北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【G3X撮影速報】カブールC550-CAVOUR日本初寄港(4)ハリアーならではの意義(2022-09-05)

2024-11-24 20:24:02 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■イタリア流艦載機
 イタリアの空母は独特の運用哲学を持っていた。

 ハリアーの妥当性について。ハリアーは発着に相当な技術が必要で、このあたり、艦載機として運用する場合には艦上訓練のかなりの部分が発着訓練に必要とされる、という話を聞き、やはり自衛隊はF-35Bとしたことは妥当だったのかなあ、とおもうのですが。

 カブールの日本寄港とともにハリアー運用艦にかんして海上自衛隊と航空自衛隊の過多はイタリア海軍とイタリア空軍、F-35Bの一部は空軍も運用、この機会を通じて重要な話を聞くことが出来、その内容は側聞するだけでもなかなか興味深い内容があった。

 F-35Bのほうが性能面では優れているものの、ハリアーは艦上戦闘機運用の橋渡しとして重要な意義があったと好い、それは同時に過去の装備であることを示した訳なのだけれどももうひとつ、使いやすいという側面があったとのこと。

 ハリアー、亜音速機で、AMRAAM空対空ミサイルも搭載できますので、空対空戦闘能力が高く、もちろん対艦ミサイルの運用能力もあるのですが、現実問題としてそれ以上に、一回あたりの運用コストと整備負担がF-35Bよりも低く、結果飛ばしやすいのだという。

 エイブラハムリンカーンとカールビンソンにアメリカ海軍は小型のF-35シミュレータを搭載した、置く台がないので重厚な調度品の上にモニターが置かれていた様子が公開されましたが、F-35は飛ばずともシミュレーターでかなりの訓練が可能な航空機だ、と。

 シミュレーター訓練で対応できる部分が多いのは逆に言えば飛行させる必要がないゆえに飛行コストを抑えられるのですが、訓練そのものが外洋で飛行させることを通じたプレゼンス、航空母艦が有するポテンシャルとも表裏一体だというのも事実で。

 クイーンエリザベスでは、この問題から運用費用、飛行させることに寄る運用費用の大きさを問題視し、ミサイルも搭載可能というモハーベ無人航空機をF-35Bとともに運用し、空母が外洋で航空機を飛ばすことの重要性をこうしたかたちで示した。

 カブールはF-35Bとハリアーを混載しているけれども、モハーベが全通飛行甲板艦用にリーパー無人機を短縮化しただけのものに対して、ハリアーは空戦もできるし、Su-30レベルの戦闘機であっても、有事は兎も角として平時にはうかつに近寄らせない。

 第五世代戦闘機のF-35Bは有事の際に絶対に必要な航空機だ、第一撃はもちろん主翼に目一杯搭載するビーストモードでの搭載力も大きい、が、平時のプレゼンスを示す際には平時から飛ばし続けるとコスト面で空母航空隊が疲弊することもまた現実で。

 ハリアーはこうした点で、有事にも用途はあるのだけれども、それ以上に平時のプレゼンスを発揮する際には、つまり敵対勢力の航空機に艦隊上空を自由に飛び回らせることを阻止するための航空機としては、これもかなり重要な航空機なのも確か、と。

 しかし、これも繰り返すのだけれども、ハリアーにはもう老朽化という現実が突きつけられていて、いかに使いやすい航空機で会っても限界があることもまた確かなのですよね。それもこれも2020年代にもう一度新造するわけにもいかないのだから。

 ただ、ハリアーのような安価なコストで、一定以上の空対空戦闘能力とその他の攻撃能力を持っているもので、平時に使いやすく有事の際にも充分第一線で運用できるようなそんな航空機が、もう少しあっても好いのでは無いかな、と思うのだ。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【M-5撮影速報】岐阜基地航空祭2024.青空の各務原上空は曇天小雨予報のはずれ(2024-11-17)

