■防衛フォーラム
今回は海上自衛隊と海上防衛関連の最新情報を纏めました。
海上自衛隊は護衛艦かが改修工事を完了したもようです。これは2023年10月10日、海上自衛隊第4護衛隊群が護衛艦かが改修工事に際し、艦番号184と護衛艦かが艦名筆入れを行ったと公式SNSにおいて発表したもので、本来定期整備などに際しては再塗装などのために艦番号と艦名は一時的に消される事から、再明記は工事完了を意味します。
かが改修工事の主眼はF-35B戦闘機運用能力付与のための飛行甲板形状の変更であり、このために2022年3月にジャパンマリンユナイテッド呉事業所に入渠、飛行甲板形状、特に艦首部分の形状変更や甲板強度などの特別改造が実施、その期間は一年半に及び、今後アメリカ本土での本格的なF-35B着艦誘導能力認証試験に臨むこととなります。
いずも型ヘリコプター搭載護衛艦である護衛艦かが、基準排水量19500tであり海上自衛隊最大級の護衛艦となっていますが、今回の飛行甲板拡張工事により艦首部分は第二次大戦中のエセックス級空母を彷彿とさせる形状となり、またこのぶん船体重量も増大していることから必然的に、その満載排水量についても増大しているものと考えられます。
■潜水艦らいげい進水式
潜水艦に瑞祥動物というのは名前に限界があるように思いまして思い切って港湾名とかを冠してみてはどうかと思うのです。まいずる、とかスターシップオペレーターズみたいですが。
海上自衛隊が導入する新潜水艦らいげい進水式が挙行されました。らいげい、その進水式は10月17日に川崎重工神戸工場において挙行、この際に命名式が執り行われ新潜水艦來迎、と命名されています。らいげい、過去の海上自衛隊艦船や旧海軍の艦名には無いもので雷鯨と感じでは明記するとのこと。川崎重工が戦後建造潜水艦は31隻となりました。
らいげい、リチウムイオン電池方式潜水艦として建造された潜水艦たいげい型の4番艦となります。たいげい型潜水艦4番艦として、機関部が改良されていて、これまでの同型艦はV型12気筒の川崎重工業12V 25/25SB型ディーゼルエンジン2基を搭載してきましたが本艦は新型の川崎12V 25/31型ディーゼルエンジン1基搭載となっています。
たいげい型潜水艦の中でも新エンジン搭載とともにスノーケル吸排気装置が新型となっていて、外見上の識別点となるのでしょう。建造費は702億円、乗員は70名で設計上の配慮として女性自衛官区画が追加され最大6名までの女性自衛官が乗員として乗艦できます。そうりゅう型潜水艦とともに潜水艦隊主力を構成、おやしお型潜水艦の後継となります。
■レールガン発射試験
最先端装備にお壊れるかもしれませんが昭和の時代からの技術開発が実っただけです。
防衛装備庁は海上での世界初となるレールガン発射試験に成功しました。これは10月17日に防衛装備庁が発表した試験映像動画に示されたもので、防衛装備庁は“従来の火砲を凌駕する高速度の弾丸で空や海上の脅威から艦艇を守るためレールガンの早期実用化を推進”と研究成果を強調しています。レールガンはリニアリコイルにより弾薬を発射する。
レールガン開発がわが国で本格化したのは昭和62年度計画、防衛省防衛装備庁の前進となる防衛庁技術研究本部が将来高射機関砲として研究を進めていたもので、元々の試験砲は2gのアルミペレットを極超音速で射出するもの、理論上は亜光速まで加速し得るとともに、弾薬と異なり火薬残渣による砲基部清掃も不要であり、整備性の利点がありました。
海上自衛隊ではレールガンを防空用などに用い、特に近年脅威度が高まっている極超音速兵器などへの迎撃手段として期待されています。開発開始は昭和62年度、つまり1987年ではありますが、この分野の装備開発は各国とも時間をかけており、途中での中断を回避でき継続できた、技術研究本部時代からまさに“継続は力なり”ということなのでしょう。
■高射機関砲の代替装備
自衛隊はレールガンを対艦用に用いる構想も。
防衛装備庁の世界初のレールガン洋上発射試験、防衛装備庁のレールガンは高射機関砲として開発が開始、ハリウッド映画の“イレイザー”に描かれたものに近い装備です、しかし世界各国のレールガン開発は先行したアメリカと中国は榴弾砲や艦砲として開発していた為、弾薬の重さから技術的障壁が大きく早々に開発を断念するか遅延した背景がある。
しかし、防衛装備庁のレールガン開発は開始こそ高射機関砲の代替装備として構成要素研究が行われていますが、野砲としてのレールガン開発が防衛装備庁陸上装備研究所において進められています、現状では陸上配備型レールガンは動力供給用の発電コンテナ数基を必要とするものですが、利点として発射薬を用いる野砲よりも高初速が見込める特色が。
高速度弾丸、という新しい対艦装備として陸上装備研究所はレールガンを位置付けており、これは艦対空ミサイルなどではレールガンの弾丸を迎撃することは不可能、またレーザー砲などと異なり低伸弾道を描いて射程を得ることができ、構造上炸薬などは充填できませんが、迎撃不能な弾丸で敵艦艇を貫徹し破壊することは可能で、研究を進めています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
今回は海上自衛隊と海上防衛関連の最新情報を纏めました。
