北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【日曜特集】ミストラル東京寄港【1】最新鋭フランス海軍指揮戦力投射艦(2008-04-13)

2018-02-18 20:11:25 | 世界の艦艇
■L-9013:Mistral
 強襲揚陸艦、来月に迫る陸上自衛隊水陸機動団新編を前に両用戦艦への関心が高まる中、10年前となりますフランス海軍の当時の最新鋭艦の様子を紹介しましょう。

 写真特集ミストラル東京寄港、ミストラル級強襲揚陸艦が2008年4月に日本を初訪問した際の情景をお届けしましょう。実はミストラル級強襲揚陸艦が佐世保入港時に改めて撮影したものを紹介する予定でしたが、流れてしまい少々古い懐かしの写真紹介となりました。

 ミストラル、フランス海軍が誇る強襲揚陸艦です。小野寺防衛大臣が昨年フランスにて視察した事で有名な多目的艦、フランス海軍では指揮戦力投射艦に区分され、基準排水量16500t、満載排水量21500t、全通飛行甲板を有する船体はその全長210.0 mと全幅32.0 mに吃水6.2 m、巨大な船体には1800㎡の格納庫を有し、クーガー等の強襲ヘリコプターを最大16機収容できるという、16機は大隊規模の落下傘部隊を同時空輸できる水準で中々凄い。

 水陸両用作戦への対応を最大の任務としており、車両甲板面積は2650㎡、ルクレルク主力戦車ではフランス軍編成1個中隊に相当する13両を収容でき、VBCI装輪装甲戦闘車では60両、飛行甲板と航空機格納庫を車両甲板として転用した場合では更に230両を積める、ちなみにフランス海軍は湾岸戦争でも当時の空母クレマンソー飛行甲板に車両を敷き詰めて輸送したことがあったりします。

 揚陸艇は艦内にドックを有し、L-CAT/EDA-R高速機動揚陸艇や海上自衛隊でも運用するLCAC-1型エアクッション揚陸艇で2隻、若しくは低速ながら戦車を輸送可能な汎用揚陸艇4隻と上陸用舟艇8隻搭載可能、こうした能力の結果、船体が非常に大きいのが特色だ、風の影響が大きそうな印象がありまして、この形状と艦容美の比較には議論の余地がある、かもしれませんね。

 クルーズ船設計を大胆に採用した事で満載排水量21500tという巨大な揚陸艦であるにもかかわらず、その建造費は前級にあたる基準排水量8200tと満載排水量12000tのフードル級ドック型揚陸艦よりも安価に抑えられ、乗員は最小140名、通常運用時200名で運用する。

 東京港へフランス海軍艦艇入港、当方はフランスの大型水上戦闘艦を撮影するのは初めての事でした。最新鋭揚陸艦、当時はEOS-40Dカメラに70-300mmEF-ISレンズを装着し撮影していましたが、東京の友人と共に意気揚々と新木場埠頭へと向かったものです。

 ジャンヌダルク、フランス海軍艦艇と云えばヘリコプター巡洋艦ジャンヌダルクが練習巡洋艦として毎年のように日本に寄港していました、満載排水量13000t、100mm単装砲4門に加え、シュペルピューマ中型ヘリコプター8機を格納庫に搭載、強襲揚陸艦任務を担う。

 しかし、フランス政府の日仏交流年度記念行事として1999年に挙行されたフランス練習艦隊親善訪問が最後の訪日となってしまいました。ジャンヌダルクは2010年に除籍されましたので、1963年竣工と護衛艦はるな竣工よりも10年古く、しかし重要な練習艦としての任務やヘリコプター母艦としての即応体制維持が求められて長生きし、はるな除籍翌年に除籍された。

 フランス練習艦隊親善訪問は、ヘリコプター巡洋艦ジャンヌダルク、駆逐艦デュゲイトルーアンが本国から、タヒチのフランス太平洋艦隊から通報艦プレリアルが加わり、盛況な行事だったようですが、流石に当時は行く事が出来なかった、という悲しい思い出がある。

 レインボーブリッジが1993年に完成した事で、この橋は海面から52mしかなく、大型水上戦闘艦は勿論、豪華客船の入港もままならず、東京港過疎化の元凶となりました。レインボーブリッジよりは港湾の活況を考えるとゲートブリッジが必要だった、という事ですね。この部分は更に問題が大きくなり、昨今、クルーズ船は大型化が進み65m程度の高さが必要、ジャンヌダルクはこうして若洲埠頭へ。

 晴海埠頭ではなく、ミストラルも新木場の若洲埠頭に入港しました。これはレインボーブリッジの橋脚が52mでジャンヌダルクの高さが52m、喫水7.2mで余裕が全くなく、満潮時には海面がさらに上昇する為、レインボーブリッジと接触する危険性があった為でした。

 レインボーブリッジにより豪華客船が東京港入港を軒並み諦め、横浜港が日本の玄関となったのですが、この欠陥橋梁が仕様で纏まった背景には近傍に羽田空港があり、レインボーブリッジを建築する際に橋脚高に制限があった。それならば勝鬨橋のように大型客船が航行できるよう可動橋とするか目一杯橋脚の高さに車道を通行させる事が出来るよう吊り橋方式を諦めれば良かった。

 ミストラル東京寄港はそんな中でフランス海軍の大型艦艇日本寄港というまたとない機会でした。ただ、寄港中に一般公開の予定は無く、日曜日に出港という日程でしたので、出航時間を見計らって、若洲は何処だ此処豊洲、と日曜日の朝に新木場へと展開した形です、がテロ対策の改正ソーラス条約の関係上、撮影できる立地が限られていたという。

 ミストラル級強襲揚陸艦、BPC指揮-戦力投射艦という新しい区分で建造されたフランス海軍の新型艦で一番艦ミストラル竣工2006年、つまり東京港に入港した2009年は文字通り最新鋭艦といえる段階でした、フランス海軍は本級を現在三番艦まで保有運用しています。