2024-11-24 20:00:26 | 詳報 陸海空自衛隊関連行事
■青空と土下座
 岐阜基地航空祭は色々あったようですが後で話を聞きますと憤る事が在ったのは現実でして、これについては後ほど詳述しましょう。

 異機種大編隊、この角度から眺めるのは航空祭本番ゆえ、というところなのでしょう、正門前ならば予行でも見られたのかな。こうした写真、飛行展示は滑走路上で行われることが多いのだけれども、岐阜では南側会場の真上で大編隊が飛んでくるのだ。

 C-1FTBとC-2に、そう、考えてみればF-4EJとF-4EJ改がCOVID-19の前まではいましたが今はその姿が無く、来年にはC-1FTBもそろそろ、というところか。昨年の航空祭にC-1FTBがでてこなかったのは川重で定期整備に入っていたためなのでIRAN明け。

 T-4練習機後継機の国産開発が漸く開始されるので、いつかはT-4とT-Xの並びが見えるのだろうし、F-2後継機のGCAP戦闘機計画も、具現化したならば開発は日本とイギリスとイタリアなのだから、飛行開発実験団でこの異機種大編隊に加わるのだろうなあ。

 F-35は、機密保持の制約が多すぎて使いにくい、かがF-35B運用試験が先日までカリフォルニア沖で行われていたものの、F-35の機密保持資格がなければ機体に近寄ることさえだめ、同乗の空自関係者は別として、かが乗員は近づくこともできなかったとか。

 飛行開発実験団にF-35が配備されることは、日本独自の装備品を搭載する許可が目処として起たない限りは見通せないためにちょっと考えられず、するとステルス機というのはGCAPの評価試験が開始されるまで、岐阜で運用されることはないのかもしれない。

 電子戦型のC-2輸送機、その実戦部隊が岐阜基地に新編されるという話は聞きましたので、すると大編隊に加わるのか、それともさすがに機密性の高い部隊ということで航空祭には、入間のYS-11のように端の方で、あれがあの有名な、といわれるだけなのか。

 大編隊、というからにはせめて二桁の機体を飛ばしてほしいところですが、本日の築城基地航空祭では16機の大編隊、F-2の大編隊が組まれたという。所属戦闘機のほぼ半数が編隊を組んだというわけで、しかし岐阜は肝心の機数が少ないのだよなあ。

 C-2とC-1FTBの飛行展示、そろそろ、曇天が見えてきた、予報を覆す晴天というのは、実際各務原市上空だけだったようで、岐阜市と羽島市なんかはほんとうに曇天だったという。その晴天を逃さすプログラムを組み替えた航空祭実行委員会、さすがだ。

 北側会場と南側会場、格納庫前のエプロン地区を有する北側会場がそのメイン会場となるのですが、実はこの日、北側会場のエプロン地区は椅子とレジャーシート禁止という周知があったのだけれども違反者がいて、注意した幹部自衛官にくってかかる事案が。

 土下座を強要、これ、1尉さんを土下座させている様子がSNSで拡散されていて、撮影する奴も拡散させる奴も何を考えているのだ、と、怒ってしまった。目の前で清水寺の欄干に三脚で傷をつけている奴を見たときと同じくらいわたしは怒ってしまった。

 椅子禁止という規則には理由がある、エプロン地区は混雑するので場所取りなどで過去トラブルとなった事例があるのだ、触れた触れないで実際殴り合いとか突き飛ばしてけが人が出た事例をほかの基地でみている、岐阜では怒鳴りあいもみている。

 航空祭はゲストも主役、というのは築城基地の名物操縦士さん、最近は転属されたようですが、素晴らしい明言と思う。そして主役の一端を担う共演の立場であるからには、それにふさわしい紳士淑女の立ち振る舞いが求められるように、思うのですよね。

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【京都幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌:京都-京都駅,ビールと共にオーバーツーリズムとマナー問題を考える

2024-11-24 18:27:34 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 数百年守り続けられてきた文化財には敬意を払ってほしい。

