■日本の長期化と医療自壊顕在化
我が国では国家緊急事態宣言と共に感染は横ばい、しかし間もなく迎える大型連休が大袈裟ではなく国家の運命さえ左右しかねない状況です。
世界270万4934名が感染、ロイター通信が23日までの感染状況を纏めました。日本国内の感染者数は1万2724名、NHKが本日1755時に報道した数字です。日本全土へ国家緊急事態宣言が発令中ではありますが、よく抑えている方だとは思う、一日の感染者数は4月11日の719名が最大で昨日23日は436名、まさに横ばいといえるきわどい状況が続く。
武漢ウィルス研究所、中国科学院武漢病毒所、アメリカはこの研究所への疑惑の目を向けています。武漢市山間部に置かれる研究所はCCVCC中国国家ウィルス培養物保存センターがおかれており、中国政府によれば施設には1500種を越えるウィルスを研究用に培養保存しており、その規模でアジア最大、2015年にはレベル4病原菌管理施設が完成しました。
BSL-4,レベル4病原体とはバイオセーフティレベル4の極めて危険な病原体を示し、エボラウィルス、マールブルグウィルス、クリミアコンゴ熱ウィルス、天然痘ウィルスなどを示します。レベル4ウィルスは研究室から研究資材はもちろん換気扇排水溝から漏洩しないよう徹底した安全策が求められ中国ではレベル4ウィルス用施設はこのほか一カ所のみ。
農業科学院ハルピン獣医研究所と武漢ウィルス研究所のみがレベル4施設です。しかし、研究所があれば即座に漏洩するほど甘いものではなく、日本にもレベル4施設は新宿の国立感染症研究所、筑波の理化学研究所筑波研究所、長崎の長崎大学感染症共同研究拠点、三カ所があります。しかし、管理厳重で新宿や筑波に長崎で漏洩事故は過去にありません。
中国が生物兵器として開発していた新型ウィルスが武漢近郊の研究施設から漏洩し武漢市内で蔓延した、これは発生当初から陰謀論として一部オカルト愛好家の間では囁かれていました。しかし、アメリカではワシントンポストとFOXニュースが匿名情報源の情報として報じ、最初の感染者は武漢ウィルス研究所所員で、ここから住民へ広がったと報じた。
中国政府はこの報道を強く否定しています。武漢ウィルス研究所副所長兼レベル4ウィルス実験室長がアメリカの科学専門誌サイエンティフィックアメリカン誌のインタビューに応じた際、今回のCOVID-19はこれまで収集したどのウィルスとも異なる、としています。そしてこの施設は容易に漏洩するものではなくフランス企業の支援で建設されています。
コウモリのウィルスが先ずセンザンコウ、絶滅危惧動物のセンザンコウへ感染拡大し、センザンコウを中国では漢方薬原料として用いていることから漢方原料を扱う武漢海鮮市場にてセンザンコウより人間へ感染し爆発的な感染力と致死率を有する事となった、この点は中国が発表し世界も同意しています。しかし上記一部報道は研究試薬が原因としている。
海鮮市場が原因ではない可能性が。これはイギリスの医学専門誌ランセット誌に中国科学者チームが発表した論文に記されており、其処には武漢にて世界で初めて新型ウィルスに感染した感染者41名のうち、13名が武漢海鮮市場や市場関係者と無関係であったことを分析結果として発表しており、研究所漏洩説への憶測を変な形で裏付けてしまいました。
アメリカ政府の反応は、ポンペイオ国務長官が22日、中国政府に対して武漢ウィルス研究所への査察受け入れを了解するよう、圧力をかけています。中国政府はこの要求に激しく反論しているとしたうえでポンペイオ長官は原子力施設への査察受入を中国が行っている事を引き合いに出した上で、特に初期検体データを中国が発表しないことに懸念を示した。
実際のところ生物兵器としてコロナウィルスの特性は意味も持ちません、故にこのCOVID-19が生物兵器として開発された可能性は軍事的に考えた場合、遅効性過ぎて軍事的に意味が薄く感染力が強すぎて制御不能、制御不能である兵器には意味がありません、故にCOVID-19が中国が生物兵器として極秘開発されたものでは、ないと考えるのですが。