 フランス海軍は原子力空母や戦略ミサイル原潜、強襲揚陸艦等を装備していますが人員規模は海軍将兵と文民職員含め39000名であり、海上自衛隊と同程度です。原子力空母シャルルドゴールは満載排水量40600t、ラファール戦闘機やE-2C早期警戒機を搭載している、一方で当初二隻を建造する展望であったものの財政難に阻まれ、シャルルドゴールが整備中にはフランス海軍に動かせる空母が無いという状況が続く。

 水上戦闘艦はフォルバン級防空駆逐艦が満載排水量7500tで2隻、アキテーヌ級駆逐艦が満載排水量6100tで防空型対潜型を建造中で4隻就役、2021年までに8隻竣工予定、満載排水量4100tのジョルジュレイグ級駆逐艦4隻、准同型カサール級防空駆逐艦が2隻、と。

 アキテーヌ級駆逐艦が期待の新型艦、というフランス海軍ですが満載排水量4000t以上の大型水上戦闘艦は12隻しかありません、広大な海外県を世界に持つフランスの数の上での主力は通報艦、所謂コルベットと外洋哨戒任務に当たる小型フリゲイトとなっています。小型艦艇による世界規模の海外県警備体制に依拠した少数の大型艦運用、というかたちです。

 通報艦は、満載排水量2900tのフロレアル級6隻、満載排水量1400tのデスティエンヌドルヴ級9隻、満載排水量3500tでステルス設計が竣工当時世界の注目を集めたラファイエット級フリゲイト5隻、大型水上艦12隻に対し警備用艦艇20隻、という陣容なのですね。

 原子力潜水艦はフランス海軍の強力な戦力であり、ル-トリオンファン級戦略ミサイル原潜4隻、射程10000kmで100kt核弾頭6発を備えた多弾頭型M-51潜水艦発射弾道弾16発を搭載し核抑止力を担う。フランスは過去にアルビオン高原の中距離弾道弾戦力を有していましたが、現在は戦略ミサイル原潜と戦闘機発射核巡航ミサイルへ転換しています。そして水中排水量2600tの小型攻撃型原潜リュビ級6隻が守る。

 海軍2015構想、として将来のフランス海軍計画は、戦闘艦艇80隻、戦闘航空機130機、5個艦隊司令部、という兵力整備を念頭に勧められています。この80隻とは水上戦闘艦に潜水艦や掃海艇と揚陸艇や哨戒艇と含んだ数、戦闘航空機は固定翼にヘリコプターを含む。

 海軍2025構想、は上記計画が財政難により達成困難であるとの視点から、大型水上戦闘艦12隻、2025年を目処に二隻目の航空母艦を竣工、新型攻撃型原潜バラクーダ級6隻の建造、と下方修正されました。この海軍2025構想の発表は2008年、ミストラル寄港の前年だ。

 PA-2計画、フランス海軍は唯一の空母として原子力空母シャルルドゴールを運用しています。元々は1961年にクレマンソー級航空母艦のクレマンソーとフォッシュを竣工させ永らく運用していたのですが、財政難により後継艦は一隻しか建造する事が出来ませんでした。

 原子力空母シャルルドゴールに続く第二の航空母艦PA-2はこのミストラル東京寄港時進展中の計画で、当時はイギリス海軍のクイーンエリザベス級航空母艦設計を購入する構想や、英仏共同空母の可能性が盛んに働きかけられていますが2018年現在も具体化していない、すると戦力投射任務を補完する強襲揚陸艦に焦点が、と。

 PA-2計画の遅延は、財政難下でシャルルドゴール建造に1989年の起工式から2001年の就役まで12年を要しており、この遅延には飛行甲板の長さが足りない事に建造中指摘されたり、原子炉の技術的問題などで遅延した訳ですけれども、時間を要した。仮に本年計画が具体化しようとも就役は2030年代、こう考えますとフランス海軍のミストラル級が有するポテンシャルの大きさが垣間見えましょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【EOS-M3撮影速報】伊勢湾機雷戦訓練2018,掃海艦艇訓練完了四日市入港Ⅱ(2018-02-09)

2018-02-17 20:05:38 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■伊勢湾機雷戦訓練2018続報
 掃海艦艇の四日市入港、EOS-7D撮影写真は整理中ですので、EOS-M3にて撮影の伊勢湾機雷戦訓練2018入港、その続報として入港後半部分の紹介です。

 伊勢湾機雷戦訓練2018完了の掃海部隊四日市港入港、掃海艇うくしま、が入港します。すがしま型掃海艇の艦型を良く分かる構図となりました、二本の煙突が識別点で、この設計は艦橋から真後ろを見えるよう配置したもの、後部は2機の機雷処分器具格納庫が並ぶ。

 うくしま接岸の様子、すがしま型はPAP-104 Mk.5機雷処分具による機雷掃討を行うと共に、53式普通掃海具も搭載しています、しかし磁気掃海器具や音響掃海器具はDYAD感応掃海具を運用可能であるものの、必要に応じ暫定搭載する方式で掃海より掃討重視の表れ。

 ゆげしま、うくしま、並ぶ様子、すがしま型掃海艇と、うわじま型掃海艇の形状の相違が顕著に見えます。掃海任務では艇内は機雷に触雷した際の安全確保の観点から、乗員は船体内ではなく上部構造物か露天甲板に集まる、しかし掃討では管制室が拠点となります。

 すがしま型掃海艇の船体を近づいて撮影しました、木造船体の形状が良く分かります。木造掃海艇は機雷に見つかりにくく万一の際にも衝撃を吸収し、最悪の場合も浮く、しかし木材は腐食しますので船体寿命が20年程度であり、寿命の大きなFRP製へ転換しました。

 えのしま型掃海艇はつしま、FRP船体を採用した、新型掃海艇で、はつしま、は2015年に竣工した最新型です。満載排水量660t、一見しますと掃海艇ひらしま型と艦形状が同一ですが、それもそのはず設計は掃海艇ひらしま型同一、船体構造物を木製からFRPとした。