海上自衛隊は護衛艦かが改修工事を完了したもようです。これは2023年10月10日、海上自衛隊第4護衛隊群が護衛艦かが改修工事に際し、艦番号184と護衛艦かが艦名筆入れを行ったと公式SNSにおいて発表したもので、本来定期整備などに際しては再塗装などのために艦番号と艦名は一時的に消される事から、再明記は工事完了を意味します。
かが改修工事の主眼はF-35B戦闘機運用能力付与のための飛行甲板形状の変更であり、このために2022年3月にジャパンマリンユナイテッド呉事業所に入渠、飛行甲板形状、特に艦首部分の形状変更や甲板強度などの特別改造が実施、その期間は一年半に及び、今後アメリカ本土での本格的なF-35B着艦誘導能力認証試験に臨むこととなります。
いずも型ヘリコプター搭載護衛艦である護衛艦かが、基準排水量19500tであり海上自衛隊最大級の護衛艦となっていますが、今回の飛行甲板拡張工事により艦首部分は第二次大戦中のエセックス級空母を彷彿とさせる形状となり、またこのぶん船体重量も増大していることから必然的に、その満載排水量についても増大しているものと考えられます。
■潜水艦らいげい進水式
潜水艦に瑞祥動物というのは名前に限界があるように思いまして思い切って港湾名とかを冠してみてはどうかと思うのです。まいずる、とかスターシップオペレーターズみたいですが。
海上自衛隊が導入する新潜水艦らいげい進水式が挙行されました。らいげい、その進水式は10月17日に川崎重工神戸工場において挙行、この際に命名式が執り行われ新潜水艦來迎、と命名されています。らいげい、過去の海上自衛隊艦船や旧海軍の艦名には無いもので雷鯨と感じでは明記するとのこと。川崎重工が戦後建造潜水艦は31隻となりました。
らいげい、リチウムイオン電池方式潜水艦として建造された潜水艦たいげい型の4番艦となります。たいげい型潜水艦4番艦として、機関部が改良されていて、これまでの同型艦はV型12気筒の川崎重工業12V 25/25SB型ディーゼルエンジン2基を搭載してきましたが本艦は新型の川崎12V 25/31型ディーゼルエンジン1基搭載となっています。
たいげい型潜水艦の中でも新エンジン搭載とともにスノーケル吸排気装置が新型となっていて、外見上の識別点となるのでしょう。建造費は702億円、乗員は70名で設計上の配慮として女性自衛官区画が追加され最大6名までの女性自衛官が乗員として乗艦できます。そうりゅう型潜水艦とともに潜水艦隊主力を構成、おやしお型潜水艦の後継となります。
■レールガン発射試験
最先端装備にお壊れるかもしれませんが昭和の時代からの技術開発が実っただけです。
防衛装備庁は海上での世界初となるレールガン発射試験に成功しました。これは10月17日に防衛装備庁が発表した試験映像動画に示されたもので、防衛装備庁は“従来の火砲を凌駕する高速度の弾丸で空や海上の脅威から艦艇を守るためレールガンの早期実用化を推進”と研究成果を強調しています。レールガンはリニアリコイルにより弾薬を発射する。
レールガン開発がわが国で本格化したのは昭和62年度計画、防衛省防衛装備庁の前進となる防衛庁技術研究本部が将来高射機関砲として研究を進めていたもので、元々の試験砲は2gのアルミペレットを極超音速で射出するもの、理論上は亜光速まで加速し得るとともに、弾薬と異なり火薬残渣による砲基部清掃も不要であり、整備性の利点がありました。
海上自衛隊ではレールガンを防空用などに用い、特に近年脅威度が高まっている極超音速兵器などへの迎撃手段として期待されています。開発開始は昭和62年度、つまり1987年ではありますが、この分野の装備開発は各国とも時間をかけており、途中での中断を回避でき継続できた、技術研究本部時代からまさに“継続は力なり”ということなのでしょう。
■高射機関砲の代替装備
自衛隊はレールガンを対艦用に用いる構想も。
防衛装備庁の世界初のレールガン洋上発射試験、防衛装備庁のレールガンは高射機関砲として開発が開始、ハリウッド映画の“イレイザー”に描かれたものに近い装備です、しかし世界各国のレールガン開発は先行したアメリカと中国は榴弾砲や艦砲として開発していた為、弾薬の重さから技術的障壁が大きく早々に開発を断念するか遅延した背景がある。
しかし、防衛装備庁のレールガン開発は開始こそ高射機関砲の代替装備として構成要素研究が行われていますが、野砲としてのレールガン開発が防衛装備庁陸上装備研究所において進められています、現状では陸上配備型レールガンは動力供給用の発電コンテナ数基を必要とするものですが、利点として発射薬を用いる野砲よりも高初速が見込める特色が。
高速度弾丸、という新しい対艦装備として陸上装備研究所はレールガンを位置付けており、これは艦対空ミサイルなどではレールガンの弾丸を迎撃することは不可能、またレーザー砲などと異なり低伸弾道を描いて射程を得ることができ、構造上炸薬などは充填できませんが、迎撃不能な弾丸で敵艦艇を貫徹し破壊することは可能で、研究を進めています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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