北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ウクライナ軍ハリコフ正面で総攻撃に成功-ロシア軍大規模撤退,北欧フィンランドはNATO加盟申請方針固める

2022-05-13 07:01:06 | 国際・政治
■臨時情報-ウクライナ情勢
 ズミイヌイ島は規模こそ小さい離島ですがコレヒドール要塞や旅順要塞のような要衝となりつつあるのかもしれません。

 ウクライナ国防省はハリコフ州全域で反撃に転じロシア軍侵攻部隊を大幅に後退させました、この反撃によりロシア軍はハリコフ市域から少なくとも40km以上押し返され、ハリコフ市街がロシア軍砲兵火力の圏外を脱しました。キエフ北方の防衛成功に続き、東部ハリコフでの反撃成功は、ロシア軍が東部重点攻略の要を叩き返した奇跡的な勝利です。

 ロシア軍は一方、ウクライナ南部において侵攻を強化しておりマリウポリ包囲を固め南東地域のアゾフ海沿岸からウクライナ軍掃討を進めるとともに、続いて南西部の要港オデッサ方面へ侵攻の徴候をみせており、オデッサに至る洋上の離島ズミイヌイ島が重要局面をみせているもよう。ズミイヌイ島はロシア軍侵攻初日海軍歩兵が死守覚悟で戦ったところ。

 黒海のズミイヌイ島はウクライナ軍が数度の攻撃を撃退するも艦砲射撃等を受け弾薬枯渇を受け降伏、ロシア軍が占領を続けています。しかし、ウクライナ海軍は黒海艦隊旗艦巡洋艦モスクワを撃沈すると、黒海洋上の防空はズミイヌイ島のロシア軍地対空ミサイルが支えており、ウクライナ軍はこの奪還に向け対艦ミサイルや無人機攻撃を開始しています。

 フィンランドはNATO加盟へ加盟交渉を本格化させます。そして懸念となっていたのは、フィンランドのNATO加盟交渉の最中、同国と国境を接するロシア軍が国境地域での限定侵攻など軍事挑発を強化の懸念がありました、これについてフィンランドを訪問したイギリスのジョンソン首相は、イギリス軍フィンランド駐留も視野に調整を進めているとした。

 フィンランド軍は1930年代から二度に渡るソ連との戦争により、ロシアに対する警戒は高く、ノルディックバランス政策としてNATOともロシアとも等距離外交を展開しつつ、しかし冷戦後も徴兵制を維持し、また沿岸要塞など防御を高い水準で維持しています。他方、長距離打撃力については、イギリス軍などによる協力も必要であるのかもしれません。

 スウェーデンとフィンランドのNATO加盟申請について、イギリス外交当局者の発言をロイター通信が報じたところによれば、NATO首脳会談が来月マドリードにおいて予定されています、このNATO首脳会談は6月28日から30日に掛け実施されるとのことですが、加盟申請承認については、首脳会談前に承認される事は確実であるとも発言が在った、と。

 NATO加盟は実のところ簡単ではありません、ただ、NATOとフィンランド及びスウェーデンはPFP平和のためのパートナーシップとして長い協力関係にあり、またNATO加盟国に求められる国防費GDP比率についてや、装備のNATO標準装備との互換性は確保、指揮官に求められる英語力についても、両国の語学標準能力は高い水準にあるのも事実です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 南西有事-即応予備自衛官とい... | トップ | 令和四年度五月期 陸海空自... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

国際・政治」カテゴリの最新記事