トランプ政権は、しかしポンペイオ国務長官の発言をみた場合でも、研究所から漏洩した可能性は示唆していますが、生物兵器として開発された可能性には言及していません。一方で、ウィルスにより生じた世界の混乱に対して、ウィルスの実態を隠すともとれる行動により、拡散した後の世界の混乱を自国の利益へ転じようとする懸念は示しています。
米中対立へ展開する懸念、実のところCOVID-19は生物兵器で無いとしても、初期の検体を国際社会に公表せず危険性を曖昧なものとした上で世界の警戒態勢に十分な対応を執らせず感染拡大を誘発した、そして感染拡大の混乱に乗じ世界政治の根幹へ揺さぶりをかけている現状、いわば不信感の醸成というものが、次の事態の懸念ともいえるでしょう。
新型肺炎、長期戦を覚悟しなければならないようです、こう表現しますとみなさまはどの程度の日数を思い浮かべられるでしょうか。アメリカニューヨーク州のクオモ知事は現在の感染拡大が横ばいになり最悪ではないという意味で峠を越した、との表現を示しています。現在アメリカの死者数は4万7000名、峠を越せば同数程度しか増えない、ということ。
CDCアメリカ疾病対策センターは、今回のアメリカにおける流行は一段落の道筋が見えていますが、今年秋から感染が再度広がる可能性があり、感染拡大の時期がインフルエンザ流行の時期と重なることからインフルエンザ治療へも影響し現在よりも酷い状況となりうる懸念を示しました。日本も現在の感染拡大とは別の長期戦、考えるべきでしょう。
サイトカインストーム、新しい懸念です。サイトカインストームとは聞き慣れない言葉ですが二度蜂に刺された場合のアレルギー反応暴走によるショック死と似たもので、世界中でのCOVID-19への治療から判明したのがCOVID-19が肺に付着しますと短時間で免疫系へ攻撃を繰り返し、免疫反応が暴走、肺全体が炎症を引き起こし呼吸不能になるという。
サイトカインは免疫過剰物質、出ないとウィルスから人体を守れませんが炎症を起こし暴走するとショック死する、サイトカインストームは要するに肺炎がウィルス増殖ではなく免疫反応により一気に不随となるため、このCOVID-19重篤患者で医師がもっとも警鐘を鳴らすのは、サイトカインストームが突発的に発生するため、突如悪化する点だ、と。
軽症患者が突如重篤化して人工呼吸器装着までの数十分で呼吸不能となり死亡する、中国武漢では通行人が行き倒れのように死亡している映像が報じられ真偽不明となりましたが、日本でも先日、埼玉県で軽症として自宅療養中の感染者の患者が突然死しました。サイトカインストームを考えた場合、軽症者自宅療養原則は危険といえるのかもしれません。
日本では恐らく医療崩壊は起きません、政府が強制しないかぎり起きない、安心してください。何故ならば医療崩壊しないようになっているからです、軽症ということで重篤患者に種別されるべき患者も引き取り拒否もしくは調整中という言葉で入院まで待ってください、いま満床なので、院内感染が起きそうなのです、医療崩壊は現場が回避するでしょう。
医療自壊、現在起きているのはこれです、医療次回といっても良い。医療自壊とは、医療崩壊を起こすことを回避するために医療機関が自ら患者受け入れを中止し、患者放棄というべき状況を自ら醸成し医療機能が自壊することを意味します。埼玉県の実例はこれにあたり、感染懸念の患者を救急車でたらいまわしとしているものも、医療自壊にあたる。
医療次回、医療自壊はこう言い換えられるものでして、現在は受け入れられないので次回に、となるもの。少なくとも上記のサイトカインストーム懸念を考えるならば軽症患者を自宅待機させることは非常に危険なのですが、院内感染懸念、これは防護装備不足によるものだ、こうした観点から絶対安全が確保できない場合、医療が患者を受入れていません。
国に瑕疵が無いとはいいません、病院統廃合という厚生労働省の政策があるためです。政府は昨年、地方病院統廃合の具体的数字として余剰となる13万床を統廃合で長期的に削減する施策を示していました。これは少子高齢化と地方過疎化を背景にドクターヘリ普及により地方病院を拠点病院に集約した場合でも医療は維持しえる、という見通しにもとづく。
