特急の上下線を行き交う様子、なかなかに京都本線の賑わいを思わせるところではありますが、1300系も8300系もロングシート車の通勤車両でして、座れるのは僅かな人数だ。

 ロングシートですと熟睡できない、といいますか隣の人にあたってしまいそうで、従って疲れている時は背もたれか窓辺にもたれかかって寝てしまえるクロスシート車というのはありがたいといいますか、疲労度合いが変るものなのですよね。休憩か急行かという程に。

 Weblog北大路機関の始まりが、もともと2005年7月29日に阪急十三駅の神戸本線から京都本線への乗り換えで、8300系電車のロングシート快速急行がやってきてしまった為に、クロスシートを待つ間にPHS回線を用いてノートPCで立ち上げたというのがはじまり。

 8300系電車は、いうなれば、あの時は相当紹興酒を頂いていましたので酩酊の最中にゆったり帰路に就きたいというまあ本能のようなところから始まりました北大路機関のWeblog版ですので、この北大路機関の始まりに大きな影響を及ぼした、といえるかもしれません。

 1300系、神戸本線に1000系が導入され、その京都本線仕様というものなのですが、神戸本線は9000系電車がロングシートでも京都本線に9300系が投入された際にはセミクロスシートとなっていましたので、見た目が9300系に近い1300系には当初期待はしました。

 通勤車両なのだけれども、京都本線などは10分間隔で特急が運行されていますので、クロスシートで満席であっても次の列車を待つと案外座れてしまうものです、しかし待っていて満席のロングシート車がやってきますと、なんだかなあ、とおもってしまうのですよね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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VADS機関砲システム167基の廃止完了,射程は短くともウクライナへの自爆無人機攻撃を考えれば必要な装備

2022-11-13 07:00:44 | 防衛・安全保障
■臨時情報-ウクライナ情勢
 C-RAM自動迎撃システム等を代替装備として導入するならば別ですが自衛隊は非常に勿体ないと云いますか使える相違と必要な装備の廃止という納税者視点でも無駄な廃棄を行いました。

 航空自衛隊は2022年3月までにVADS機関砲システムを廃止しました、20mm機関砲を管制射撃するシステムは近年の誘導爆弾全盛の時代にあって、基地防空地対空ミサイルなどに用途を譲り不要となった、こうした認識とのことですが、廃止した総数は167セットと非常に多く、これをこの時期に廃止することは妥当なのか、とも考えてしまうのです。

 VADSは20mm機関砲を用いる為、射程は1.8km程度しか無いことが弱点です、配備が開始されたのは1987年でありこのころは基地を狙う攻撃機の低空侵攻に対抗するには地対空ミサイルよりも機関砲が有利であったという事情があるのですが、2020年代に入り基地攻撃は滑空爆弾や巡航ミサイル、機関砲の射程外から攻撃するというのが基本となりました。

 しかし、機関砲の利点は最低射程距離が無い、そして弾丸は電子妨害に影響される直進するというミサイルにない使い勝手の良さがあります、更にVADSを廃止させるには懸念があるのは、自爆型無人機という新しい脅威です。現代の戦闘を実証するウクライナ戦争、これが10月半ばになりますとイラン製自爆型無人機の長距離都市攻撃が多発しています。

 ロシア軍によるイラン製無人航空機シャハド136によるキエフ攻撃、無人機の形状はイスラエル製ハーピーを模倣しているのですが、精密誘導の徘徊式弾薬であるハーピーに対してイラン製無人機の精度は滅茶苦茶で、どこを狙っているのかが不明というほどに適当な目標を破壊しています、一部は発電施設を狙っているようですが。これは重大な脅威だ。

 シャハド136は安価な無人機であるため、多数を同時運用することでウクライナの防空システムを飽和させる用途でも用いられています。イラン製無人機の長距離攻撃は、2010年代からイエメン内戦においてサウジアラビアやアラブ首長国連邦への攻撃に多用されており、その危険性は指摘されてはいたのですが、改めて脅威の大きさ突きつけられたかたち。

 基地防空を考える場合、特に安価な無人機は数十機単位で毎日投入されます、すると数日間で一つの基地あたり数百の地対空ミサイルが必要となり、とてもではないが飽和状態となってしまいます。もちろん電子妨害装置など幾つかの対抗策はあるのですが、もっとも確実な方法は機関砲で撃って物理的に壊し撃墜してしまうことに勝る手段はありません。

 VADSはバースト射撃、少量の弾薬のみを区切って射撃することが可能であり、無人航空機の接近経路などに配置する、これはもともとVADSが導入された当時の攻撃機の進路と重なるのですが、古典的な配置で迎撃効果は充分得られるでしょう、なにより相手は無人機、機関砲弾に対して回避行動をとることはなくまっすぐに進むのですから、落としやすい。

 C-RAM自動迎撃システム、アメリカ軍などは艦載兵器であるバルカンファランクスを車載型とした自動迎撃装置を空港などの重要施設へロケット断行劇や無人機攻撃に用いる装備として利用しています。こうした選択しもあるにはあるのですが、何しろあいては数で来ます、すると、予備自衛官用装備としてでも良いので、VADSを維持する必要はあります。

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