 はつしま、入港は既に接岸している、あいしま、と所謂メザシ係留です。前甲板の形状が機雷戦室等共通しているのに対し、煙突が、あいしま二本に対し、はつしま、は単煙突でして、これは後部視界を煙突二本の中間を設けるより一本とした方が良好であったため。

 掃海隊群第1掃海隊に所属する掃海艇はつしま、はつしま型掃海艇は三隻あり、えのしま、ちちじま、が横須賀地方隊第41掃海隊へ配備中です。最新型ですが建造は現在、やえやま型掃海艦代替の、あわじ型掃海艦建造に重点化され、4番艇建造の目途は立っていません。

 四日市港千歳第一埠頭へ戻ると最初に接岸の掃海艇つのしま、掃海艇なおしま、に加え多数が、掃海艇すがしま、掃海艇えのしま、掃海艇のとじま、掃海艇くろしま、掃海艇いずしま、とこの日は45分間隔で2隻づつ入港し、第一埠頭と第三埠頭へ接岸していました。

 改正ソーラス条約により特定重要港湾の一部桟橋へはテロ対策の観点から立ち入りが禁じられています。四日市港千歳第一埠頭の此処も、写真に柵が写っている通り、立ち入りが制限されています。ただ、柵の写り込まないように工夫しますと、こうした写真が撮れる。

 掃海母艦うらが四日市港霞埠頭入港、港湾入港情報では千歳第三埠頭へ当初入港する予定だったとの事ですが、四日市港霞埠頭への入港となりました。四日市港霞埠頭にて12日の一般公開を行う為なのですが、四日市港霞埠頭と千歳埠頭は実は6.5kmも離れています。

 うらが、掃海母艦うらが型一番艦で満載排水量7200t、巨大な船体の能力を活かし掃海艇の支援や母艦任務と共に掃海輸送ヘリコプターの支援機能と機雷敷設等を担う。元々は掃海隊群旗艦や掃海隊群直轄艦でしたが、2016年に改編となり、第1掃海隊へ編入されました。

 掃海隊群2016年改編により、隷下に輸送艦おおすみ型三隻を有する第1輸送隊が隷下に入りました。うらが入港を背後から撮影、艦首方向から撮影を試みたのですが、改正ソーラス条約によりこの日はここから撮影が限界でした。うらが入港がこの日の最後の入港、撮影完了しこちらも撤収しました。

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平成二十九年度二月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2018.02.17/18)

2018-02-16 20:09:51 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 市バスに乗るたび、地下鉄に乗るたび、猛威を振るうインフルエンザの怖さばかり感じる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。そんな中でも今週末の行事紹介です。

 芦屋基地航空祭、今年度末の航空祭シーズンの始りです。芦屋基地は福岡県遠賀郡芦屋町という福岡市と北九州市に挟まれた九州北部に立地していまして、第3術科学校と第13飛行教育団及び芦屋救難隊が展開しています。第13飛行教育団は2001年までT-1練習機を、現在はT-4練習機を運用していて、航空自衛隊ジェット機発祥の基地としても知られます。

 帝国陸軍芦屋飛行場として1942年に創設された芦屋基地は戦後進駐軍に接収され、1961年に芦屋基地が創設されました。第13飛行教育団はT-7初等練習機による初級操縦課程修了した飛行幹部候補生への最初のジェット機操縦を行う基本操縦前期課程を担当し、飛行教育群隷下に第1飛行教育隊と第2飛行教育隊が白地に紅色のT-4練習機を運用している。

 第13飛行教育団、臨時松島派遣隊第2操縦学校を起源とし、航空自衛隊発足東夷、T-33練習機により最初のジェット機操縦要員を練成しました。航空祭は第13飛行教育団に加え防府北基地や築城基地からの飛行展示等盛大に行われ、今年はブルーインパルスも飛行展示を行う。鹿児島本線遠賀川駅が最寄り駅で当日は快速列車が臨時停車、駅前から臨時バスが運行されます。

 さて撮影の話題、行事撮影の一眼レフとサブカメラ、一眼レフは使い慣れた印象でしょうか、兎に角被写体を追尾し捕捉し撮影する能力に優れていまして、異論は認めますがカメラとして性能を最大限に振り回す事が出来る、しかし、コンパクト機種には性能に限界があり、被写体を前に小さなカメラに翻弄される、カメラに振り回されているという印象が無くもない。

 一方でコンパクト機種の性能は年々向上していまして、映像センサーが一眼レフで主流となっているAPS-Cセンサーを搭載するコンパクト機種もFUJIFILM-X100シリーズやPowershotG1XmarkⅢと徐々に頭角を示していますし、ミラーレス一眼カメラは小型であっても映像センサーはAPS-Cを備え、SONY等はフルサイズセンサー搭載も発表している。

 一眼レフとサブカメラの関係を考えますと、本気の撮影は後々に写真を拡大したならばまだまだAPS-Cやフルサイズという映像センサーの大きさが補正技術を乗越える優位性があります。持ち替えるタイミングが何よりも重要な要素となってきます。次のコンパクト機種をどうしようか左右するのですが、使い勝手か性能か頑丈さか、迷ってしまいますね。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・2月18日:平成29年度芦屋基地航空祭…http://www.mod.go.jp/asdf/ashiya/

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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フランス徴兵制再開と日本徴兵制再論【3】陸軍専門旅団化と高度技術と体力の要求

2018-02-15 20:03:48 | 国際・政治
■軍事的要求社会的要求の不一致
 フランスの徴兵制再開、徴兵期間一ヶ月というマクロン大統領の新制度は少なくとも軍事合理性からは外れています、日本にも徴兵制が考えられるかと問われた際に軍事的合理性からは無い、と言い切れます。

