北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【防衛情報】アメリカ軍無人機,ALEイーグレット空中発射無人航空機システムとエアロゾンデ無人航空機

2023-03-28 20:01:51 | 先端軍事テクノロジー
■特報:世界の防衛,最新論点
 今回はアメリカ軍の無人機動向について。無人機から発進する無人機や観艦式の際に横須賀沖に居ました機動揚陸プラットフォームを母艦とする無人機などなど。

 アメリカのジェネラルアトミクス社はALEイーグレット空中発射無人航空機システムの飛行実験に成功しました、この実験は2022年12月8日に行われたもので、無人航空機に搭載して敵対空域付近まで接近し発進、既存の無人機はドローンと愛称されますが、ドローンは元々無人標的機を示し、広域防空システムなどが展開する状況では運用が難しい。

 ALEイーグレット空中発射無人航空機システムは小型で探知が難しく、また機体形状はステルス性に配慮されているものです。この試験にはアメリカ陸軍が運用するMQ-1グレイイーグル無人偵察機が用いられており、グレイイーグルは滞空時間が大きく戦場監視航空機としては有用な設計の航空機ですが防空システムが展開する空域で運用は制限される。

 MQ-1グレイイーグル無人偵察機とALEイーグレット空中発射無人航空機システムの連携は、イーグレットよりもグレイイーグルの方が大きな航続距離を活かし進出するというものですが、今回試験には成功したものの、本機をリモートセンサーとするのかデコイの一種として運表するのか、徘徊式弾薬として用いるのか、これから開発される事となります。

 アメリカのテキストロンシステムズ社は水上艦ミゲルキースからのエアロゾンデ無人航空機試験に成功しました。エアロゾンデ無人航空機は内燃式ライカミングEL-005エンジンを搭載した軽量無人機で、全幅は3.7mとなっていますが140㎞圏内での14時間以上にわたる滞空時間と36.4㎏の物量輸送能力があり、簡易カタパルトからの運用が可能です。

 ミゲルキースは機動揚陸プラットフォームとして建造されたルイスBプラー級遠征海上基地の二番艦で満載排水量は81435t、今回の試験では簡易カタパルトからの発進とともに展張ネット方式での着艦回収を試験したといい、今回の実験にはこのほかにイージス艦2隻が参加、艦艇の協同とともに周辺での情報収集や監視能力を実験したものと思われます。

 エアロゾンデ無人航空機はその輸送能力からソノブイ運搬能力や小口径爆弾などの運用能力はあると考えられ、例えばヘリコプターに依存しない対潜戦闘なども可能となりまる、これまで水上戦闘艦より運用されていたスキャンイーグル無人航空機よりもセンサー搭載能力が大きく、単なる搭載センサーによる情報収集以上の性能などが期待されています。

 インド海軍はアメリカよりリース貸与されたMQ-9無人機を2年間で10000時間飛行させました。インド海軍が貸与を受けたMQ-9は2機、貸与期間は2年間ですが、仮に半分づつ飛行したとして5000時間、これは日数換算で208日間以上飛び続けたこととなり、別個に飛行させた場合でも一週間の内丸々四日間はどちらかが飛行していたこととなる。

 MQ-9無人機は相性がリーパー、インド海軍向けの機体貸与は2020年11月21日に初飛行しました、これは驚くべきことです。メーカーであるゼネラルアトミクス社としても長時間の滞空時間を示してはいるのですが、一個飛行隊定数は8機とされています、その四分の一である2機でも一週間の半分以上を2年間常時飛行させ続けられる証明なのですから。

 MQ-9無人機の滞空時間は24時間を超えるものですが、最終的に一度は着陸し、燃料補給やエンジン整備を行う必要があります、このため、年間どの程度飛行させられるかは今回の試験が実質的にその限界値を示した構図で、既にMQ-9はアメリカ、イギリス、フランス、イタリア、オランダ、スペインで採用されていますが今後採用も増えるでしょう。

 アメリカのテキストロンシステムズ社はアメリカ陸軍将来戦術無人航空機システムFTUAS-Increment-2の主契約企業に選定されました。FTUAS-Increment-2により整備される無人航空機は、陸軍旅団戦闘団単位で運用する戦術無人機であり、厳しい野外状況での継続的運用能力や最小限の人員での可搬性、乏しい補給下での運用能力が求められます。

