■特報:世界の防衛,最新論点
今回はアメリカ軍の無人機動向について。無人機から発進する無人機や観艦式の際に横須賀沖に居ました機動揚陸プラットフォームを母艦とする無人機などなど。

アメリカのジェネラルアトミクス社はALEイーグレット空中発射無人航空機システムの飛行実験に成功しました、この実験は2022年12月8日に行われたもので、無人航空機に搭載して敵対空域付近まで接近し発進、既存の無人機はドローンと愛称されますが、ドローンは元々無人標的機を示し、広域防空システムなどが展開する状況では運用が難しい。

ALEイーグレット空中発射無人航空機システムは小型で探知が難しく、また機体形状はステルス性に配慮されているものです。この試験にはアメリカ陸軍が運用するMQ-1グレイイーグル無人偵察機が用いられており、グレイイーグルは滞空時間が大きく戦場監視航空機としては有用な設計の航空機ですが防空システムが展開する空域で運用は制限される。

MQ-1グレイイーグル無人偵察機とALEイーグレット空中発射無人航空機システムの連携は、イーグレットよりもグレイイーグルの方が大きな航続距離を活かし進出するというものですが、今回試験には成功したものの、本機をリモートセンサーとするのかデコイの一種として運表するのか、徘徊式弾薬として用いるのか、これから開発される事となります。

アメリカのテキストロンシステムズ社は水上艦ミゲルキースからのエアロゾンデ無人航空機試験に成功しました。エアロゾンデ無人航空機は内燃式ライカミングEL-005エンジンを搭載した軽量無人機で、全幅は3.7mとなっていますが140㎞圏内での14時間以上にわたる滞空時間と36.4㎏の物量輸送能力があり、簡易カタパルトからの運用が可能です。

ミゲルキースは機動揚陸プラットフォームとして建造されたルイスBプラー級遠征海上基地の二番艦で満載排水量は81435t、今回の試験では簡易カタパルトからの発進とともに展張ネット方式での着艦回収を試験したといい、今回の実験にはこのほかにイージス艦2隻が参加、艦艇の協同とともに周辺での情報収集や監視能力を実験したものと思われます。

エアロゾンデ無人航空機はその輸送能力からソノブイ運搬能力や小口径爆弾などの運用能力はあると考えられ、例えばヘリコプターに依存しない対潜戦闘なども可能となりまる、これまで水上戦闘艦より運用されていたスキャンイーグル無人航空機よりもセンサー搭載能力が大きく、単なる搭載センサーによる情報収集以上の性能などが期待されています。

インド海軍はアメリカよりリース貸与されたMQ-9無人機を2年間で10000時間飛行させました。インド海軍が貸与を受けたMQ-9は2機、貸与期間は2年間ですが、仮に半分づつ飛行したとして5000時間、これは日数換算で208日間以上飛び続けたこととなり、別個に飛行させた場合でも一週間の内丸々四日間はどちらかが飛行していたこととなる。

MQ-9無人機は相性がリーパー、インド海軍向けの機体貸与は2020年11月21日に初飛行しました、これは驚くべきことです。メーカーであるゼネラルアトミクス社としても長時間の滞空時間を示してはいるのですが、一個飛行隊定数は8機とされています、その四分の一である2機でも一週間の半分以上を2年間常時飛行させ続けられる証明なのですから。

MQ-9無人機の滞空時間は24時間を超えるものですが、最終的に一度は着陸し、燃料補給やエンジン整備を行う必要があります、このため、年間どの程度飛行させられるかは今回の試験が実質的にその限界値を示した構図で、既にMQ-9はアメリカ、イギリス、フランス、イタリア、オランダ、スペインで採用されていますが今後採用も増えるでしょう。

アメリカのテキストロンシステムズ社はアメリカ陸軍将来戦術無人航空機システムFTUAS-Increment-2の主契約企業に選定されました。FTUAS-Increment-2により整備される無人航空機は、陸軍旅団戦闘団単位で運用する戦術無人機であり、厳しい野外状況での継続的運用能力や最小限の人員での可搬性、乏しい補給下での運用能力が求められます。

FTUAS-Increment-2へテキストロンシステムズ社が提示した案は二名での可搬能力を持ち、現地で組み立てる固定翼方式無人航空機です。その形状はOV-10ブロンコ観測機のような胴体構造とともに、パイオニア無人機のようなエンジン配置を採用、それでいて車輪は四本の支柱で一定高度までの上昇にはヘリコプター方式の回転翼二基を配置するもの。

複合ヘリコプターの表な設計哲学に基づき、その機体形状も一見複雑な田桁状構造を採用していますがスキャンイーグル無人機と異なりカタパルトや改修ネットなどは必要としませんし、無理に電動化することなく航空燃料を用いて運用するとのこと。ただ、この無人航空機の行動半径や滞空時間、センサーなどの搭載能力はまだ明らかにされていません。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
今回はアメリカ軍の無人機動向について。無人機から発進する無人機や観艦式の際に横須賀沖に居ました機動揚陸プラットフォームを母艦とする無人機などなど。