 フランス軍は現在、28000名規模2個師団を基幹とする陸軍編成となっています、一昔は自衛隊師団と同程度の小型師団でしたが再編に再編を経て。第1機甲師団と第3機甲師団で、第1機甲師団は機甲旅団と海兵軽機甲旅団と山岳旅団と国際旅団に直轄部隊、第3機甲師団は機甲旅団に軽機甲旅団と落下傘旅団に直轄部隊、ほかには第4航空旅団や特殊作戦旅団等専門色の強い部隊が主体で一朝一夕に訓練は出来ません。

 マクロン大統領の公約なので実施する、という様式であり陸軍は専門職要員を欲しているのに短期要員のみ充足する、大統領はもう一つの公約で財政再建を掲げ国防費を縮減した、即ち陸軍兵力再建は度外視している点がわかります。陸軍が必要とする人材は無いのですが、陸軍には冷戦時代に維持していた大軍時代の施設が残っていて、冷戦後大量に縮小し余る駐屯地、若年失業対策と壮年下士官の失業対策、徴兵制を受け入れる世論が推し進める背景にある。

 徴兵制は軍事的に時代遅れであり、日本も将来にわたりその可能性はない。この視点に対しフランスは徴兵制を再開したぞ、との反論が今回生じ得るのですが、ここまで述べた通り徴兵制は軍事的に時代遅れであっても、社会の団結や若年失業対策という政治的要求から実施される場合にはこの限りではない、といえる。外敵からの防衛という軍隊の抑止力という観点からではなく社会の団結という通常は教育と社会の役割を軍隊が押し付けられたかたち。では、視点を我が国に転じた場合は。

 日本の場合は駐屯地と演習場に余裕がありません、第二次大戦直後ならば兎も角、かつての帝国陸軍が国内に用意した本土決戦250万兵力の兵舎等は半世紀以上前に売却されている。また、例えば企業などでは大量に採用した場合でも短期間に離職する事は教育期間と費用を空費する事となりますので敬遠されますが、軍事機構についても全く同じです。日本で徴兵制を行うには駐屯地と演習場を増やした上で、徴兵要員に渡す装備と教育部隊を増強せねばなりませんが、その余裕はない。

 自衛隊は基本的に徴兵制へは距離を置く姿勢です。最新装備を基本とする装備体系に短期間で養成される人員は対応できず、という理由があります。歩兵部隊に当たる普通科部隊は昔ならば小銃さえ操作できれば班長さんに従っていればよかったのですが、近年は戦闘防弾チョッキはじめ装備の重量が増大し、機械化され車両整備の訓練、通信機器の普及も進み管理する装備が増えている。一見旧式の74式戦車も広帯域無線機の採用により電子化が大きく進みましたし、後継で数年内に74式戦車を全て置き換える16式機動戦闘車や10式戦車は電子装置の塊、といわれ自隊整備さえ難しい程です。

 予備自衛官補制度、未経験者を駐屯地雑務要員として有期任用する場合でさえ、三年間で50日間の訓練を分割して行い、この50日間でさえ短過ぎる為、体力錬成は三年間を各自が最低で自衛隊体力検定五級程度、二分間腕立伏せ25回以上腹筋33回以上、懸垂3回以上、ソフトボール投36m以上、3000m持久走16分以内、幅跳び3.3m、錬成せねばならない。後方支援部隊ならば短期間の訓練でも錬成可能、という考えは素人同然で、自衛隊では衛生職域や車両整備職域等の整備要員こそ高い専門知識が求められ、義務教育で看護士資格や車両整備士や測量士の資格を全員が採る時代でも来なければ、簡単な教育だけで対応できるものではない。

 普通科隊員のような第一線での近接戦闘を担う戦闘職種では自衛隊体力検定一級、二分間で腕立伏せ82回と腹筋80回以上、懸垂17回以上、ソフトボール投擲60m以上、3000m持久走10分38秒以内、幅跳び5.1m以上、が望ましい。国土の七割が山間部である我が国で火砲の射程外にあたる40km先から攻撃機動を行う際には、この程度が求められる。頑張れば出来そうな数字とは言われますが、全部できなければ一級とは認められません。

 それでも全く徴兵制の必要性は無いか、と問われたならば、世論が徴兵制を支持する場合に徴兵制を掲げる政党が与党となった場合にはあります、そして徴兵制を支持せざるを得ない程の緊迫した状況であれば可能性皆無とは言えません。様々な可能性の中、現在可能性が高いのは短期間で限定された地域を占領する限定戦争の脅威度であり、従来型の無条件降伏を迫るような戦争は非常に稀有な可能性しかありません。ロシア軍が北海道を占領し本州へ圧力を、呼号して中国軍も九州を占領、という可能性は日米安保下では低い。

 しかし、自衛隊に全く人数が不要な状況が続くのか、と問われますと、その上で国民が徴兵制を掲げる政党を支持せざるを得ない状況となる訳ですが、万一あり得るとしたならば犠牲者32万という南海トラフ地震が発生し、続いて東海地震や首都直下型地震の兆候が連続すると共に富士山や阿蘇山等が火山爆発地数7規模の噴火兆候を見せ、自衛隊でなくとも消防団や水防団を超える全国規模の数十万という民間防衛組織が必要となった場合、SF小説の日本沈没や死都日本のような状況となり、他に選択肢が無くなり招集、可能性はあるかもしれません。

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AH-64D佐賀県神埼市墜落事故:事故機は中古再生品装着,防衛予算不足と共食い整備の可能性

2018-02-14 20:18:12 | 国際・政治
■検証:神埼市AH-64D墜落事故
 AH-64D戦闘ヘリコプター墜落事故から明日で十日となります、乗員の犠牲者が出ており、真剣に再発防止を検証しなければなりません。

 AH-64D戦闘ヘリコプター墜落事故、中古部品利用による空中分解の可能性が出てきました。中古部品、正確には再生部品という区分で摩耗した部品の摩耗部分を補強再整備し新品同様に再生した部品で、規格外の中古品を海外市場から取り寄せたものではありません。ただ、再生部品は運用期間中に高頻度の振動に曝され疲労する部位が残る事も確かです。