地域医療構想、政府は2019年9月に官民併せて13万の病床削減を行わなければ長期的な医療崩壊を招くとして特に昨年には公立病院の統廃合を示し具体的病院名を示したことで、特に統廃合対象として挙げられた地方病院周辺住民では大きな不安と反論が示されました、実際、ヘリコプター維持費などを考えますと広域搬送は非常にリスクと費用も大きい。
感染病床9060床から1869床へ。現在全国に感染症病床は1869床しかありませんが、1998年には9060床あった、しかし医療効率化の影響で厚生労働省は感染症病床を八割削減した構図です。保健所なども平成時代の間に、特に2003年SARS流行時と比較し半減、これがPCR検査態勢の遅れの背景となっていますが、患者を引受ける病床削減も深刻なのですね。
医療自壊、しかし、院内感染を回避するという意味でも医療崩壊を回避するという意味でも、患者を引き受けないという施策は成り立ちません、医療自壊でも医療崩壊でも、それは医療従事者の視点であって、結果論としての患者の待遇は、治療を受けられない、ここで一致するのですから、人員増強という視点、平時から有事への切替えが不可欠でしょう。
医療崩壊を回避する為に受け入れられない患者がサイトカインストームでの突然死リスクに晒される、これでは本末転倒です。特に院内感染であっても極論で感染した場合は免疫が形成される為、重篤の場合をのぞき感染した医療従事者であっても、院内全域がウィルス汚染下でも治療を続ける、これは北イタリアとニューヨークの現状です。日本はどうか。
医療自壊により医療崩壊を回避するという本末転倒となる状況を回避するためには、結局のところ即席で医療従事者を緊急養成する、修業短縮と国家試験免除、そして総力戦で日本国内の製造業を総動員し医療器材、防護服と代用品、人工呼吸器や体外人工肺装置ECMOの量産を進めなければ、長期戦といいつつ今年の冬に第二波が来た場合、懸念が残ります。
国家緊急事態宣言。日本では現在、法的な国家緊急事態宣言により医療資材の集約に関する接収や私有財産一部の病院転用、そして強制力こそ有しませんが法的な自粛要請を施設使用や外出通勤に対して求められる体制を目下5月6日までの期間、継続する方針です。そして現在、5月6日期限の緊急事態宣言を延長するか否かの判断を五月初旬に行う見込み。
都市封鎖、欧州各国は都市封鎖により大規模感染を阻止する試みを続けており、それでも感染拡大をくい止められない状況が継続しています。ただ、日本型法的自粛よりは経済への影響が甚大であり、終息前の収束兆候により封鎖解除を行うか、経済破綻が長期化する覚悟で終息まで封鎖維持か、現在欧州では生きるか死ぬか真剣な議論が続けられています。
治療薬とワクチン、おそらくどちらかが完成したならば、終息の道筋が見えてくるでしょう。治療薬は感染した場合に投与し快復させるもの、ワクチンは予防接種に用いるもので感染させないもの。感染してからワクチン投与した場合、インフルエンザ予防接種を感染後に行っても無意味なように治りませんが、予防により感染拡大を阻止することはできる。
法的自粛の難点は遮断ではなく拡大防止に重点が置かれているために終息は集団免疫獲得、ワクチンで獲得するか自然感染で生存者が獲得するか、という長期的な展開をまつ必要があり、実のところ今年一杯かかる、というよりもワクチンが普及して季節病に収斂するまで、例えば2021年にめどがつくのか2020年代一杯かかるのか、まったくわかりません。
ワクチン開発は世界で100の企業や研究期間が実施しています。例えば23日よりイギリスオックスフォード大学での実施など治験が開始されましたが、早ければ9月に結果がでるという。しかし世界数十億の量産は更に先だ。副作用が出る可能性もあれば接種により免疫を獲得できず予防接種でも感染する懸念がある、そのための治験が進んでいる、という。
