北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【G3X撮影速報】富士学校開校70周年富士駐屯地祭(5)16式機動戦闘車10式戦車90式戦車(2024-07-21)

2024-11-28 20:11:07 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■機甲教導連隊
 本州の第一線部隊から戦車がひとつも無くなり戦車を観る機会も驚くほどに減りました。

 機甲教導連隊の観閲行進が始まりました、連隊旗を掲げての前進、分かりやすく戦車連隊、という言葉を期待したのですが、連隊旗を掲げているのが16式機動戦闘車である通り、戦車部隊と偵察部隊と機動戦闘車の戦闘部隊から成る連隊です。

 16式機動戦闘車、機動戦闘車中隊の観閲行進です。背景には10式戦車が見えるのですが、今や高速道路のサービスエリアなんかで目撃される事も多きなりましたこの16式機動戦闘車は陸上自衛隊の看板装備、派生型も次々と開発されており量産も間もなく。

 24式装輪装甲戦闘車と24式装輪自走迫撃砲、名前はこの時点でそんな感じになるのだろうなあ、という段階ではありましたが、来年度の富士学校祭では普通科教導連隊に配備されている様子が見られるのだろうか、今年試作車は来ないのかあ。

 装甲が薄いので戦車として運用する事は出来ない、と陸上自衛隊はこの装備の特性を強調しています。戦車であれば125mm戦車砲弾を近距離でも弾き返せるのですが、機動戦闘車は最初に当てないと、機関砲程度までしか耐える装甲を有していません。

 MCV,キドセン、愛称は色々とありますが火器管制装置は10式戦車に準じる性能をのもの有する。もっとも、2022年の中部方面戦車射撃競技会では小隊射撃の成績で第3戦車大隊に負けているということですが。まあ、MCV射撃時が凄い豪雨だったのだけれど。

 戦闘中隊の観閲行進です。二文字書くのが面倒だったのかな、と思われるかもしれませんが即応機動連隊を想定した部隊ではなく昨年度まで74式戦車を運用していた第4中隊の要員を以て編成され、偵察戦闘大隊の戦闘中隊を想定した戦術研究や教育を行う。

 偵察戦闘大隊が全国で次々と編成されていますが、即応機動連隊に所属する機動戦闘車隊とは異なる運用だ、という事で偵察戦闘大隊戦闘中隊を想定した部隊という。装備している機動戦闘車は基本同じ、一部車両には冷房がついているようですけれども。

 10式戦車の観閲行進、来年度予算で一両当たり14億円まで取得費用が高騰とはなっていますが、冷静に考えるとM-1A2-SEP-V3エイブラムス戦車やレオパルト2A7戦車の取得費用が軒並み40億円前後となっている事を考えると、もっとそろえるべき。

 軍拡は要らない、という、一部政党の主張があるのですが、せめて戦車や火砲は野田政権時代、民主党政権時代まで戻してはどうかと思う、ミサイル防衛という多額の費用を要する防衛力整備をほとんど防衛予算を据え置きして進めたために現状は厳しい。

 戦車大隊、せっかく10式戦車は90式戦車よりも防御力を高めたうえで日本本土、本州の橋梁や道路を想定して軽量に抑えているのだ、師団戦車大隊というものを再編すべきだし、即応機動連隊は師団にはおかず旅団に集約して旅団を強化すべきだ。

 10式戦車は改良が始まるとのことですが、乗員定数4名の74式戦車を2個中隊から成る戦車大隊の定員は250名、すると乗員3名の10式戦車から成る戦車大隊をもう少し潤沢に編成しておけば、少子化の現代、貴重な隊員を有事の際に砲火から守れる。

 90式戦車、安倍政権時代と民主党政権時代や麻生政権と福田政権時代のミサイル防衛を否定するわけではない、日米の技術で完成させたキネティック弾頭はイランの中距離弾道弾を宇宙空間で撃墜した、しかし、その為に削られた装備は、補填せねばらない。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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ウクライナ情勢-ロシア軍にBMP-3装甲戦闘車はどれだけ残っているのか

2024-11-28 07:00:10 | 国際・政治
■防衛情報-ウクライナ戦争
 先ず最初にウクライナ軍の無人機戦果について。

 ウクライナ軍はカスピ海のカスピースク基地を無人機により攻撃した、イギリス国防省11月15日付ウクライナ戦況分析によれば、攻撃は11月6日に実施、標的はロシア海軍カスピ小艦隊で、カスピースク基地にはフリゲイトを含む複数の艦艇が停泊していた模様、この攻撃によりゲパルト級フリゲイト2隻が小破したものと分析しています。

 ゲパルト級フリゲイトはもともと1990年代にロシアがインド海軍向けに提案したものの外洋作戦用に不適としてインド側が採用しなかった案をロシア海軍がカスピ小艦隊向け艦艇として建造したもので、満載排水量1930t、フリゲイトとしては最小規模の艦艇ですが同程度の艦がヴェトナムに輸出された、カリブル巡航ミサイル運用能力があり、カスピ海からシリアを攻撃した事例も。

 カスピ小艦隊はロシアウクライナ戦争開戦後、ウクライナ領内へもカリブル巡航ミサイルによる攻撃を実施したとされていますが、イギリス国防省によれば今回攻撃を受けたフリゲイトがウクライナ本土を攻撃した可能性は考えにくいとしています。ただ、黒海艦隊ではなくウクライナ本土から離れたカスピ小艦隊を攻撃した意味は大きい。

 日本の場合は保管せず廃棄するのですが、ロシアにBMP-3装甲戦闘車はどれだけ残っているのだろうか、今回は少し備忘録的な内容となるのですが素朴、だけれども重要な疑問です。旧ソ連末期に製造が開始砂荒れたBMP-3装甲戦闘車は少なくない数が量産されているのですが、100mm低圧砲と30mm機関砲という強力な火力を持つ装甲戦闘車として、ロシアウクライナ戦争では大量投入され。

 オリックスというオランダのオープンソースインテリジェンス組織が武力紛争における装備品の破壊状況を公開画像や報道画像などから分析しているのですが、破壊された車輛、その証拠となる写真を含めて、BMP-3の少なくともロシア軍が装備する八割が破壊されていることとなる、それもオリックスは2022年に更新を終了しているため、2022年中に。

 ソ連時代に大量生産された装備は退役後も保管され、今回のウクライナでの損耗に対応すべく現役復帰の作業が行われていますが、備蓄には上限が有るという、そして少なくともBMP-3は生産数が少ない為に大半が現役であった。するともうBMP-3はほとんどないのではないか。T-72,T-62,T-80,BMP-2,BMP-1,これらを含めて、残っているのか疑問です。

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