■臨時情報-ウクライナ情勢
G7広島サミットへのウクライナゼレンスキー大統領出席という大きな出来事が本日はじまるのですが、先ずはウクライナ情勢から。
ロシア軍は今月に入り、ソ連時代の施設を中心に長距離ミサイル攻撃を加えています、具体的にはソ連崩壊後のウクライナ域内に配置されたソ連製大陸間弾道弾などを廃棄する“1992年ブダペスト合意”に基づく処理施設などがミサイル攻撃を受けています。その意図するところは不明ですが、軍用施設ではないものの大規模な爆発が発生しています。
ミサイル攻撃は5月1日と5月13日に発生しています。5月1日には東部のドニプロペトロウシク州パブログラードに所在する旧ソ連ミサイル固体燃料保管施設、もう一つ5月13日には西部フメリニツキー州のテルノビリに所在するロケット廃棄場です。ロシア国内ではウクライナ軍兵器集積場を破壊したとする意見がありますが、確認されていません。
旧ソ連ミサイル廃棄施設に対する相次ぐ攻撃は何らかの意図が考えられます、一つは“ロシア側は本気でウクライナに大量破壊兵器があると信じている”、もう一つは“大規模な爆発を引き起こし偽情報を流す”、または“軍が大統領に報告する見栄えの良い標的を狙った”というものです。なお、ウクライナ軍によるこれら物資の軍事転用は確認されていません。
イギリス戦争研究所は5月14日の報告書において最近のロシア軍ミサイル攻撃について“戦略目標を明確に確定した”と皮肉交じりに分析しています。具体的には、2022年2月から2023年3月にかけて、発電所やアパートに美術館や学校など、よくわからない目標に対して高価な巡航ミサイルを用いた攻撃を行っていました。これが変わりつつある。
ロシア軍は新しい軍事目標として兵器工場や軍用物資集積所など軍事目標に対する攻撃を開始し、ウクライナの戦争遂行能力を削ぐ行動に出ています。ただイギリス戦争研究所はもちろん、世界中の有識者にとり解明できない謎は、ウクライナ軍を攻撃せずに何を攻撃していたのか、という不可解さです。本来は最初に攻撃すべき目標なのですから、ね。
ロシアウクライナ戦争について、ロシア軍は地上軍に大きな損耗を強いられ、黒海艦隊にもかなりの損害が及んでいますが、航空宇宙軍の航空機は大半が無傷です。ただ、長距離巡航ミサイルについては2022年2月から一年間で大半を射耗しており、追加生産が完了したものを備蓄しこの一週間は使用数が急激に増えた、今後の空軍攻勢については未知数となっている。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
G7広島サミットへのウクライナゼレンスキー大統領出席という大きな出来事が本日はじまるのですが、先ずはウクライナ情勢から。
ロシア軍は今月に入り、ソ連時代の施設を中心に長距離ミサイル攻撃を加えています、具体的にはソ連崩壊後のウクライナ域内に配置されたソ連製大陸間弾道弾などを廃棄する“1992年ブダペスト合意”に基づく処理施設などがミサイル攻撃を受けています。その意図するところは不明ですが、軍用施設ではないものの大規模な爆発が発生しています。
ミサイル攻撃は5月1日と5月13日に発生しています。5月1日には東部のドニプロペトロウシク州パブログラードに所在する旧ソ連ミサイル固体燃料保管施設、もう一つ5月13日には西部フメリニツキー州のテルノビリに所在するロケット廃棄場です。ロシア国内ではウクライナ軍兵器集積場を破壊したとする意見がありますが、確認されていません。
旧ソ連ミサイル廃棄施設に対する相次ぐ攻撃は何らかの意図が考えられます、一つは“ロシア側は本気でウクライナに大量破壊兵器があると信じている”、もう一つは“大規模な爆発を引き起こし偽情報を流す”、または“軍が大統領に報告する見栄えの良い標的を狙った”というものです。なお、ウクライナ軍によるこれら物資の軍事転用は確認されていません。
イギリス戦争研究所は5月14日の報告書において最近のロシア軍ミサイル攻撃について“戦略目標を明確に確定した”と皮肉交じりに分析しています。具体的には、2022年2月から2023年3月にかけて、発電所やアパートに美術館や学校など、よくわからない目標に対して高価な巡航ミサイルを用いた攻撃を行っていました。これが変わりつつある。
ロシア軍は新しい軍事目標として兵器工場や軍用物資集積所など軍事目標に対する攻撃を開始し、ウクライナの戦争遂行能力を削ぐ行動に出ています。ただイギリス戦争研究所はもちろん、世界中の有識者にとり解明できない謎は、ウクライナ軍を攻撃せずに何を攻撃していたのか、という不可解さです。本来は最初に攻撃すべき目標なのですから、ね。
ロシアウクライナ戦争について、ロシア軍は地上軍に大きな損耗を強いられ、黒海艦隊にもかなりの損害が及んでいますが、航空宇宙軍の航空機は大半が無傷です。ただ、長距離巡航ミサイルについては2022年2月から一年間で大半を射耗しており、追加生産が完了したものを備蓄しこの一週間は使用数が急激に増えた、今後の空軍攻勢については未知数となっている。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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