アビガン。子供が一部奇形となる深刻な副作用はありますが、新型インフルエンザ治療薬としてフジフィルムが開発した治療薬が現在のところ感染者への一つの選択肢となっていまして、政府は200万名分の量産を急いでいます、ただ、上掲の通り催奇性、胎児の一部が奇形となる副作用があり、大量投与は安全性の面で深刻な薬害となり得る引き替え。
レムデシビル、これこそ既存薬で画期的な新型コロナウィルス治療薬、と世界保健機関WHOが発表した薬品は中国で158名に試験投与を実施しましたが18名が深刻な副作用で治験中止となり、治験者のCOVID-19致死率は13.9%、対して別の対照薬を投与した治験者の致死率は12.8%であったため、極論で治療薬投与は致死率を高めただけ、とのこと。
長期的対策は政治の準備や医療体制の転換も必要ですが、個々の企業でも感染対策を思い切って転換させる必要があります。感染拡大防止には結局のところ、企業活動一つとっても来月には沈静化する前提でのテレワーク導入見送り、という期待先行の消極的対策では、収拾不能の感染爆発が各所で発生し都市封鎖が行われますと事業存続も不能となります。
長期戦となります、治療薬は効果なしか副作用、ワクチンは開発から治験に移る段階であり、日本国内でのワクチン治験は感染者が先進国の中でも少ないために限界があり、一回で免疫を獲得できるのか二回接種が必要なのか、風疹ワクチンのように三回接種が必要なのか、三回必要ならば全国民分で5億回分必要だ。故に長期戦は年単位の覚悟、必要です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
我が国では国家緊急事態宣言と共に感染は横ばい、しかし間もなく迎える大型連休が大袈裟ではなく国家の運命さえ左右しかねない状況です。
世界270万4934名が感染、ロイター通信が23日までの感染状況を纏めました。日本国内の感染者数は1万2724名、NHKが本日1755時に報道した数字です。日本全土へ国家緊急事態宣言が発令中ではありますが、よく抑えている方だとは思う、一日の感染者数は4月11日の719名が最大で昨日23日は436名、まさに横ばいといえるきわどい状況が続く。
武漢ウィルス研究所、中国科学院武漢病毒所、アメリカはこの研究所への疑惑の目を向けています。武漢市山間部に置かれる研究所はCCVCC中国国家ウィルス培養物保存センターがおかれており、中国政府によれば施設には1500種を越えるウィルスを研究用に培養保存しており、その規模でアジア最大、2015年にはレベル4病原菌管理施設が完成しました。
BSL-4,レベル4病原体とはバイオセーフティレベル4の極めて危険な病原体を示し、エボラウィルス、マールブルグウィルス、クリミアコンゴ熱ウィルス、天然痘ウィルスなどを示します。レベル4ウィルスは研究室から研究資材はもちろん換気扇排水溝から漏洩しないよう徹底した安全策が求められ中国ではレベル4ウィルス用施設はこのほか一カ所のみ。
農業科学院ハルピン獣医研究所と武漢ウィルス研究所のみがレベル4施設です。しかし、研究所があれば即座に漏洩するほど甘いものではなく、日本にもレベル4施設は新宿の国立感染症研究所、筑波の理化学研究所筑波研究所、長崎の長崎大学感染症共同研究拠点、三カ所があります。しかし、管理厳重で新宿や筑波に長崎で漏洩事故は過去にありません。
中国が生物兵器として開発していた新型ウィルスが武漢近郊の研究施設から漏洩し武漢市内で蔓延した、これは発生当初から陰謀論として一部オカルト愛好家の間では囁かれていました。しかし、アメリカではワシントンポストとFOXニュースが匿名情報源の情報として報じ、最初の感染者は武漢ウィルス研究所所員で、ここから住民へ広がったと報じた。
中国政府はこの報道を強く否定しています。武漢ウィルス研究所副所長兼レベル4ウィルス実験室長がアメリカの科学専門誌サイエンティフィックアメリカン誌のインタビューに応じた際、今回のCOVID-19はこれまで収集したどのウィルスとも異なる、としています。そしてこの施設は容易に漏洩するものではなくフランス企業の支援で建設されています。
