北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【京都発幕間旅情】墨俣城(岐阜県大垣市),この写真のリアリティとデジタルは難しいAI時代の現実感

2024-11-20 20:24:00 | 旅行記
■長良川と城郭
 歩いて撮影名所を丹念に探していますとこんな景色が在ったのかと驚く事もあります。それは既知のものなのかもしれないけれども自分にとって発見であれば。

 一夜城と長良川に流れ込む墨俣川、この構図は散策の際に偶然見つけました構図となっていまして、いやこの城郭、何度も行っていますとともにあの忘れもしない2020年、新型コロナウィルスがCOVID-19と呼ばれる前、こっそり花見に遠出した場所だ。

 生成系AIでこのくらい簡単に描けるよ、とはお仕事の付き合いある方の発言で、しかしこれ凄く傷ついた、現実の光景というものを簡単に日常でAIという単語にて浸食しないでほしいなあ、とも。たぶんあの方は現実と空想の境界線があいまいなのだろうか。

 長良川に流れ込む様子を間近に撮影してみますと、いやここ、立ち入り禁止でもおかしくない場所なのだけれども注意書きは無く、そもそも前日が雨天でなければ流れもさほどではない場所なのだろうか、しかし迫力は物凄く、城郭を際立たせている。

 掘割までは再現されていない一夜城だけれども、治水のための施設がそのまま、恰も城郭の一部のような迫力を醸しているもので、ちょうど暗渠のように長良川に調整治水として流れ込む一画を、もう一歩進めば危険かもしれない構図で撮影した。

 安全と危険の境界線、神戸市内を散策していて大きな猪さんとこんにちわした際とか、けっこうな高波の中で艦艇の写真を恐らく大丈夫だろうという区域から雄姿といえるすがたを、これはもう経験と自己責任の世界なのか、撮影した際のことなど。

 頭を使わなければ危険だ、豪雪の中で散歩した山道や大雨が凄いなあと言われた豪雨が後に西日本豪雨と言われることになる中で撮影したものなど、思えば貴重であるとともに、しかし撮影しておいてよかった、と安どするような情景なども数多いなかで。

 生成系AIの写真と、一応苦労した情景の物を安易に比較されるのもなあ、と考えるところ。ただ、ディープフェイクというかたちで、錯覚させる目的で使用できる領域まで細部まで作りこまれた合成写真というものは簡単に取れるようになりましたが、さて。

 合成されたものは本物の写真の代替となるのか、このあたりは考えなければならない段階なのかもしれない。いや、生成系AIで満足するならば、世の中の情報をすべてディープフェイクで構成させて満足する事は人によっては出来る時代が来るのかもしれない。

 オンライン修学旅行、というのが、あれは児童虐待の一種ではないかと危惧するのだけれども、COVID-19の最中に辻褄合わせで旅行できない代替として映像を見せるだけで修学旅行を味わえ、という、結構無理を押し通したものがあったが、10年後には。

 リモートワークを例に取れば、エッセンシャルワーカー以外は在宅で自己完結させることが不可能ではない時代となった、オンラインに特化した通信制大学などが今後増えてくるわけで、もちろんリモートワークは本邦では下火となりつつあるけれども。

 ワーケーションという、これまではリモートワーク、COVID-19の最中には閑散とした観光地でリモートワークを行い、合間時間に観光するという、いわば観光地というリアルと、リモートワークという一種デジタルを両立させる方法が模索されていたが。

 景気減速、というものを背景に考えるかもしれないが、ワーケーションではなくデジタル観光で満足する人が増えるならば、これはもう景気減速下でも交通費や宿泊費、体力さえ無用となり、そこで満足する人が増えるのかなあ、と寂しく、いや懸念する。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【京都発幕間旅情】墨俣城(岐阜県大垣市),一夜城の別名は長良川河畔に歴史浪漫がささえる豊臣秀吉の出世城

2024-11-20 20:00:26 | 旅行記
■一夜城探訪
 岐阜基地航空祭にて話題となりました岐阜県は一夜城こと墨俣城に行った話題です。

 墨俣城、岐阜県大垣市墨俣町墨俣に所在する城郭です。模擬天守となっていますが、大垣市というのは大垣駅前に大垣城もありますので、城郭が多くて羨ましいなあ、と思ってしまうところ。岐阜県にはこのほか、岐阜城や郡上八幡城に天守閣が。

 豊臣秀吉の出世城、と呼ばれていまして、それは豊臣秀吉が未だ木下藤吉郎だったころ、織田信長の美濃攻略への重要な前進拠点として短期間で築城を果たしたという。当然天守閣を有するようなところではなく、実態は野戦築城に近い形だったという。

 永禄9年こと西暦1566年に築城したというところ、いまの地図を見ると、木曽川と長良川が離れていて、渡河が大変そうに見えるけれども、当時は木曽川堤防も長良川堤防もない時代なので、ほぼほぼ近くを流れていた時代があるという。

 大垣市墨俣歴史資料館、これが正式名称なのですが、美濃を侵攻するならば木曽川渡河が大変で長良川はその先、実際にやったのか、という疑問符はあるという。一応このあたりに城郭があったのは確かで、池田恒興の家臣伊木忠次が改修した記録はある。