 佐賀県神埼市で今月5日に発生した墜落事故では、メインローターとエンジン駆動系を連接するメインローターヘッド部分が砕けた状態で事故現場より300mから500mの範囲で飛び散り発見されています。ヘリコプターは回転翼航空機に区分されますがメインローターヘッドは回転翼を機体に連接する最重要部品で、ここが破損した場合即座に墜落する。

 メインローターヘッド部分は、別の機体で使用されたメインローターヘッドが摩耗により振動が確認されるようになり、アメリカ国内のメーカーへ送った上で点検修理を行ったうえで事故機に装着しており、その装着後最初の点検飛行の際に墜落したとしています。当初新品に交換したとした陸上自衛隊は事実確認不充分として記者会見の場で謝罪しました。

 再生部品は陸上自衛隊では日常的に使用していると記者会見の場において発表していますが、ローターヘッドは1750時間毎に交換する消耗品であり事故機が部隊配備後最初のローターヘッド換装を行ったとの発言があり、重要部品が日常的に不足する事で可動機から任務毎に部品を融通し稼働率を維持する共食い整備と呼ばれる状態の可能性が出てきました。

 共食い整備とは、予備部品費用や整備関連費用が枯渇した場合に行われる施策で飛行可能な状態の航空機から飛行不能となる航空機へ部品を一時的に移管する方法です。この場合、書類上の稼動率は高く維持されますが、部品が不足しているという根本要因は不変である為、例えば有事の際に書類上全て稼動状態にある航空機を同時に運用する事は出来ません。

 不良部品が原因であるとしてもその背景が再発防止のためには重要である。推測でしかないのですがメインローターヘッドの予備が潤沢に確保されているならば、再生部品を使用する事は無かったのではないでしょうか、その上でAH-64Dの運用費用が当初見積もりよりも増大、当初想定した予算内では必要な予備部品を確保出来なかった可能性があります。

 整備費用の増大、と推測した根拠はAH-64Dの調達数削減による作業特殊化です。60機を導入する予定が13機の調達で終了、ミサイル防衛や島嶼部防衛等新任務への対応により予算が圧迫され必要なAH-64Dを調達できなかったと共にライセンス生産予定の先行調達部品費用を製造元の富士重工より請求、最高裁で自衛隊は351億円の和解金を支払いました、この影響も小さいとは考えにくい。

 作業の特殊化とは慣れている整備熟練者が少ないという事で、96機ある機体の三年に一度交換する維持部品価格と、13機しかない機種の三年に一度交換する維持部品価格では、量産効果がまるで違う事は考える以前の問題ですが、一方、当初見積もりよりも整備費が異常増大した場合、財務当局へ要求する整備費用の増大部分を理解させる事が難しく、事業評価の観点から整備費用を圧縮しようとした可能性はあります。

 機数不足により整備要員経験蓄積への影響、という可能性の根拠となる点はメインローターヘッド交換の実績数で、3回のみだったという。メインローターヘッドの空中分解は整備要員としては文字通り想定外の要因といえますが、陸上自衛隊全体でAH-64Dメインローターヘッドの交換はまだ三例しかなく、事故機が三例目であったという。96機あった先代のAH-1Sと13機のAH-64Dでは整備員総数がまるで違う。

 一方で、新任務に関わる防衛費全体の圧迫は度を越しています。予算総額はそのまま、一例としてミサイル防衛に伴う費用は中期防単位では一兆円単位で必要となっており、AH-64D戦闘ヘリコプターの139機分に当たる費用です。この数字の意味するところは、ありとあらゆる装備品の運用経費や部隊装備定数割れを是認し無理矢理押し通している。

 現予算では任務遂行は不可能であり、予算を増額し必要な装備品を定数通り調達し維持できる体制を確保するか、予算をそのままに災害派遣任務等他省庁が対応可能な任務への移管を行い自衛隊の関与を終了するかミサイル防衛を断念し自治体に防空壕建設を義務付けるか、つまり国民の税金の負担をお願いするか国民の労力の負担をお願いするかが要る。

 そして繰り返しますが、AH-64Dは問題が最初に顕在化しただけであり、他の航空機についても、勿論航空機以外の装備品や部隊運用についても、事故という厳しい形で顕在化する可能性は否定できません。民間企業に対し政府は働き方改革を提唱していますが、政府はまずその前に足元の自衛隊について、現在の装備を維持する上で必要な予算を第三者委員会などを通じ無理を通し過ぎていないか検証する必要があります。

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新防衛大綱とF-35B&EA-18G【02】南九州F-35B配備検討,いずも艦上F-35B配備の続報

2018-02-13 20:05:06 | 防衛・安全保障
■新田原基地F-35B配備報道
 本年に予定される新防衛大綱において戦闘機部隊増強の検討が様々なところから伝えられていますが、新田原基地も久々に2個飛行隊体制へ回帰の検討があるという。

 新田原基地へF-35B戦闘機配備の検討、産経新聞が1月21日付記事にて報じました。F-35Bは現在航空自衛隊へ部隊配備が本格化したF-35A戦闘機の派生型で、元々はアメリカ海兵隊の前線航空支援用とイギリス海軍の小型空母用空母艦載機として開発され、重装備での短距離離陸や空対空戦闘兵装での垂直離着陸能力を有し、滑走路が無くとも運用可能です。

 F-35Bについては8日の衆議院予算委員会において小野寺五典防衛相は、ヘリコプター搭載護衛艦いずも建造のジャパンマリンユナイテッドへ“最新の航空機の研究”を要請していると答弁しています。最新の航空機の研究、とはMV-22を意味するのか、海上自衛隊が導入するUH-Xを意図しているのか、F-35Bを意味するのかは明言していませんが、UH-Xは現行機種の派生型ですしMV-22については既に発着実績があり、F-35Bと考えるのが自然でしょう。

