北大路機関

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北朝鮮-ICBM大陸間弾道弾級ミサイル実験実施,飛翔時間69分!北海道沖我が国EEZ排他的経済水域内に着弾

2022-11-19 07:01:01 | 防衛・安全保障
■臨時情報-ミサイル防衛
 北朝鮮ミサイル実験の報道には慣れている方が多いのかもしれませんが昨日18日に発射されたものは懸念すべき性能を発揮しています。

 北朝鮮は18日1014時頃、弾道ミサイル発射実験を実施しました。この実験は通常の実験ではなく、アメリカ本土まで到達するICBM大陸間弾道弾であると分析されています。弾道ミサイルは我が国北海道西方のEEZ排他的経済水域内に落下、EEZ内への着弾は8ヶ月ぶりとなりますが、同時に飛翔時間は69分と長く、ICBM級ミサイルと分析されました。

 ミサイル防衛を、日米は更に前進させる必要があるでしょう。ICBM級ミサイルは日本を直接の目標とするものではありませんが、防衛費のGDP比負担率の低い日本は有事の際に同盟国の厚意に頼らねばならない状況です、しかし同盟国アメリカが直接核攻撃の射程内に収まる事は、恫喝を前に日本や韓国への関与を避ける世論が有り得る、この対策です。

 飛翔時間が非常に長く、緊急発進した航空自衛隊戦闘機からは落下する弾道ミサイルが描いたと思われるヴェイパー、戦闘機が機動飛行の際などに大気を撹拌し一時的に発生する雲が日本海上空で確認され、防衛省は戦闘機から撮影した写真を公開しています。弾道ミサイルの痕跡を戦闘機から確認し写真撮影したのも、自衛隊にとりはじめてといえます。

 ICBMと分析された背景にはロフテッド軌道という放物線を非常に高く形成し飛翔する方式を採った為で、これが通常の弾道軌道を描いた場合の飛翔距離は1万5000kmとみられます、射程が1万kmの弾道ミサイルであればサンディエゴやロスアンゼルス、サンフランシスコなどが射程となりますが、1万kmでは大西洋側のアメリカ東海岸へ到達しません。

 今回のミサイルはロフテッド軌道により上昇高度は6000kmに達したようですが、着弾は北海道の西方200kmに着弾、北海道はもちろん我が国周辺を飛行する航空機や船舶への被害は確認されていません。1万5000km、ワシントンDCやニューヨークはもちろん、北米大陸全域から南米大陸北部まで到達し南極大陸さえ射程とする規模となっています。

 韓国軍は18日、在韓米軍とともに対抗演習を実施、北朝鮮の移動式ミサイル発射機を想定した目標に対して精密誘導兵器を投射する訓練を実施、この訓練には韓国空軍のF-35戦闘機4機と在韓米軍のF-16戦闘機4機が参加し、編隊飛行なども実施、示威行為には示威行動で対応するという基本を踏襲しました。今のところ北朝鮮から軍事的反応はありません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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