北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和四年度十一月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2022.11.26-2022.11.27)

2022-11-25 20:00:05 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 今週末は戦車か火砲か市街パレードか航空祭かと選べる行事紹介です。

 築城基地航空祭2022が11月27日日曜日に行われます、福岡県の築城基地は第8航空団の展開する基地となっていまして、入場制限は無く事前応募制でも無い事由に出入りできるという全国の航空祭では貴重な機会となっています。なお、注意事項として脚立や椅子の持ち込み禁止とともに水分補給を唯一例外として感染対策の為、基地内飲食は出来ません。

 築城基地はF-2戦闘機の基地です、第8航空団隷下には第6飛行隊と第8飛行隊、共にF-2戦闘機の飛行隊で、F-2戦闘機は長らく三沢基地第3航空団が二個飛行隊F-2という編成でしたが、第3航空団がF-35戦闘機飛行隊へ転換した事で飛行隊の移駐が行われまして、二つのF-2飛行隊が展開、機動飛行は勿論、多数のF-2による編隊飛行なども期待したい。

 福知山駐屯地創設72周年記念行事、11月26日土曜日と11月27日日曜日に行われます。第7普通科連隊の駐屯する駐屯地で、土曜日は市街パレードが広小路通にて1400時から1430時に実施され、日曜日には記念式典と訓練展示が行われます。中部方面隊管内での市街パレードは福知山と善通寺くらい、不定期で金沢や鯖江など、貴重な式典といえますね。

 姫路駐屯地創設71周年記念行事が11月27日日曜日に実施されます。ここはFH-70榴弾砲を装備する第3特科隊と、第3高射特科大隊の駐屯地です。おそらく第3特科隊として実施されるのは最後の行事かもしれません、中部方面隊の特科部隊は順次中部方面特科連隊へ改編統合される事となっています。また姫路レンジャー展示なども注目されるところ。

 宇治駐屯地創設記念行事が11月26日土曜日に行われます、宇治市では第4施設団が駐屯する近鉄大久保駅前の大久保駐屯地が有名ですが、こちらはJR黄檗駅前、あの万福寺の近くにあります関西補給処の置かれる中部方面隊兵站中枢の一つという駐屯地です。補給処故に戦闘部隊の展示などは限られていますが、兵站と云う戦闘支援の一端が公開されます。

 山口駐屯地創設67周年記念行事、11月27日日曜日実施の予定です。第13旅団隷下の第17普通科連隊が駐屯している。注意事項についてですが、一定以上の混雑となった場合は駐屯地に入場制限を行う可能性があるとの事で入場できない場合もあるとの事、そして駐屯地付近には駐車場が無い為、自家用車では無く公共交通機関を利用する様に、とのこと。

 春日基地開庁63周年記念行事が11月26日土曜日に実施されます。西部航空方面隊司令部の置かれる基地なのですが、ペトリオットミサイルや飛行場地区があり春日ヘリコプター空輸隊のCH-47輸送ヘリコプターや西部航空方面隊司令部支援飛行隊のT-4練習機なども配備される。一般開放は0900時から1330時までと、閉門時間が早いのでご注意ください。

 事前応募制行事について。日本原駐屯地創設57周年記念行事が11月27日日曜日、事前応募制にて行われます。都城駐屯地創設71周年記念行事が11月27日日曜日に事前応募制、国分駐屯地創設67周年記念行事11月27日日曜日に事前応募制にて行われます。久々の駐屯地記念行事ですが、例年と異なり当日自由に入る事は出来ませんので、ご注意ください。

 さてCOVID-19,日本での累計死者数は11月25日までで4万8872名となっています、そして此処が重要なのですが2022年のCOVID-19死者数は既に2021年の死者数の倍以上となっています、此処を見ますと中国が感染抑制に成功していますのでワクチンよりもロックダウン、なのでしょうが経済がもたない、各人で出来る対策を万全としたいですね。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・11月26日:宇治駐屯地創設記念行事
・11月26日・11月27日:福知山駐屯地創設72周年記念行事 
・11月27日:姫路駐屯地創設71周年記念行事 
・11月27日:日本原駐屯地創設57周年記念行事 事前応募制
・11月27日:山口駐屯地創設67周年記念行事 
・11月26日:春日基地開庁63周年記念行事 
・11月27日:築城基地航空祭2022 
・11月27日:都城駐屯地創設71周年記念行事 事前応募制
・11月27日:国分駐屯地創設67周年記念行事 事前応募制

