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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和四年度三月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2023.03.11-2023.03.12)

2023-03-10 20:19:57 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 小牧基地航空祭の余韻まだ高ぶるところではありますが今週末の行事紹介といたしましょう。

 今週末の自衛隊関連行事は、明日11日に練習艦隊出航としまして卒業式および近海練習航海部隊及び外洋練習航海部隊の江田島基地出航が執り行われます。この式典は一般公開されるものではありませんが江田内では艦隊出航の様子が間近に見える、なかなかおすすめの行事となっています。この出航は、単縦陣を正面からみれるという意味で貴重です。

 練習艦隊、近海練習航海は海上自衛隊関連行事では春の風物詩という、全国の基地や主要港を巡回しまして、その航海を経て幹部候補生から新任3尉に任官した初級幹部へ艦隊生活やシーマンシップを修得させるという目的がありますが、江田島の出航はもう一つ、外洋練習航海部隊と同時に出航するため、艦隊規模が大きい点が特色といえます。

 近海練習航海部隊と外洋練習航海部隊、そのちがいは外洋練習航海部隊が飛行幹部を対象とした航海だということ。航空学生は外洋練習航海を短期間で完了しますと、すぐに小月航空基地での操縦教育を開始しなければなりません、他方、外洋とはいえ、遠洋練習航海のように遠くまでいくことは出来ず、遠くとも東南アジアまで行くかどうか、という。

 遠洋練習航海、いわゆる"遠洋航海"は近海練習航海を完了した後に東京か横須賀から出航します、いわば近海練習航海は第一段階といえるのかもしれません。もっとも、十五年ほど前では近海練習航海はその1その2と二段階にわかれていました、これがいま出来ないのは練習艦隊を支援する護衛艦が実任務により多忙を極めているためなのですが。

 艦隊出航は卒業式とともに行われます、この際に祝賀飛行がおこなわれ、P-3C哨戒機にP-1哨戒機とSH-60哨戒ヘリコプターやTC-90練習機にT-5練習機、一通りが編隊飛行を行います。もちろん天候に左右されるのですが、小さな航空祭よりはこの祝賀飛行の方が迫力がある、といえるのかもしれません、その眼下には練習艦隊がずらりとならぶ。

 単縦陣の出航、ひと昔であれば近海練習航海部隊が4隻くらいと概要練習航海部隊が2隻、という規模でしたが、やはり護衛艦も中国艦の日本近海での警戒監視、ロシア海軍の動静も注視する必要があるとかで忙しく、4隻程度、という年度もあります。護衛艦と練習艦、掃海母艦や訓練支援艦が加わることもありました、が正面から見る単縦陣は力強いもの。

 艦隊出航、時間帯はこんかい非公表なのですが、COVID-19新型コロナウィルス感染症とともに、卒業式に付帯しておこなわれる祝賀会食が省略されることがありました、例年出航は1400時過ぎでしたが、1100時ころにさっさと出航する事例もあり、留意点といえるかもしれません。COVID-19は落ち着いていますが、念のため時間は早めに動きたい。

 江田島、呉市から陸路で行くことも出来ますし、海路で高速船や連絡船も運行されています。陸路はこれこそ瀬戸内という海の景色がすばらしく、ただ路線バスは非常に不便ですので自家用車が必要となる。もっとも、"路線バスの旅"対決シリーズなどをみた上で路線図をみますと、案外つながっていることに驚くものの、やはり所要時間の大きさが、ね。

 呉地方総監部がおかれています呉市、海上防衛の要衝のひとつ。呉市では呉基地に潜水艦がずらりと並ぶ様子はなかなか勇壮なものですし、護衛艦や掃海艇とともにヘリコプター搭載護衛艦かがF-35B戦闘機搭載改修がいままさにおこなわれているところですので、そういった意味でも江田島と呉を散策するというのは、興味深い一日となるかも知れません。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・3月11日:練習艦隊近海練習航海部隊外洋練習航海部隊江田島出航 


■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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【G3X撮影速報】小牧基地エアフェスタ,C-130H飛行展示撮影は地上展示機とともに見上げる(2023-03-05)

2023-03-10 07:01:14 | 詳報 陸海空自衛隊関連行事
■C-130H&KC-767
 航空祭に多くの航空機愛好家が開門前から並ぶのは最前列で撮影する為とも言われています、実際は人の少ない段階で地上展示機を撮るという方も多いのですが。

 小牧基地航空祭、この飛行展示の撮影は例年撮影位置を迷うところなのです、撮影位置は大きく分けて二つ、最前列かそれ以外かだ。最前列でスト滑走路から勇躍飛び立つ様子と滑走路に設置し一瞬上がる白煙とともに構図を決めることができる、ではそれ以外とは。

 地上展示航空機、小牧基地の航空機は大型機が多い、UH-60JA救難ヘリコプターからして陸上自衛隊のUH-1J多用途ヘリコプターよりも大きく、U-125救難機も配備されているのですが、それ以上にC-130H輸送機とKC-767空中給油輸送機が配備され、ならぶ。

 最前列もよかったのですが、今回は最前列以外の、地上展示機とともに見上げる構図で撮影することとしました。小牧でこう悩むのは、地上展示航空機も大型ならば飛行展示を行う飛行機も大型で、特にC-130H輸送機の編隊飛行は広角レンズでも大きく映るのですね。

 C-130H輸送機、編隊飛行は何機で飛ぶのだろうか、というのが関心事なのですが、今年度は残念ながら3機編隊、最小規模の編隊飛行でした。いや、すごいときは6機編隊で飛びまして、これはもう取付けていた望遠レンズを秒で広角レンズに替えるのを強いられる。

 輸送機と輸送機、しかし、この輸送機を日本がこれから直面しなければならない“有事”というものを考えますと、もっともっと増やさなければならないように思う。その有事というのは“南海トラフ地震”もあるかもしれませんが、なにより“南西有事”“台湾海峡有事”など。

 アイゼンハワー将軍が第二次世界大戦を振り返り、連合国の勝利に貢献した装備として“C-46輸送機”を挙げていますが、実際のところ輸送力というものは空軍力の打撃力と不可分且つ中枢を担う要諦と思う。自衛隊も、輸送機というものをもう少し増やすべきとも思う。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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