 三沢基地の航空自衛隊第3航空団へF-35A戦闘機の配備が開始されました。三沢基地は北日本の防空を統括する北部航空方面隊司令部が置かれ、北海道へのソ連軍、ロシア軍の脅威へ備えるべく冷戦時代には空対艦ミサイルの運用能力を持つF-1支援戦闘機、その後はF-2戦闘機を配備し、空爆に備え、戦闘機をシェルター運用している事でも知られます。

 F-2戦闘機は、二個飛行隊の内、既に一個飛行隊が北九州築城基地へ移駐しており、現在は臨時F-35飛行隊とF-2飛行隊の混成編成となっています。航空自衛隊は数年内に第二のF-35飛行隊新編を待って、三沢基地から百里基地へF-2飛行隊を移駐させ、旧式化しているF-4戦闘機を代替、初飛行が1959年という旧式戦闘機F-4戦闘機の運用を終了する。

 42機のF-35A戦闘機を導入する航空自衛隊ですが、この42機のF-35Aは旧式化していたF-4戦闘機の後継という位置づけです。そして航空自衛隊の戦闘機調達計画は1981年より運用が開始され、旧式化が進むF-15J戦闘機の代替が必要となります。一機あたり42億円を投じて近代化改修を行っていますが限度があり、更にF-35戦闘機の増強は進むでしょう。

 南九州の新田原基地、現在はF-15飛行隊一個が要撃任務にあたっていますが、元々は航空自衛隊F-15飛行隊発祥の地、最初のF-15飛行隊へと改編が行われた航空団の基地、そして近年は中国大陸から南九州への防空へ対応する防空の拠点となっていますが、中国大陸からの爆撃機は南九州沖を西日本方面へ向かう経路を採るようになり重要性が増しました。

 F-35B飛行隊、という新編部隊について。南九州の新田原基地は、中国大陸からの爆撃機が南方海域を経由し西日本方面に向かう場合、航空自衛隊は四国や西日本へ戦闘機部隊を配置していません。西日本には京阪神地区と広島瀬戸内という人口密集地がありますが、他には北九州の築城基地か北陸の小松基地のみ、新田原基地の能力強化は重要でしょう。

 南西諸島や九州と西日本へ軍事脅威が及ぶ際には、恐らく那覇基地と新田原基地は巡航ミサイル脅威、中距離弾道弾脅威へ直面します。F-35Bという機種が提示される背景には、現在配備が進むF-35Aではなく、配備されていないF-35Bには、垂直離着陸能力が大きな意味を持ち、基地機能を喪失した場合においても防空作戦を維持する事が出来るのです。

 ヘリコプター搭載護衛艦いずも艦載機としてのF-35B戦闘機、政府関係者の話として昨年十二月末に産経新聞と朝日新聞の報道を皮切りにロイター通信やCNNでも広く報じられ、大きな話題となりました。これは政府が2018年内に画定する防衛計画の大綱改訂に盛り込まれる戦闘機部隊増強計画の一環として検討されているとされ、護衛艦の空母運用を示す。

 いずも型護衛艦艦載機へのF-35B戦闘機配備報道は、小野寺防衛大臣定例記者会見において防衛省として検討している事実は無い、との発言を以ていったん報道は終息しましたが、防衛計画の大綱は政府が閣議決定し行う防衛政策の長期計画なのですから、防衛省は独自にF-35B戦闘機を運用する枠組みを構築できる訳ではなく、最新の航空機の研究、という8日の衆議院予算委員会答弁まで、続報待ちという状況でした。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【EOS-M3撮影速報】伊勢湾機雷戦訓練2018,掃海艦艇訓練完了四日市入港(2018-02-09)

2018-02-12 20:02:13 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■伊勢湾機雷戦訓練2018
 海上自衛隊伊勢湾機雷戦訓練、四日市港へ入港の情景を撮影して参りました、機雷戦へ備える精鋭、まずは速報をEOS-M3撮影写真にて紹介しましょう。

 掃海艇つのしま、掃海艇なおしま、呉地方隊阪神基地隊第42掃海隊の所属掃海艇です。ここは四日市港千歳第一埠頭、すがしま型掃海艇2隻が揃っています。9日の金曜日、伊勢湾機雷戦訓練を完了し四日市港へ入港する掃海艇、その様子を撮影へ行ってまいりました。

 掃海管制艇ゆげしま、掃海艇ゆげしま、として1996年に竣工しました掃海艇うわじま型の8番艇で、はつしま型掃海艇へ中深度掃海能力を付与した改良型、両型合わせ32隻が量産されています。海上自衛隊で最初に掃海能力に加え機雷掃討を付与された掃海艇でもある。

 海上自衛隊の機雷戦艦艇は、掃海よりも掃討を重視した運用体系へと転換中で、これは掃海艇そのものを狙う高性能機雷が普及しつつある中、掃海艇が機雷処分器具を曳航し掃海する事は危険であり、機雷処分器具により前方の機雷を掃討する必要性が高まった為です。

 うわじま型掃海艇はいわば総会を重視した設計の最後の型でもあり、すがしま型掃海艇からは事実上機雷掃討艇となりました、この為、掃海器具を搭載する後部甲板の広い形状は、すがしま型からは機雷処分器具格納庫が多くを占めるようになっており、相違が顕著だ。

 掃海艇あいしま、すがしま型掃海艇の一隻で母港呉基地、掃海隊群第3掃海隊所属の掃海艇です。四日市港入港へ接眼へと防舷材を展開、向かってくるような迫力の情景ですが入港中の様子、掃海艇は基本小回りが利く為、湾内でもこうした情景を撮影できるのですね。

 あいしま、すがしま型掃海艇は実に12隻が建造されました。艦橋前には機雷戦室が上部構造物の中で一際大きく見えます、ここに機雷戦ソナーと機雷処分器具管制室が設置されていまして、水中の機雷をソナーで発見、水中ロボットで一つ一つ機雷を無力化してゆく。