コウモリのウィルスが先ずセンザンコウ、絶滅危惧動物のセンザンコウへ感染拡大し、センザンコウを中国では漢方薬原料として用いていることから漢方原料を扱う武漢海鮮市場にてセンザンコウより人間へ感染し爆発的な感染力と致死率を有する事となった、この点は中国が発表し世界も同意しています。しかし上記一部報道は研究試薬が原因としている。
海鮮市場が原因ではない可能性が。これはイギリスの医学専門誌ランセット誌に中国科学者チームが発表した論文に記されており、其処には武漢にて世界で初めて新型ウィルスに感染した感染者41名のうち、13名が武漢海鮮市場や市場関係者と無関係であったことを分析結果として発表しており、研究所漏洩説への憶測を変な形で裏付けてしまいました。
アメリカ政府の反応は、ポンペイオ国務長官が22日、中国政府に対して武漢ウィルス研究所への査察受け入れを了解するよう、圧力をかけています。中国政府はこの要求に激しく反論しているとしたうえでポンペイオ長官は原子力施設への査察受入を中国が行っている事を引き合いに出した上で、特に初期検体データを中国が発表しないことに懸念を示した。
実際のところ生物兵器としてコロナウィルスの特性は意味も持ちません、故にこのCOVID-19が生物兵器として開発された可能性は軍事的に考えた場合、遅効性過ぎて軍事的に意味が薄く感染力が強すぎて制御不能、制御不能である兵器には意味がありません、故にCOVID-19が中国が生物兵器として極秘開発されたものでは、ないと考えるのですが。
トランプ政権は、しかしポンペイオ国務長官の発言をみた場合でも、研究所から漏洩した可能性は示唆していますが、生物兵器として開発された可能性には言及していません。一方で、ウィルスにより生じた世界の混乱に対して、ウィルスの実態を隠すともとれる行動により、拡散した後の世界の混乱を自国の利益へ転じようとする懸念は示しています。
米中対立へ展開する懸念、実のところCOVID-19は生物兵器で無いとしても、初期の検体を国際社会に公表せず危険性を曖昧なものとした上で世界の警戒態勢に十分な対応を執らせず感染拡大を誘発した、そして感染拡大の混乱に乗じ世界政治の根幹へ揺さぶりをかけている現状、いわば不信感の醸成というものが、次の事態の懸念ともいえるでしょう。
新型肺炎、長期戦を覚悟しなければならないようです、こう表現しますとみなさまはどの程度の日数を思い浮かべられるでしょうか。アメリカニューヨーク州のクオモ知事は現在の感染拡大が横ばいになり最悪ではないという意味で峠を越した、との表現を示しています。現在アメリカの死者数は4万7000名、峠を越せば同数程度しか増えない、ということ。
CDCアメリカ疾病対策センターは、今回のアメリカにおける流行は一段落の道筋が見えていますが、今年秋から感染が再度広がる可能性があり、感染拡大の時期がインフルエンザ流行の時期と重なることからインフルエンザ治療へも影響し現在よりも酷い状況となりうる懸念を示しました。日本も現在の感染拡大とは別の長期戦、考えるべきでしょう。
サイトカインストーム、新しい懸念です。サイトカインストームとは聞き慣れない言葉ですが二度蜂に刺された場合のアレルギー反応暴走によるショック死と似たもので、世界中でのCOVID-19への治療から判明したのがCOVID-19が肺に付着しますと短時間で免疫系へ攻撃を繰り返し、免疫反応が暴走、肺全体が炎症を引き起こし呼吸不能になるという。
サイトカインは免疫過剰物質、出ないとウィルスから人体を守れませんが炎症を起こし暴走するとショック死する、サイトカインストームは要するに肺炎がウィルス増殖ではなく免疫反応により一気に不随となるため、このCOVID-19重篤患者で医師がもっとも警鐘を鳴らすのは、サイトカインストームが突発的に発生するため、突如悪化する点だ、と。
