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中国軍機領空侵犯!中国空軍Y-9情報収集機1機が長崎県五島市の島嶼部男女群島付近で領空侵犯

2024-08-28 07:00:52 | 防衛・安全保障
■領空侵犯-8月26日1129時
 中国軍機による史上初の領空侵犯事案が発生しました。

 8月26日1129時、中国空軍のY-9情報収集機1機が長崎県五島市の島嶼部、男女群島付近において2分間いわたり領空を侵犯したと防衛省が発表しました。当該機へは航空自衛隊が緊急発進を実施したとのことですが、中国大陸からほぼ直進して長崎県沖に接近し、1040時頃から男女島の接続空域旋回を始め、1129時に領空侵犯したとのことです。

 領空侵犯機は警告を受けたものの再度長崎県の接続空域を旋回し1315時頃、中国本土へ飛び去ったとのこと。航空自衛隊は緊急発進は行いましたが、警告射撃等は実施していません。この事案に際し外務省は岡野外務事務次官が中国大使館の施泳臨時大使を外務省に呼び厳重抗議を行いました。中国外務省は意図した行動ではないと弁明していますが。

 緊急発進を支援する航空機の導入を真剣に検討する段階なのかもしれません。来年度予算に陸上自衛隊は多用途無人機としてMQ-9リーパー無人攻撃機を要求するとされています、もちろん、これは低速の航空機である為にF-2戦闘機やF-35戦闘機に随伴することはできません。ただ、戦闘機に随伴できる無人航空機が無いのかと云われるとそうではない。

 MQ-28ゴーストバット無人僚機、ロイヤルウイングマンとしてボーイングオーストラリアが開発し2021年に初飛行を迎えた無人機ですが、F-35戦闘機などに随伴し支援や情報収集などに充てる事が可能です。スクランブル、緊急発進は通常2機の戦闘機で実施されますが、MQ-28が僚機として運用されるならば、発進させる戦闘機は1機で済む事になる。

 F-15E/F-15EXイーグルⅡ、もう一つの選択肢としては、現在ほんとうに戦闘機は足りているのか、という実情です。航空自衛隊としては、戦闘機定数は政治決定である為に、現状でも十分対応可能、と応えざるを得ないのでしょうが、本当に戦闘機は足りているのかという。冷戦時代の防衛大綱戦闘機定数は350機、これが冷戦後は280機まで減ったのだ。

 F-15J戦闘機の老朽化は進んでおり、F-15J戦闘機の近代化改修が進められていますが、改修しても新造機のように30年40年延長運用はできません。この後継機としてF-35戦闘機やイギリスとの共同開発戦闘機計画などが進んでいますが、戦闘機定数を見直し、ライセンス生産を含めて77機程度、3個飛行隊所要程度を導入しては、とも考えるのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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