北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和四年度十一月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2022.11.19-2022.11.20)

2022-11-18 20:22:19 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 神戸港か大阪港か八尾空港か、先週は東海三県が岐阜航空祭か守山駐屯地祭か明野航空祭かと並びましたが今週末はこちらが凄い。

 エアフェスタ八尾、日曜日に。大阪府八尾市に所在する陸上自衛隊八尾駐屯地の創設記念行事です。八尾駐屯地には中部方面隊隷下の中部方面航空隊本部がおかれ、八尾の中部方面ヘリコプター隊と明野の第5対戦車ヘリコプター隊、及び美保の方面ヘリコプター隊第3飛行隊の輸送ヘリコプター部隊や野整備隊と管制気象隊などが隷下におかれています。

 八尾駐屯地、もともと当地は大阪第一空港とされ、戦後アメリカが大阪第二空港であった伊丹飛行場を拡張し、朝鮮戦争時には国連軍指定基地として伊丹が更に拡張されたことから八尾は逆に自衛隊と民間の共有する飛行場として維持されてきました。エアフェスタの名の通り、航空部隊ならではの大編隊などが駐屯地祭の名物となっていますが訓練展示も。

 駐屯地開門は0900時からとなっていまして、オープニングセレモニーと観閲飛行は1000時から1120時まで1120時から1200時までは訓練展示となっています。このほか1330時からは戦車試乗も行われるという、いよいよ数が少なくなってきました74式戦車に乗る貴重な機会といえるかもしれません。このほかCH-47地上滑走体験も行われるとのこと。

 中部方面航空隊と八尾駐屯地には第3師団隷下の第3飛行隊も駐屯、大編隊は年々後継機なき耐用年数ごとのヘリコプター削減と定数割れにより、そろそろまともなヘリコプター一括調達への防衛予算拡充か、災害派遣などを一部断念しなければならない現実が突きつけられるのですが、過去には戦車も参加しての訓練展示なども迫力を見せつけてくれます。

 大阪地方協力本部によれば護衛艦ひゅうが一般公開が19日土曜日と20日日曜日に大阪港中央突堤北岸壁において行われるとのことです。公開時間は土曜日が1300時から1600時まで、日曜日は0900時から1200時までとのことで、受付は公開終了30分前まで、これは30分前に行けば乗れるのではなく、行列を経て乗艦するのが30分前まで、御留意を。

 ひゅうが。大きい護衛艦です、2009年に竣工した海上自衛隊初の全通飛行甲板型護衛艦であり、ひゅうが型一番艦、全長は198mであり、ヘリコプター搭載護衛艦はるな後継に位置づけられています。はるな、ひゅうが、その満載排水量は6800tから19000tへと大きく増大し、各種航空機の運用能力は海上自衛隊の新しい防衛環境への対応を印象づけました。
 大阪港での一般公開となりますと、過去には護衛艦かが一般公開がものすごい行列であり、大阪南港駅から延々と護衛艦かが舷側まで四時間待ちの大行列となった過去がありました、あのときは護衛艦かが初公開という初物故の活況があったのかもしれませんが、さてさて今年は何時間待ちか、先日の東京もがみくまの一般公開は三時間待ちであったとか、です。

 ひゅうが、前に大行列となりました護衛艦かが、と比べますとふた周りほど、あちらは満載排水量27000tですので小さい艦とはいうのですが、全通飛行甲板の迫力はなかなかのもの。第八波にはいったというCOVID-19の警戒がまだ必要な季節ではありますが、風通しの良い全通飛行甲板の上からこの艦が参加の国際観艦式余韻に浸るのも良いかもしれない。

 兵庫県防衛協会によれば19日土曜日と20日日曜日に神戸港摩耶埠頭において護衛艦しらぬい一般公開が行われるとのこと。しらぬい一般公開は防衛防災フェスタの一環として実施され、19日土曜日は1000時から1600時まで、20日は1000時から1500時までが予定されています。同時に乗艦できる人数制限があり、こちらも待ち時間が予想されています。

 しらぬい。汎用護衛艦ではもっとも新しい護衛艦で、むらさめ型護衛艦むらさめ、ミニイージスと当時親しまれた一陣の護衛艦の中では20番艦となります、あさひ型二番艦、第3護衛隊群に配備され母港は大湊、海上自衛隊は護衛艦隊の汎用護衛艦定数が20隻であり、しらぬい竣工を以て、はつゆき型、あさぎり型汎用護衛艦第一世代から世代交代を果たす。