軽症患者が突如重篤化して人工呼吸器装着までの数十分で呼吸不能となり死亡する、中国武漢では通行人が行き倒れのように死亡している映像が報じられ真偽不明となりましたが、日本でも先日、埼玉県で軽症として自宅療養中の感染者の患者が突然死しました。サイトカインストームを考えた場合、軽症者自宅療養原則は危険といえるのかもしれません。
日本では恐らく医療崩壊は起きません、政府が強制しないかぎり起きない、安心してください。何故ならば医療崩壊しないようになっているからです、軽症ということで重篤患者に種別されるべき患者も引き取り拒否もしくは調整中という言葉で入院まで待ってください、いま満床なので、院内感染が起きそうなのです、医療崩壊は現場が回避するでしょう。
医療自壊、現在起きているのはこれです、医療次回といっても良い。医療自壊とは、医療崩壊を起こすことを回避するために医療機関が自ら患者受け入れを中止し、患者放棄というべき状況を自ら醸成し医療機能が自壊することを意味します。埼玉県の実例はこれにあたり、感染懸念の患者を救急車でたらいまわしとしているものも、医療自壊にあたる。
医療次回、医療自壊はこう言い換えられるものでして、現在は受け入れられないので次回に、となるもの。少なくとも上記のサイトカインストーム懸念を考えるならば軽症患者を自宅待機させることは非常に危険なのですが、院内感染懸念、これは防護装備不足によるものだ、こうした観点から絶対安全が確保できない場合、医療が患者を受入れていません。
国に瑕疵が無いとはいいません、病院統廃合という厚生労働省の政策があるためです。政府は昨年、地方病院統廃合の具体的数字として余剰となる13万床を統廃合で長期的に削減する施策を示していました。これは少子高齢化と地方過疎化を背景にドクターヘリ普及により地方病院を拠点病院に集約した場合でも医療は維持しえる、という見通しにもとづく。
地域医療構想、政府は2019年9月に官民併せて13万の病床削減を行わなければ長期的な医療崩壊を招くとして特に昨年には公立病院の統廃合を示し具体的病院名を示したことで、特に統廃合対象として挙げられた地方病院周辺住民では大きな不安と反論が示されました、実際、ヘリコプター維持費などを考えますと広域搬送は非常にリスクと費用も大きい。
感染病床9060床から1869床へ。現在全国に感染症病床は1869床しかありませんが、1998年には9060床あった、しかし医療効率化の影響で厚生労働省は感染症病床を八割削減した構図です。保健所なども平成時代の間に、特に2003年SARS流行時と比較し半減、これがPCR検査態勢の遅れの背景となっていますが、患者を引受ける病床削減も深刻なのですね。
医療自壊、しかし、院内感染を回避するという意味でも医療崩壊を回避するという意味でも、患者を引き受けないという施策は成り立ちません、医療自壊でも医療崩壊でも、それは医療従事者の視点であって、結果論としての患者の待遇は、治療を受けられない、ここで一致するのですから、人員増強という視点、平時から有事への切替えが不可欠でしょう。
医療崩壊を回避する為に受け入れられない患者がサイトカインストームでの突然死リスクに晒される、これでは本末転倒です。特に院内感染であっても極論で感染した場合は免疫が形成される為、重篤の場合をのぞき感染した医療従事者であっても、院内全域がウィルス汚染下でも治療を続ける、これは北イタリアとニューヨークの現状です。日本はどうか。
医療自壊により医療崩壊を回避するという本末転倒となる状況を回避するためには、結局のところ即席で医療従事者を緊急養成する、修業短縮と国家試験免除、そして総力戦で日本国内の製造業を総動員し医療器材、防護服と代用品、人工呼吸器や体外人工肺装置ECMOの量産を進めなければ、長期戦といいつつ今年の冬に第二波が来た場合、懸念が残ります。
国家緊急事態宣言。日本では現在、法的な国家緊急事態宣言により医療資材の集約に関する接収や私有財産一部の病院転用、そして強制力こそ有しませんが法的な自粛要請を施設使用や外出通勤に対して求められる体制を目下5月6日までの期間、継続する方針です。そして現在、5月6日期限の緊急事態宣言を延長するか否かの判断を五月初旬に行う見込み。
