北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【京都幕間旅情】寂光院,平家物語-変革と変容,クリエイターとアニメーター・AIとアニメーション,日本アニメーションの将来を考える

2024-10-30 20:24:56 | 写真
■古刹で考える未来
 未来への展望と云えば大阪関西万博なのかもしれませんがわたしはこういう古刹でこそ考えがまとまったりします。

 寂光院でここまでアニメーションについて考えるとは思わなかったのですが、素晴らしい毛氈と目の前に本堂、放火され再建されたというも尾ですが来年で本堂再建から20年という風月を経て質感が情緒を醸すように至った堂宇を前に、思想が広がる。

 POMERA,愛用していた100が遂に不具合を起こすようになり、買い置きのPOMER200を使い始めましたが、若干重く大きくはなったもののバッテリー駆動、数日に一回充電しますとほぼほぼ丸一日、執筆に活用してそん色ないという性能は気に入った。

 執筆という視座からは、ふと思ったときにどこか座るところがあれば長文を作成できてしまうのは嬉しいところ。まあ、長時間居座られては寺院の方にも迷惑かもしれないので、混雑してきますと当方も空気を読むことは吝かではないのだけれど、も。

 AIとアニメーション、これからはAI生成画とアニメーションの問題が、調和できるのか著作権の問題で対立するのか、という分水嶺が、そう遠くない将来、場合によっては次の政権交代くらいまでに深刻な問題として取り上げられるのではないか、と。

 画像生成、そう画像生成、結局現在の生成AIは既存の写真や絵画や作品などから人口学習して出力しているものなので、現時点で既に倒錯問題が生じている、恐らく古い作品で、AI学習利用を禁止する、と明示されていない作品や著作物が狙われる段階だ。

 JR西日本の車内広告に広告募集としてAI生成の写真や風景や、これは同じか、あとは水墨画などをそのまま張り付けていますが、あれはどこからか訴訟の対象とならないか、過払い金訴訟のように大手弁護士事務所の訴訟対象となるのは近いように思います。

 著作権、すると、今後考え得るのはキャラクターデザインをアニメーターが体系化して、いわばデジタルツインのように肖像権を持つキャラクターを一人ひとりアニメーター個人の人物、もしくは小説などの原作者が持ち、世界を形成するようなるのでは。

 街路や背景などは、これは京都アニメーションの現地取材方式ではないのだけれども、個々人が撮影した写真などをもとに人口学習させた、個々人にカスタマイズされたAI人口学習アルゴリズムを構築して、著作権上の問題を回避する時代となるのではないか。

 クリエイターとアニメーターの融合というような時代がそう遠くない時代に到来するのではないか、と思うのです。無論、大手アニメーター、というよりも中小を含めて、これでは存続できなくなるとして反対論が業界を揺るがすために一筋縄ではいかないが。

 声優さんの声を人口学習することについては、恐らく肖像権の延長線上に、近く法整備が必要になる、実際に声の人口学習を禁止する運動は始まっています故に。ただ、一作当たりの本人への出演料というかたちで妥協する可能性はあるのでは、とみている。

 業界団体をしっかりと構築する必要があるとは思うのですが、結局、一人で自己完結のアニメーション長編がAI生成により可能となるのは現実的に近いのではと思う。それは前述の通り、個人の投稿作品という形で、最初はグレーな扱いを受けるかもしれない。

 変革と変容、この背景には予算不足、いや予算は社会全体で一定程度あったとしても、その配分は多様化しているという実情からクリエイターに潤沢に回せない時代が来ています。その収斂と変容がどうなるのか、そんなことを古刹で、考えてしまいました。
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【京都幕間旅情】寂光院,平家物語-日本アニメの将来,平家物語のアニメーションは素晴らしかったのですが

2024-10-30 20:05:33 | 写真
■朱毛氈の上にて
 この寂光院探訪の際には未だ暑い日々であったのだけれども流石に大原までやってきますと若干ではあるがおんどは涼しく。

 寂光院、平家物語、アニメーション、と。最後少し飛躍したぞ、と思われるかもしれませんが実際、あのアニメーションの平家物語は記憶によく残るような名作であったと思いますし、寺務員さんの解説でもふと触れられ、所謂聖地巡礼というすがすがしさ。

 平家物語のアニメーションは素晴らしかったのですが、同時にこう言ったアニメーションは今後どのようになるのだろう、という、いわば担い手、アニメーターと技術の進歩について思うのです。朱毛氈の上にゆったり腰かけながらふと考えてしまった。

 特撮、日本のお家芸というべき映画技法はかなりのぶぶんCGにとってかわられたように思う、実際問題特撮の新作はテレビでは逸翁は造られているのだけれども低予算が響いていて、これは1974年オイルショックの景気後退の時機と比べてもかなり厳しい。

 映画という視点では特撮は、ほぼほぼ、昔であれば特撮が用いられた部分でもCGが用いられ、いや原点回帰として特撮は実物を用意できなかった際の代用であったのだからCGはそれこそ特撮の正統進化では無いのか、と言われるかもしれませんけれども。