 FTUAS-Increment-2へテキストロンシステムズ社が提示した案は二名での可搬能力を持ち、現地で組み立てる固定翼方式無人航空機です。その形状はOV-10ブロンコ観測機のような胴体構造とともに、パイオニア無人機のようなエンジン配置を採用、それでいて車輪は四本の支柱で一定高度までの上昇にはヘリコプター方式の回転翼二基を配置するもの。

 複合ヘリコプターの表な設計哲学に基づき、その機体形状も一見複雑な田桁状構造を採用していますがスキャンイーグル無人機と異なりカタパルトや改修ネットなどは必要としませんし、無理に電動化することなく航空燃料を用いて運用するとのこと。ただ、この無人航空機の行動半径や滞空時間、センサーなどの搭載能力はまだ明らかにされていません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都発幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌-広島,広島港に復活のガネーシュは香辛料と麦酒が迎える

2023-03-28 07:01:44 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 広島と云えば呉地方総監部が置かれる文字通りの総監部の街並みとともにかつての軍都でもある街です。

 練習艦隊江田島出航、2012年から毎年撮影できています自衛隊行事であり、これは一般公開行事ではありませんのでCOVID-19感染拡大下の部隊行事中止が続いた2020年と2021年に2022年、そして今年2023年も撮影する事ができた自衛隊行事でもあります。

 広島港、宇品はかつて船舶工兵司令部が置かれた港ですが、いまは江田島へ、そして呉と松山へ、また厳島へも航路が展開していますが、広島駅から路面電車で45分、距離としては近いものの広島市内の交通渋滞を縫って、しかし駅から直通運行されているのですね。

 ガネーシュ。2023年はいろいろと凄いことがあったのですが、特になぜかインド軍とご縁があるところ、そして広島港を江田島へ船出するまでの待ち時間、そういえば昨年再訪した際に閉店していた、あのカレー屋さんはどうなったか、港ビル二階へ上ってみました。

 営業しているではないか。いや、視点が残っているのはインターネットでも調べられたのですが、あのガネーシュさん、復活していた、広島港店、これは、驚いた。ほう、と思いつつランチタイムは中々の混雑で江田島行高速船出航まで30分ほど、では帰路に寄ろう。

 キングフィッシャービール。練習艦隊出航の際にもカレーのことばかり考えていました、出向は土曜日で、カレー曜日は前日なのに、青の日江田島であれだけカレーのことばかり考えていたのはわたしくらいじゃあないのか。そして高速船で広島に戻り、ビールを頼む。

 とくとくとくと注ぐビールに片手でカメラを操作するのは忙しいのですが注文した料理が出てくるまでの間にふと一息入れる、そうこのキングフィッシャーから始まる海辺のインド料理、この感じを久々に思い出しました、ここのお店が復活していてよかったなあ。

 ひよこ豆のサラダ、実はキュウリが苦手なのですけれども、昔福岡の若松は戸畑で焼酎と一緒ならばキュウリの苦手な香りがどうにかなることを知った、そしてまあ酒精は薄いもののひよこ豆のサラダをキュウリともども頂きました、ひよこ豆は色々な料理の馴染み。

 タンドリーチキンが焼きあがりました。この二つのピースを巧く並べて一つの大きなチキンのように仕上げる焼き方は、これは昔ときれいに同じなのだなあ、さてナイフとフォークで頂きます、短ドリーは指先に香辛料がつくと翌日までタントリーな香りが続くから。

 チキンにはもう一つビールだ、とはのん兵衛的発想なのだろうか、インド風焼き鳥という訳ではないのだけれども焼き鳥とビールがよく合うようにタンドリーチキンとキングフィッシャービールはとても良く合うのだ。熱々すぎる窯出しチキンを冷やしているだけか。

 計算外だ、というのは、ガネーシュさんが昨年閉店して復活しているとは思わなかった点で、実はこの日別のお店に行く予定があったのでした、故にカレーとバターナンにケバブともう少しお酒を入れたいところなのだけれども、時間もおなかの余裕も残しておきたい。

 COVID-19は日本の飲食業界には試練という以外表現がない激震でした、いや京都市の観光業もものすごい打撃を受けましたし宿泊業も物流も製造業もあらゆるところに激甚被害を及ぼしたものです、しかし、いったん仕舞った暖簾を、また出したところも多い。

 路面電車とともに、もう間もなく感染症法五類に変更され、また危険な変異株もこの一年間は発生せずWHO世界保健機関もPHEIC解除の可能性を検討し始めました。すると、ダメかと思ったお店のその後を探訪する旅行を、もう一度全国に広げてみたいものですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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