都市封鎖、欧州各国は都市封鎖により大規模感染を阻止する試みを続けており、それでも感染拡大をくい止められない状況が継続しています。ただ、日本型法的自粛よりは経済への影響が甚大であり、終息前の収束兆候により封鎖解除を行うか、経済破綻が長期化する覚悟で終息まで封鎖維持か、現在欧州では生きるか死ぬか真剣な議論が続けられています。
治療薬とワクチン、おそらくどちらかが完成したならば、終息の道筋が見えてくるでしょう。治療薬は感染した場合に投与し快復させるもの、ワクチンは予防接種に用いるもので感染させないもの。感染してからワクチン投与した場合、インフルエンザ予防接種を感染後に行っても無意味なように治りませんが、予防により感染拡大を阻止することはできる。
法的自粛の難点は遮断ではなく拡大防止に重点が置かれているために終息は集団免疫獲得、ワクチンで獲得するか自然感染で生存者が獲得するか、という長期的な展開をまつ必要があり、実のところ今年一杯かかる、というよりもワクチンが普及して季節病に収斂するまで、例えば2021年にめどがつくのか2020年代一杯かかるのか、まったくわかりません。
ワクチン開発は世界で100の企業や研究期間が実施しています。例えば23日よりイギリスオックスフォード大学での実施など治験が開始されましたが、早ければ9月に結果がでるという。しかし世界数十億の量産は更に先だ。副作用が出る可能性もあれば接種により免疫を獲得できず予防接種でも感染する懸念がある、そのための治験が進んでいる、という。
アビガン。子供が一部奇形となる深刻な副作用はありますが、新型インフルエンザ治療薬としてフジフィルムが開発した治療薬が現在のところ感染者への一つの選択肢となっていまして、政府は200万名分の量産を急いでいます、ただ、上掲の通り催奇性、胎児の一部が奇形となる副作用があり、大量投与は安全性の面で深刻な薬害となり得る引き替え。
レムデシビル、これこそ既存薬で画期的な新型コロナウィルス治療薬、と世界保健機関WHOが発表した薬品は中国で158名に試験投与を実施しましたが18名が深刻な副作用で治験中止となり、治験者のCOVID-19致死率は13.9%、対して別の対照薬を投与した治験者の致死率は12.8%であったため、極論で治療薬投与は致死率を高めただけ、とのこと。
長期的対策は政治の準備や医療体制の転換も必要ですが、個々の企業でも感染対策を思い切って転換させる必要があります。感染拡大防止には結局のところ、企業活動一つとっても来月には沈静化する前提でのテレワーク導入見送り、という期待先行の消極的対策では、収拾不能の感染爆発が各所で発生し都市封鎖が行われますと事業存続も不能となります。
長期戦となります、治療薬は効果なしか副作用、ワクチンは開発から治験に移る段階であり、日本国内でのワクチン治験は感染者が先進国の中でも少ないために限界があり、一回で免疫を獲得できるのか二回接種が必要なのか、風疹ワクチンのように三回接種が必要なのか、三回必要ならば全国民分で5億回分必要だ。故に長期戦は年単位の覚悟、必要です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
今回の事態は試金石と言えます。日頃から中国のイメージを悪くし、中国を孤立化させ貶めようとする反中主義勢力とそうでない良識ある人々とを峻別する機会となりました。
何等の証拠も示さず憶測でものを書き、反中という意図に沿って行動する国内外の勢力を中国はしっかりと見つめています。
その集団の性質により、何が軍事的に有用かは異なる。
中共支配下の領域では、人命は極度に軽視される。
世界中全ての国で同数の犠牲者が出た場合、一番被害が軽微で済むのは人口が極端に多い中共支配下の領域に他ならない。
中共は新型コロナウイルスの被害者などではありえず、明瞭に単独で責任を有する、文字通りの元凶である。
中共は証拠を隠蔽する。
日頃の行いが悪いのに、尤もらしいことを云っても、何等の説得力も持たない。