 航空祭はじめ自衛隊行事全般にも当てはまることだけれども、過多、というのは結構厳しい事を生むように思う、それはオーバーツーリズムで千人に一人程度しか本来居ないマナーの悪い人が毎日数万人が来ると毎時なにかを引き起こす災厄という。

 ビールでも呑みながら、ふと先日あったことを振り返る。立ち入り禁止の苔、ロープも張ってあるんだが、ここに立ち入って記念写真、もちろん苔を踏んでいる、庭師さんでさえせめて裸足になって苔を痛めないようにしている、夏を生き延びた苔の上に。

 三脚禁止のところで三脚を立てて撮影する外国人、英語で注意してもアジア系なのでわからないふりをするという、英語は地球語なんて大嘘で、銃剣でも突き立ててやらないとわからないのだろうか、銃剣ならば充分地球語だと思うというほど憤った。

 マナーや常識、というものは育った環境で定着するものだから、例えば隣国は日本統治時代まで"約束"という概念が無かったと謂うし、北朝鮮にまだ邦人観光客が入国できた時代、"自由"という概念が21世紀になってもなにかわからない状態が続くという。

 自由の意味をはき違えている、と戦前に日本ではアメリカを分析したという文献に接すると、なるほど戦時色濃くなる時代にあっても日本には自由の概念はあったわけだ、と。まあ、明治維新の先に大正デモクラシーの産物なのかもしれないけれども。

 寺院は観光地ではないのだけれども、来場する連中はほんどうに仏教に関心があるのだろうかとどうしても気になってしまう。仏教は言葉にしにくい信仰なのだけれどもせめて節度というものを以てほしいなあと期待するのは、無理なのだろうか。

 COVID-19のさなかは、今思えば大変ではあったが節度はあった、あの頃の写真、いた2022年頃の写真を見返しても、あの頃が一番落ち着きがあったように思う、2020年は大変だったけれども、とそんなことをどうしても考えてしまうのですよね。

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【京都発幕間旅情】N700系新幹線,東海道新幹線開業60周年は記念と共にインフラ旧式化の認識を

2024-11-24 07:00:54 | コラム
■のぞみ210号
 本日福岡県の築城基地航空祭へ進出されている方々は昨日の新幹線トラブルで難渋したのでゃないかと心配してしまう。

 東海道新幹線は昨日朝、のぞみ210号の京都米原間での車両故障により一時運転を見合わせ、この影響は上り線だけの影響かとおもわれましたが、上り線は二時間以上の遅延になると共に下り線にも一時間以上の遅延が発生し、運休列車も発生しました。

 60周年、東海道新幹線は1964年の開業から60周年を迎えたと誇示され、たしかに脱線事故による犠牲者ゼロなど誇るべき点は多いのですが、このところ毎週末のように、気象的原因というものも大きいものですが大規模運休、計画運休さえも出ているという印象が。

 東京大阪間は、新幹線開業当時には在来線特急が運行されていましたし、また平成初期には旅客機による移動も、これは日航や全日空の企業努力による割引制度などもありましたが、新幹線以外の選択肢はおおかったのですが、利便性からかなりに比率が新幹線に。

 旅客機と新幹線の移動割合が50:50となるのは東京広島間から、ということで、東海道新幹線のポテンシャルの大きさが見て取れます、ただ、1964年当時、60年前にここまでの旅客需要寡占状態を想定したインフラ整備が在ったのかは、どうしても疑問になるのだ。

 短絡線や迂回線として一部重要区間を複々線とするとか、ホーム全長を伸ばして、例えば東海道線最大の難所関ヶ原に隣接した大垣駅がブルートレイン二編成を停められる長大なホームを整備したような、主要駅の緊急時発着に備えてのホーム延伸など、必要でないか。

 リニア中央新幹線や北陸新幹線こそがその迂回路ではないか、と思われるかもしれませんが、そんな完全開通が2030年代のものよりも、もう少し、東海道新幹線は開業後60年を経た古い交通インフラなのだ、という認識と改良努力が必要ではないかと、思うのですね。

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