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウクライナ戦争開戦九カ月,ヘルソン奪還とクリミア大橋破損-南部戦線左右するアゾフ海沿岸占領地補給路の維持

2022-11-25 07:00:54 | 防衛・安全保障
■臨時情報-ウクライナ情勢
 特科火砲や戦車部隊など従来型重装備の重要性をウクライナの戦訓は何度も再確認させるところですが、そのウクライナ戦争も昨日でロシア軍侵攻開始から九カ月を迎えました。

 マリウポリからメリトポリに至る主要道路、クリミア半島の東方に広がるアゾフ海沿岸の道路ですが、仮にウクライナ軍はこの主要道路を遮断できる地域まで反撃した場合、この戦争は一気にロシア軍の後退となる可能性があります、それはクリミア大橋の攻撃成功が、意外な程に橋梁に打撃を与えており、半年程度鉄道輸送が不可能となった可能性がある。

 ヘルソン奪還、もう一つ戦線全体に影響するのはウクライナ軍がヘルソンを奪還した事でクリミア半島、ロシア黒海艦隊司令部が置かれソ連崩壊後一貫して維持しているセバストポリ基地、この基地に隣接する故に2014年にウクライナから武力併合したクリミア半島占領地が、ヘルソンからHIMARS等の打撃力の射程圏内に入り、南部での主導権移行がある。

 主導権という点は大きい、何故ならばロシアとしてはクリミア半島の占領を絶対に維持しなければ、これだけの軍事行動をウクライナに対し実施しているのだから、セバストポリ軍港の管理権維持をウクライナが認めるかが疑わしい状況となっています。一方、ウクライナは、クリミア反攻を示唆するだけでもロシア軍の関心をクリミアへ集中させ得ます。

 HIMARSからのGMLRSロケット弾を用いた場合、いまのところウクライナ軍はザポリージャ州の奪還した地域からはまだ、この主要道路を射程内には収めていません。ただ、更に20km程度戦線を押し戻す事が出来た場合、ロシア軍補給路をその射程内に収める事が可能となります、アフガニスタンのカイバル峠のような、戦争を左右する補給路といえる。

 障害は敵に遠く渡れ、これは河川などのウェットギャップを踏破や渡河する際には可能な限り敵から遠い地域を渡河点に選べ、という事ですが、このロシア軍補給路を叩くうえでウクライナ軍はドニエプル川に沿って戦線が広がる中、前線から遠いザポリージャをウクライナ軍は奪還しており、ここから南下の姿勢を示すことで補給路を脅かす事が可能です。

 ロシア本土のタガンログからウクライナ軍アゾフ連隊が死守を試みるも失陥したマリウポリ、港湾都市であるベルジャンシクを経てメリトポリに至り、道路はそのままクリミア半島の付け根であるヘニチェスク、この道路はウクライナ南部に侵攻するロシア軍にとり最重要の補給路となりますが、ロシア軍は南部占領地域であるヘルソンから撤退しました。

 ヘルソンからの撤退部隊はメリトポリとマリウポリに再配置されているのですが、この動きの背景にあるのは、ウクライナ南部への緒戦の侵攻を支えたクリミア大橋からの鉄道貨物輸送と自動車輸送が事実上、大幅に停滞しており、クリミアとタガンログという二つの補給路、その片方が機能不随となっている状況です。これは危険な刃の上にある兵站だ。

 冬季攻勢はあり得るのか。冬季攻勢には兵站維持の困難さと、採暖が不能となれば即座に凍死する懸念があります、ただ、ロシア側としては冬季攻勢が無ければ春季攻勢までにクリミア大橋を完全復旧させるという選択肢が生まれる。一方で暖房用燃料など兵站上の課題があるものの冬季は地面が凍結し戦車の行動が容易となる。まだまだ先の見えない状況が続きます。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする