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【京都発幕間旅情】大阪城,海に開かれた大阪-南海トラフ地震では梅田周辺が津波被害に遭うという事前想定

2024-09-25 20:23:09 | 旅行記
■海に開かれた大阪
 大阪は水の都と呼ばれていますがもともと八十島といわれた立地を土地改良により造成した海抜の低い文字通り海に向け開かれた街です。

 大阪の街を飛行機やヘリコプターでみてみますと、地震はともかくとして津波に対して大きな脆弱性があることがわかります、それは中心部梅田と大阪湾が離れているように見えますが、淀川が広い河口を大阪湾に向けて開け放っているための危惧というもの。

 淀川の河口は広く大阪湾に向けられていますが、梅田の北側で大きく曲がっています、ここに津波が侵入しますと直進しようとする津波が新大阪と大阪駅の中間部分の屈曲点で正面からぶつかり、堤防を乗り越える懸念が生じるのですね、ここから堤防は低い。

 湾内はもうひとつ、大阪港埋め立てにより津波の速度をそぐ、そぐといってもその地形上に多くの市民が生活を営んでいる地形、地形上の利点はあるとはいえ、中之島も迂回した津波の直撃を受ける立地にありまして、津波に対してあまりに無防備だ。

 石山といわれた丘陵地に築城された大坂城は、そういう意味で津波から直撃を免れる立地にありまして、ここを選んだ秀吉はなかなか先見の明があったのだなあ、と。いや、石山本願寺をここにたてた顕如さんの見立てなのか、今見ても関心させられるのです。

 南海トラフ地震が発生した場合、紀伊水道を加太淡路の由良水道へ津波が到達した場合は確実に大阪湾内に津波が侵入します。航空機から大阪の街を眼下に望んだ際には、ここ、津波対策は高層ビルと高架道路を結ぶ垂直避難しか方法は無いように思えてきて。

 神戸はどうか、といわれますと市街地が傾斜地にあるので、摩耶と六甲にそって少し移動するだけで急激に標高が上がります、ここはちなみにJRや阪神阪急線をこえたあたりで勾配がでてきますので、散策してふと後ろを振り返ると高低差に驚くことがおおい。

 顕如さんや秀吉さんはおそらく南海トラフ地震まで考えたようには思えません、大阪城築城前の天正地震では津波被害はそれほどでも無い、ほかの被害が大きすぎたという理由はあるのでしょうけれども。しかし立地は奇跡的なまでに配慮されていたといえる。

 東日本大震災、懸念してしまうのは長周期震動などの影響も未知数なのですが、東日本大震災が発災した2011年、主要駅や公共建築物は安全確認のために利用者を外に出すことで対策官僚としていたのですね、これにより大量の避難民滞留が起こっています。

 東急電鉄などは避難民を全部駅の外に出して駅を閉鎖して無事終了、としたことがのちに東京都の小池知事に非難されることとなりましたが、大阪で、津波の来る路上に多くの避難民を出した場合はそのまま押し流されることになりかねない、ということ。

 梅田まで津波が来る、というのは大阪市が2012年に作成した南海トラフ地震ハザードマップに示されているところです。じゃあ大変だ駅に収容しよう、と阪神電鉄が覚悟を決めると、阪神梅田は地下駅なので映画の"地震列島"のように大変なことになるのだが。

 地震列島、1980年の東宝映画で首都直下型地震が舞台となっていましたが、丸ノ内線が水没する描写が当時の営団地下鉄、今の東京メトロに相当非難された。同じような描写があった"逮捕しちゃうぞSECONDSEASON"ではそんなにいわれなかったのだけれども。

 上町台地や大坂城まで徒歩で移動できることが望ましいのですが、何にもかににも大阪市の人口を考えると、由良水道を津波が超えるまでに全市民避難させるということはあまりに非現実的です、すると垂直避難と高層避難所間の移動を考えねばなりません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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