 特撮は費用が掛かる、とはいわれるところ。ただ、CGも安価なのか、と問われますと、例えばシン・ゴジラなどは実質ゴジラが動く様子は17分間であったといい、質感を求めれば求めるほどCGも費用が掛かってしまう事もまた現実のようでして。

 CGも費用が掛かる、けれども将来的にAI描写によりCGの費用の掛かる部分はかなり解消されてゆくのかもしれないが、現実問題として大画面で再生するには、やはり資金力がものをいう、と、資金力で特撮草創期の日米映画資金力の話に戻ってしまう。

 蒼き鋼のアルペジオ、CGを大胆に使ったアニメーションとしてはあの作品がテレビでは草創期になるのか、無論前にもいくつかはあるのですが一応の成功を見たのはテレビアニメーションではあの作品、映画となりますと、アップルシード、なのかなあ。

 アップルシードから蒼き鋼のアルペジオ、思い起こせばこれもCGといいますかポリゴンの制作費用が提言した事で劇場映画でなくともTVアニメーションの予算でCGが使えるようになったのか、と。背景の写真からの転用は、雲の向こう約束の場所、か。

 予算になるのか、こう結論付けるのは早計かもしれないのですけれども、雲の向こう約束の場所、は写真を画像に起こす技法でキャラクター描写にアニメーターさんが、あの場合は監督さんほとんど一人でやったとも当時聞きましたが、予算を抑えた構図で。

 風立ちぬ。対極にあるのが背景をすべて手書きで頑張った、ほぼほぼ美術作品のような背景で形成されているスタジオジブリの作品なのですが、美術品は量産が利かない、一作制作するのに時間も費用もかかり、一本転ぶと大変なことになってしまうという。

 AI生成の作画によるアニメーションが主流になるのも、また時間の問題なのかなあ、と予算面で日本のアニメーションが潤沢ではない実情を背景にこう、思ってしまうのですね。勿論、大手であれば、いや中小零細もストなどで声を上げるのは必至でしょうが。

 インディーズ作品でAI生成画によるアニメーションがまず怪物のような作品が出てくるのだろう、例えばあの月姫、のような作品がいきなり静止画ノベルゲームではなくアニメーション作品で出てしまうような、そんなところから変容が始まる、気がするのだ。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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ウクライナ情勢-ウクライナでは秋の泥濘期が始まった,泥濘期を前にしたロシア軍機械化部隊動向

2024-10-30 07:00:12 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 不整地突破能力を考えると機械化部隊の重要性が。

 ウクライナでは秋の泥濘期が始まった、ISWSアメリカ戦争研究所は10月18日付ウクライナ戦況報告において、ロシア軍はウクライナ国内での秋の泥濘期が始まったとの報告を挙げていると戦況分析に記載しました。ウクライナでは冬はバケツ一杯の水がスプーン一杯の泥を生み、夏はスプーン一杯の水がバケツ一杯の泥を生むといいます。

 泥濘期は真夏の乾燥した期間ではなく、春と秋に訪れており、逆に冬には地面が凍結します。泥濘とは、戦車を含めた装軌車両さえ通行が困難と成程、運用に支障をきたし、機械化部隊の機動を阻害するとともに兵站線も麻痺させ、攻撃を行う側には非常に不利となります。また近年は気候変動により冬季にも泥濘期が続くことが確認されています。■

 泥濘期を前にしたロシア軍機械化部隊動向についてISWSアメリカ戦争研究所は10月18日付ウクライナ戦況報告において、コスティヤンチニフカ付近で大隊規模の、マクシミリャニフカ付近で大隊規模、セリドブ近郊で中隊規模、クラホフ方面で複数の中隊規模という攻撃を実施しているとのこと。これらの地域の多くはドネツク市近郊にある。

 ウクライナ国家警備隊のムジチュク報道官によれば秋の泥濘地を前にロシア軍は機械化部隊による攻撃を強化しているとのこと。具体的にはポクロフスク放免とクラホフ方面において歩兵突撃の支援に装甲車を投入する事例が増えているものの、ウクライナ軍は対戦車火力や無人機を集中しこれら装甲車両にこうか的な打撃を与えているとのこと。■

 10月16日0404時キエフ発共同通信電によればロシア軍は北朝鮮兵3000名規模の部隊を編成しているとのこと。ウクライナ情報機関筋として15日にこれら北朝鮮兵がウクライナ国境に接するロシア西部クルスク州およびブリャンスク州で確認されたとのこと、現時点で戦闘任務に就いているかどうかについては不明としています。

 ゼレンスキー大統領はこの北朝鮮軍に関する問題について14日の声明で触れており、ロシアによる侵攻に北朝鮮が実際に関与している、と発言しています。関与については従来、法案の供給が主なものとなっていましたが、此処に人員の派遣という踏み込んだ軍事行動が為されるようになった構図です。

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