 信長公記、織田信長スゲー集ともいわれる日本初の信長ファンブックは太田牛一が著したもので、ここに洲股要害という砦のような描写があるけれども木下藤吉郎が築いたかは触れていない。江戸時代の寛政年間に書かれた絵本太閤記にはでてくるけれども。

 遺構もないところに、平成初期、観光誘致のために複合式層塔型三重四階RC造模擬天主閣を造営したというものだけれども、一方で、2㎞程離れた岐阜県岐阜市柳津町の佐波八幡神社には一夜城築城の木材を供出した事で社領安堵となった記録とかもある。

 木曽川と長良川は定期的に氾濫を繰り返し、というよりも岐阜基地航空祭の際に見える金華山山頂の岐阜城とかは、金華山そのものが100万年単位で丘陵地が木曽川と長良川の氾濫に削られてあの標高になったというのだから。堤防は江戸時代のもの。

 薩摩義士伝、という木曽川堤防を幕府の命令により築堤し、農民から尊敬された歴史が岐阜にはある。ただ、薩摩義士伝、といま検索するとむさくるしいオッサンが第一話ひえもんとり、とか、肝練りじゃさあ今宵は存分に楽しめ、と出てくるのだけれど。

 二層櫓はあった、改修により高櫓が構築された、ともいわれていますし、渡河点は戦略上の要衝であるので室町時代には斎藤氏自身が城郭というか防御施設を造営して斎藤利為を城主に置いた、という記録があったりするのだけれども、一夜城説は。

 大河ドラマなんかでは一夜城は重要な展開となるのだけれども、司馬遼太郎が新史太閤記にも記しているのだけれども、結局のところこの城郭の大半は浪漫で形成されているのだよなあ、という印象です。地元に城郭があるのとないとでは、違うのかもしれない。

 城下町には、寺町があって明台寺など複数の寺院があり、一応旅館と、鮨屋に中華と焼肉屋でははなくって焼き芋屋か、そして小学校中学校もある、昔は大垣氏に合併される前に墨俣町という地名であった。すると地元に城郭があると郷土愛に、繋がる、か。

 墨俣城というのは、過疎化が進む現代にあって、地元に城郭があるという事で、御城の城下町に帰省するというもしくは、ここに定着するという、いわば過疎化からこの地域を護っている歴史ロマンなのかもしれない、そんなことを散策の際、思いましたね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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ウクライナ情勢-ウクライナ軍とロシア軍の戦況全般,ウクライナ軍旅団新編の遅れとロシア軍はなつ大量の囮無人機

2024-11-20 07:00:54 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 開戦1000日を超えたウクライナ情勢について。

 ウクライナ軍とロシア軍の戦況全般について、ISWアメリカ戦争研究所11月15日付ウクライナ戦況報告によれば、双方で動きが確認されていて、ウクライナ軍はクルスク州コレネヴォの南東にあたるノヴォイヴァノフカ付近、クラホフ南西のポビエダ付近、そしてクラホフ南のダルネにおいて前進している事が確認されています。

 ロシア軍の概況について、クピャンスク東部とトレツク北東部と南部、ポクロフスク南のユリブカ北部地域及びセリドフ南西にあるノヴオレクシフカ西方、クラホフ北方のノヴォセリディフカ北部地域において前進、そしてヴフレダールの北東にあるアントニフカを占領したとのこと。ロシア軍は1名から2名の少人数での浸透を強化している。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 ロシア軍の分散浸透戦術以前の小規模駐屯地祭模擬戦仮設敵なみの分散運用が高価を示しているもよう。

 ロシア軍の最近の前進の背景にはウクライナ軍旅団新編の遅れが背景にある、ISWアメリカ戦争研究所の11月16日付ウクライナ戦況報告では、この最近の厳しい情勢についてのウクライナゼレンスキー大統領の発言を紹介しました。ウクライナ軍は西側諸国などの同志国より装備供給を受けるとともに暫時新たに旅団を編成しつづけています。

 ウクライナ軍の課題は、人的リソースの限界により新しい旅団を新編することが難しく、結果、前線に展開している旅団が損耗を受けた場合でも交代する事が出来ず戦闘能力を低下させたままの状況で戦闘を継続している事にロシア軍の前進を許している実情がある一方、ロシア軍の損耗についても触れ、漸進継続は出来ないとも言及しました。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 防空リソース不足は昨今の北朝鮮による日本本土を射程内とする自爆用無人機量産体制をみても対岸の火事ではない。

 ロシア軍はウクライナ防空網を突破すべく大量の囮用無人機を使用している、これはISWアメリカ戦争研究所の11月16日付ウクライナ戦況報告にてウクライナ空軍報道室長代理イナト大佐の発言を紹介しました。イナト大佐によれば現在、ロシア軍がウクライナに対して使用している無人機の半数は囮であるとも発言しています。

 無人機攻撃は非武装のシャヘド無人機と弾頭を備えたシャヘド無人機を併用しており、同時にサーモバリック弾頭などを搭載した無人機も仕様、これによりウクライナ軍防空網に混乱と弾薬枯渇を強いようとしているもよう。ウクライナ軍はレーダーなどでは囮を判別できず、電子戦や実弾射撃により囮も含めて対応を強いられているとのこと。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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