アメリカのジェネラルアトミクス社はALEイーグレット空中発射無人航空機システムの飛行実験に成功しました、この実験は2022年12月8日に行われたもので、無人航空機に搭載して敵対空域付近まで接近し発進、既存の無人機はドローンと愛称されますが、ドローンは元々無人標的機を示し、広域防空システムなどが展開する状況では運用が難しい。

ALEイーグレット空中発射無人航空機システムは小型で探知が難しく、また機体形状はステルス性に配慮されているものです。この試験にはアメリカ陸軍が運用するMQ-1グレイイーグル無人偵察機が用いられており、グレイイーグルは滞空時間が大きく戦場監視航空機としては有用な設計の航空機ですが防空システムが展開する空域で運用は制限される。

MQ-1グレイイーグル無人偵察機とALEイーグレット空中発射無人航空機システムの連携は、イーグレットよりもグレイイーグルの方が大きな航続距離を活かし進出するというものですが、今回試験には成功したものの、本機をリモートセンサーとするのかデコイの一種として運表するのか、徘徊式弾薬として用いるのか、これから開発される事となります。

アメリカのテキストロンシステムズ社は水上艦ミゲルキースからのエアロゾンデ無人航空機試験に成功しました。エアロゾンデ無人航空機は内燃式ライカミングEL-005エンジンを搭載した軽量無人機で、全幅は3.7mとなっていますが140㎞圏内での14時間以上にわたる滞空時間と36.4㎏の物量輸送能力があり、簡易カタパルトからの運用が可能です。

ミゲルキースは機動揚陸プラットフォームとして建造されたルイスBプラー級遠征海上基地の二番艦で満載排水量は81435t、今回の試験では簡易カタパルトからの発進とともに展張ネット方式での着艦回収を試験したといい、今回の実験にはこのほかにイージス艦2隻が参加、艦艇の協同とともに周辺での情報収集や監視能力を実験したものと思われます。

エアロゾンデ無人航空機はその輸送能力からソノブイ運搬能力や小口径爆弾などの運用能力はあると考えられ、例えばヘリコプターに依存しない対潜戦闘なども可能となりまる、これまで水上戦闘艦より運用されていたスキャンイーグル無人航空機よりもセンサー搭載能力が大きく、単なる搭載センサーによる情報収集以上の性能などが期待されています。

インド海軍はアメリカよりリース貸与されたMQ-9無人機を2年間で10000時間飛行させました。インド海軍が貸与を受けたMQ-9は2機、貸与期間は2年間ですが、仮に半分づつ飛行したとして5000時間、これは日数換算で208日間以上飛び続けたこととなり、別個に飛行させた場合でも一週間の内丸々四日間はどちらかが飛行していたこととなる。

MQ-9無人機は相性がリーパー、インド海軍向けの機体貸与は2020年11月21日に初飛行しました、これは驚くべきことです。メーカーであるゼネラルアトミクス社としても長時間の滞空時間を示してはいるのですが、一個飛行隊定数は8機とされています、その四分の一である2機でも一週間の半分以上を2年間常時飛行させ続けられる証明なのですから。

MQ-9無人機の滞空時間は24時間を超えるものですが、最終的に一度は着陸し、燃料補給やエンジン整備を行う必要があります、このため、年間どの程度飛行させられるかは今回の試験が実質的にその限界値を示した構図で、既にMQ-9はアメリカ、イギリス、フランス、イタリア、オランダ、スペインで採用されていますが今後採用も増えるでしょう。

アメリカのテキストロンシステムズ社はアメリカ陸軍将来戦術無人航空機システムFTUAS-Increment-2の主契約企業に選定されました。FTUAS-Increment-2により整備される無人航空機は、陸軍旅団戦闘団単位で運用する戦術無人機であり、厳しい野外状況での継続的運用能力や最小限の人員での可搬性、乏しい補給下での運用能力が求められます。

FTUAS-Increment-2へテキストロンシステムズ社が提示した案は二名での可搬能力を持ち、現地で組み立てる固定翼方式無人航空機です。その形状はOV-10ブロンコ観測機のような胴体構造とともに、パイオニア無人機のようなエンジン配置を採用、それでいて車輪は四本の支柱で一定高度までの上昇にはヘリコプター方式の回転翼二基を配置するもの。

複合ヘリコプターの表な設計哲学に基づき、その機体形状も一見複雑な田桁状構造を採用していますがスキャンイーグル無人機と異なりカタパルトや改修ネットなどは必要としませんし、無理に電動化することなく航空燃料を用いて運用するとのこと。ただ、この無人航空機の行動半径や滞空時間、センサーなどの搭載能力はまだ明らかにされていません。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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