 四日市港入港完了の掃海艇あいしま。伊勢湾機雷戦訓練は2月1日から10日まで実施、参加部隊は掃海母艦1隻、掃海艇14隻、掃海管制艇1隻、掃海輸送ヘリコプター2機が参加し実施されていますが、実施期間中北陸豪雪、伊勢湾沿岸も積雪があり厳しい気象でした。

 ひらしま型掃海艇ひらしま、四日市港第二埠頭から入港の様子を撮影です。四日市港の一部は国際テロ対策を目的とする改正ソーラス条約により一般立ち入りが出来ない区画も多く、第二埠頭も名古屋入国管理局四日市出張所近くの区画等は入れないようになっている。

 掃海艇たかしま、ひらしま型掃海艇の三番艇です、海上自衛隊が建造した最後の木造掃海艇で、次の掃海艇えたじま型からはFRP製船体となっている。木造掃海艇は磁気機雷に感知されず、触雷した際の強靭性が高いのですが、木造造船の建造が困難となり転換された。

 たかしま、四日市港千歳地区第三埠頭へ接岸、四日市港らしい工業地帯の機能一点張りである煙突群やタンク群が印象的な情景に掃海艇三隻がせちゅ願する様子、青空が眩しく快晴ゆえの絶景に、ひらしま型掃海艇ひらしま、やくしま、たかしま、三隻全てが勢揃い。

 ひらしま型掃海艇は木造船体を採用している、という部分が船体を一見するだけで良く分かります。伊勢湾機雷戦訓練は、重要港湾を護るべく伊勢湾に海上自衛隊機雷戦艦艇を集結させ、実際に模擬機雷を敷設して、掃海艇による機雷掃討訓練を行う大規模な訓練です。

 掃海艇うくしま、すがしま型掃海艇の一隻です。ひらしま型掃海艇全三隻勢揃いの情景を眺めていましたらば、直ぐに次の掃海艇が入港して参りました。埠頭の立地から千歳地区の三箇所の埠頭に分かれて接岸した掃海部隊、次々と入港し中々の壮観が続いていました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【日曜特集】富士学校創設63記念富士駐屯地祭【01】富士駐屯地祭式典挙行(2017-07-09)

2018-02-11 20:09:25 | 陸上自衛隊 駐屯地祭
■富士学校長德田秀久陸将へ敬礼
 今回から、富士学校長德田秀久陸将挙行の富士学校創設63記念富士駐屯地祭の様子を紹介しましょう、ここ数年間で最も迫力ある富士学校祭でした。

 陸上自衛隊富士学校、静岡県駿東郡小山町の富士駐屯地に置かれる陸上自衛隊の専門教育機関です。富士学校隷下には富士教導団が配置され、実員と実動を以ての教育訓練や戦術研究、新装備開発に当り、富士学校は我が国陸上防衛戦力の将来像を開拓する要衝の一つ。

 富士駐屯地祭、JR御殿場線御殿場駅から富士山へ向け路線バスを45分ほど一路進み、富士山信仰の登山口として栄える須走、富士浅間神社を詣でたその一歩奥に陸上自衛隊富士駐屯地は佇み、勇んで難関に挑む、との石碑にある校風と共に教育研究を進めています。

 富士地区には、第1戦車大隊、第1機甲教育隊、戦車教導隊、第1機械化大隊、と多数の戦車部隊が配置されています。日本全国を見渡しても、これだけの密度で戦車が配備されているのは、3個戦車連隊と1個戦車大隊が並ぶ、北海道の千歳地区のほかありません。

 歴史が長くしかし防衛計画の大綱改訂により廃止が予定される第1機甲教育隊、この第1機甲教育隊の廃止に続き、将来的には重装備部隊の廃止潮流があり、第1戦車大隊の去就も暗雲が立ち込めています。ただ、富士教導団については将来的にも維持されるもよう。

 記念式典は毎年七月に行われまして、年々来場者が増大している事でも知られます。何故来場者が増えているのか、それは富士教導団が本州最大規模の機械化部隊であり、戦車教導隊を筆頭に重厚な戦車部隊を有している事が広く広報により衆知されました結果です。

 御殿場駅周辺は富士学校祭の時期には併せて開催されます富士スピードウェイのモータースポーツ愛好家と共に宿取り合戦、という様相を呈していまして、元々富士山観光という観光需要の上に位置する御殿場なのですが、ホテルの混雑は毎年確保に難渋するほどと。

 須走には富士登山須走口が富士山信仰の時代から多くの登山者を向かい入れていまして、その分の宿は多いのですけれども、こちらを総合した場合でもやはり来場者は大きく、防衛への関心、というよりも戦車という一風珍しい装備への好奇心の高さを感じるしだい。

 戦車部隊、しかし、実は歴史的に見て富士地区に戦車を集中しているという背景には、一般市民の好奇心に応えるという副次的効果の向こう側に、戦車部隊を国民に見てもらう、という重要な役割がある事も忘れてはなりません。愛好家以外の一般市民に、ということ。

 陸軍第36軍という帝国陸軍時代に本土決戦に備えて新編された軍があるのですが、富士地区や埼玉県加須町等、首都圏近郊に虎の子の戦車第1師団、新編の戦車第4師団を隷下に置き、機動歩兵や機動砲兵と独立重砲部隊という重厚な編成を以て威容を示していました。

 1000万都民の信頼を勝ち得てこそ戦争を遂行出来る、当時の陸軍が第36軍を首都外縁へ配置した背景には、こうした実情がありまして、万一のことがあっても帝国陸軍が1000万都民を守りきる、その為の充分な兵力も準備されている、と一種、誇示していた訳ですね。