 あさひ型護衛艦しらぬい、むらさめ型がミニイージスと称されたのはFCS-2改と射撃指揮装置が二系統となり情報処理システムが格段に向上したことから複数目標同時対処能力が強調され一部マスコミの命名というかたち、続く護衛艦たかなみ型共々FCS-2系統を装備、ミニイージスの名は続くFCS-3搭載の護衛艦あきづき型以降相応しいのかもしれません。

 汎用護衛艦の整備は漸くこの20隻で完了し、海上自衛隊の護衛艦整備は二桁護衛隊に配備された、あぶくま型、あさぎり型、はつゆき型の後継艦整備に注力、現在その後継艦として護衛艦もがみ型の量産が開始されています、はつゆき型は全艦退役し次々と置き換えが続く中、もがみ型の先進的な艦が艦隊に増える前に、あさひ型をみるのもよいでしょう。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・11月20日:エアフェスタ八尾-八尾駐屯地創設記念行事
・11月19日・11月20日:ひゅうが大阪港一般公開
・11月19日・11月20日:しらぬい神戸港一般公開

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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ウクライナ戦争出口戦略-国連総会はPKO部隊派遣を喫緊課題とすべき,国連には第三次世界大戦回避の重責

2022-11-18 07:00:17 | 国際・政治
■臨時情報-ウクライナ情勢
 このままでは世界大戦、PKOを派遣すべきです、それもロシアが拒否権を行使する安保理決議ではなくソ連拒否権行使により誕生した総会決議に基づくPKOという原点に還って。

 ポーランドへのミサイル着弾の一件は、今回は第三次世界大戦の引き金となる事は無く、ウクライナ迎撃ミサイルの逸れ弾という可能性でほぼ画定したようですが、今この現在も仮にロシアのミサイル飛翔経路が僅か数分西に反れるだけで第三次世界大戦に展開し得るという厳しい現実を突き付けられたと思い知らされました。出口戦略、真剣に必要と思う。

 PKO国連平和維持活動部隊、第三次世界大戦の緊張を回避する為にも国連総会を主体とする従来型のPKO部隊を、ドンバス地域を含む少なくとも2022年2月1日時点のロシア軍占領地域まで駐屯させ、占領地域における戦争犯罪の調査とロシア領内までのロシア軍撤退への経路確保を行う、この為に日本も含めステイクホルダーとなる覚悟は必要でないか。

 ロシアとしては、ウクライナ侵攻の背景にウクライナ国内での秘密ナチス運動とロシア系住民民族浄化危機を挙げていたのですから、先ず国連PKO部隊とICC国際刑事裁判所の協力を受け、民族浄化疑惑の徹底調査、勿論占領前も占領後も当事者を問わずウクライナ側による疑惑、当然ロシア軍占領下での疑惑も含め調査する、これでロシアの主張は通る。

 ウクライナの立場とするならば、ウクライナ領内でのロシア軍排除を自国で行えないという不満も残るでしょうし、PKO部隊駐留地域にクリミア半島を含むべきとの反論もあるでしょうが、先ず2月の開戦前の段階までロシア軍を引き戻し、東部地域へ明確な軍事境界線をPKO部隊が固める事で第三次世界大戦の危機を当面でも回避する事が肝要、と思う。

 PKOとは言いましても、ソマリアのUNOSOM2型の平和執行を想定した戦車部隊を中心とした重戦力、そしてコンゴのONUC型のような戦闘機部隊を含む、停戦崩壊に対しては国連総会が正面に立つ平和維持と云うよりも平和執行を任務とする兵力引き離しを行う、こうした覚悟が無ければ、PKOが戦争を長期化させ攻撃再興の時間を与えることとなる。

 PKO部隊にロシア軍が攻撃を再開した場合にも対応できる作戦能力を加える事は少々厳しい任務ではあります、ただ、現状のままではポーランドの着弾が今回はウクライナの逸れ弾でしたが、何れ現実に生じ得る。欧州で対応できるのはNATO即応部隊等ですが、中立性を期してインド軍や人民解放軍も含め、第三次大戦を回避する協力が必要と考えます。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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