■イタリア流艦載機
イタリアの空母は独特の運用哲学を持っていた。
ハリアーの妥当性について。ハリアーは発着に相当な技術が必要で、このあたり、艦載機として運用する場合には艦上訓練のかなりの部分が発着訓練に必要とされる、という話を聞き、やはり自衛隊はF-35Bとしたことは妥当だったのかなあ、とおもうのですが。
カブールの日本寄港とともにハリアー運用艦にかんして海上自衛隊と航空自衛隊の過多はイタリア海軍とイタリア空軍、F-35Bの一部は空軍も運用、この機会を通じて重要な話を聞くことが出来、その内容は側聞するだけでもなかなか興味深い内容があった。
F-35Bのほうが性能面では優れているものの、ハリアーは艦上戦闘機運用の橋渡しとして重要な意義があったと好い、それは同時に過去の装備であることを示した訳なのだけれどももうひとつ、使いやすいという側面があったとのこと。
ハリアー、亜音速機で、AMRAAM空対空ミサイルも搭載できますので、空対空戦闘能力が高く、もちろん対艦ミサイルの運用能力もあるのですが、現実問題としてそれ以上に、一回あたりの運用コストと整備負担がF-35Bよりも低く、結果飛ばしやすいのだという。
エイブラハムリンカーンとカールビンソンにアメリカ海軍は小型のF-35シミュレータを搭載した、置く台がないので重厚な調度品の上にモニターが置かれていた様子が公開されましたが、F-35は飛ばずともシミュレーターでかなりの訓練が可能な航空機だ、と。
シミュレーター訓練で対応できる部分が多いのは逆に言えば飛行させる必要がないゆえに飛行コストを抑えられるのですが、訓練そのものが外洋で飛行させることを通じたプレゼンス、航空母艦が有するポテンシャルとも表裏一体だというのも事実で。
クイーンエリザベスでは、この問題から運用費用、飛行させることに寄る運用費用の大きさを問題視し、ミサイルも搭載可能というモハーベ無人航空機をF-35Bとともに運用し、空母が外洋で航空機を飛ばすことの重要性をこうしたかたちで示した。
カブールはF-35Bとハリアーを混載しているけれども、モハーベが全通飛行甲板艦用にリーパー無人機を短縮化しただけのものに対して、ハリアーは空戦もできるし、Su-30レベルの戦闘機であっても、有事は兎も角として平時にはうかつに近寄らせない。
第五世代戦闘機のF-35Bは有事の際に絶対に必要な航空機だ、第一撃はもちろん主翼に目一杯搭載するビーストモードでの搭載力も大きい、が、平時のプレゼンスを示す際には平時から飛ばし続けるとコスト面で空母航空隊が疲弊することもまた現実で。
ハリアーはこうした点で、有事にも用途はあるのだけれども、それ以上に平時のプレゼンスを発揮する際には、つまり敵対勢力の航空機に艦隊上空を自由に飛び回らせることを阻止するための航空機としては、これもかなり重要な航空機なのも確か、と。
しかし、これも繰り返すのだけれども、ハリアーにはもう老朽化という現実が突きつけられていて、いかに使いやすい航空機で会っても限界があることもまた確かなのですよね。それもこれも2020年代にもう一度新造するわけにもいかないのだから。
ただ、ハリアーのような安価なコストで、一定以上の空対空戦闘能力とその他の攻撃能力を持っているもので、平時に使いやすく有事の際にも充分第一線で運用できるようなそんな航空機が、もう少しあっても好いのでは無いかな、と思うのだ。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
イタリアの空母は独特の運用哲学を持っていた。
ハリアーの妥当性について。ハリアーは発着に相当な技術が必要で、このあたり、艦載機として運用する場合には艦上訓練のかなりの部分が発着訓練に必要とされる、という話を聞き、やはり自衛隊はF-35Bとしたことは妥当だったのかなあ、とおもうのですが。
カブールの日本寄港とともにハリアー運用艦にかんして海上自衛隊と航空自衛隊の過多はイタリア海軍とイタリア空軍、F-35Bの一部は空軍も運用、この機会を通じて重要な話を聞くことが出来、その内容は側聞するだけでもなかなか興味深い内容があった。
F-35Bのほうが性能面では優れているものの、ハリアーは艦上戦闘機運用の橋渡しとして重要な意義があったと好い、それは同時に過去の装備であることを示した訳なのだけれどももうひとつ、使いやすいという側面があったとのこと。
ハリアー、亜音速機で、AMRAAM空対空ミサイルも搭載できますので、空対空戦闘能力が高く、もちろん対艦ミサイルの運用能力もあるのですが、現実問題としてそれ以上に、一回あたりの運用コストと整備負担がF-35Bよりも低く、結果飛ばしやすいのだという。
エイブラハムリンカーンとカールビンソンにアメリカ海軍は小型のF-35シミュレータを搭載した、置く台がないので重厚な調度品の上にモニターが置かれていた様子が公開されましたが、F-35は飛ばずともシミュレーターでかなりの訓練が可能な航空機だ、と。
シミュレーター訓練で対応できる部分が多いのは逆に言えば飛行させる必要がないゆえに飛行コストを抑えられるのですが、訓練そのものが外洋で飛行させることを通じたプレゼンス、航空母艦が有するポテンシャルとも表裏一体だというのも事実で。
クイーンエリザベスでは、この問題から運用費用、飛行させることに寄る運用費用の大きさを問題視し、ミサイルも搭載可能というモハーベ無人航空機をF-35Bとともに運用し、空母が外洋で航空機を飛ばすことの重要性をこうしたかたちで示した。
カブールはF-35Bとハリアーを混載しているけれども、モハーベが全通飛行甲板艦用にリーパー無人機を短縮化しただけのものに対して、ハリアーは空戦もできるし、Su-30レベルの戦闘機であっても、有事は兎も角として平時にはうかつに近寄らせない。
第五世代戦闘機のF-35Bは有事の際に絶対に必要な航空機だ、第一撃はもちろん主翼に目一杯搭載するビーストモードでの搭載力も大きい、が、平時のプレゼンスを示す際には平時から飛ばし続けるとコスト面で空母航空隊が疲弊することもまた現実で。
ハリアーはこうした点で、有事にも用途はあるのだけれども、それ以上に平時のプレゼンスを発揮する際には、つまり敵対勢力の航空機に艦隊上空を自由に飛び回らせることを阻止するための航空機としては、これもかなり重要な航空機なのも確か、と。
しかし、これも繰り返すのだけれども、ハリアーにはもう老朽化という現実が突きつけられていて、いかに使いやすい航空機で会っても限界があることもまた確かなのですよね。それもこれも2020年代にもう一度新造するわけにもいかないのだから。
ただ、ハリアーのような安価なコストで、一定以上の空対空戦闘能力とその他の攻撃能力を持っているもので、平時に使いやすく有事の際にも充分第一線で運用できるようなそんな航空機が、もう少しあっても好いのでは無いかな、と思うのだ。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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