 大本営は、しかし、連合軍の上陸は九州東岸の日向灘沿いしかありえない、と脅威評価をおこっていまして、策源地として沖縄の第32軍を全滅させ沖縄を占拠したのだから、一挙に千葉県房総半島の長い海岸線に着上陸する可能性よりも南九州上陸を想定していました。

 本土防衛を純粋に考えるのならば、第36軍は九州地区を担当する第2総軍へ編入する事が妥当なのだけれども、敢えて第1総軍に編入し、首都近郊へ配置したのは、国民の支持が無ければ戦争を行う事が出来ない、と第二次世界大戦中でさえ考えられていた為という。

 先の大戦は敗戦により実現させる事無く第36軍は役目を終えましたが、連合軍九州上陸の際には第36軍をあらゆる輸送力を動員し九州へ展開させる計画だが、連合軍はそれに先んじ、東海道本線や山陽本線と関門トンネルへの攻撃を強化するだろうから、と苦悩があったようです。

 日本国憲法施政下の現代に視点を戻しますと、やはり1000万都民と首都圏3000万の人口があり、我が国が平和憲法の名の下の専守防衛政策を貫くためには、国民の支持が必要である訳です。専守防衛とは国土に敵を迎え撃つ、つまり本土決戦を指すに他なりません。

 専守防衛には無理があると考えるのですが、平和憲法施政下に専守防衛の実態をあまり考えることなく支持する声は意外と多いように見えまして、しかし、憲法を遵守し日本が国土に敵の上陸を許し蹂躙され始めた際に、国民は何を以て政府の専守防衛を支持するのか。

 心の拠り所、という意味でも首都圏に重厚な機械化部隊を置き、専守防衛の下でも国民の平和的生存権は守り得る、という事を示す必要がある、こうした意味で富士地区の戦車には意味があるのです。実際問題、専守防衛として国土を戦場とする施策、個人的に疑問だ。

 しかし、専守防衛と平和憲法の下での自衛権への制限、自衛権とは正当防衛と同語の和訳に自衛権と分けたのですが、我が国では憲法上の整合性を持たせるために正当防衛を集団的と個別的に分けたうえで、集団的自衛権の行使を憲法の上で制限的に解釈している。

 その上で、事実上集団的自衛権に反対する論調と同じ方々に見られるのが、有事の際には同盟国アメリカに期待し、過度な攻撃力を自衛隊は持つべきではない、という。この矛盾点に気付かないようでは、そのうち我が国も大衆迎合主義に呑込まれるのではないか、と。

 こう懸念していたのが自民党から当時の民主党への政権交代で、ポピュリズム的手法といいますか、大衆迎合主義的公約の積み重ねを主権者たる国民は精査する事無く鵜呑みにし、結果的に我が国は大変な混迷に遭遇しましたが、現在は多少は転換したのか、いやまだか。

 話題脱線が過ぎた。富士学校筆頭に富士地区の有力な機械化部隊は、万一の際への無言の鎮めとして、国民に平和主義が国外の勢力に簡単に蹂躙される事が無いよう、確実な準備を行い、将来にわたってもその準備と抑止力の構築に余念がない事を広く示している訳です。

 国家の無言の決意、という表現が当てはまるものですが、我が国は1945年の終戦以降一貫して平和国家としての繁栄を謳歌してきました。しかし、我が国周辺には平和への努力を脱し軍事力強化だけに国力を注力した国、類似する諸国がやはり圧力を掛けてきています。

 国家の無言の決意とは、周辺国が反映への努力をせずとも軍事力に注力し我が国をはじめ平和への努力を反映へ繋げ実らせている果実を横取りする行動に対し、平和国家ならではの相応の対応力を、国土戦という形ではあってもその時には示す、覚悟ともいえましょう。

 ただ、富士教導団は4000名規模ですが、せめて全国の師団や旅団へ、普通科部隊や機甲科部隊、特科部隊装備としてこの同等の水準の装備があれば、と思う事はあるのですね。正直、全国の師団や旅団の普通科や機甲科と特科に、この水準の装備があれば敵は来ない。

 10式戦車に90式戦車と89式装甲戦闘車に96式装輪装甲車や99式自走榴弾砲とMLRS,9000名規模の小型師団よりも、富士教導団規模の部隊に高射特科部隊と戦闘支援部隊、通信部隊を配属した機械化混成団を全国へ配置した方が、と思う事は、よくあります。

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【くらま】日本DDH物語 《第三五回》はるな誕生、設計に影響を与えた護衛艦たかつき型

2018-02-10 20:03:20 | 先端軍事テクノロジー
■国産大型護衛艦建造の系譜
 ヘリコプター搭載護衛艦はるな建造、新しい防衛装備体系整備の着手はしかし一朝一夕に為されたものではなく、国産大型護衛艦建造の系譜の延長線上にありました。

 はるな型護衛艦の長崎での建造にあたって、その設計に大きな影響を及ぼした護衛艦が第二次防衛力整備計画において建造された護衛艦たかつき型です。一番艦たかつき竣工は1967年で、同型艦4隻、たかつき、きくづき、ながつき、もちづき、が建造されています。はるな型護衛艦はヘリコプター搭載護衛艦ですが、武器システム等は、たかつき型設計を応用した。

 たかつき型護衛艦は海上自衛隊創設と同時にアメリカ海軍より供与された第二次大戦型駆逐艦の後継という位置づけであり、アメリカ海軍ではこれら第二次世界大戦型駆逐艦に対しFRAM改造、艦隊段階近代化計画を行い戦力の維持を図ったのに対し、海上自衛隊では老朽度合いの非均衡や同型艦総数の多寡から生じる費用対効果の視点で新型を建造します。

 第二次大戦型駆逐艦の更新を図ると共に第二次防衛力整備計画当時では海上自衛隊では近い将来に想定される小笠原諸島返還、奄美諸島返還、沖縄返還を見越した外洋作戦能力の強化を行う必要があり、この施策として護衛艦隊の強化整備が必要とされていました。当時護衛艦隊は3個護衛隊群編成、しかも内1個護衛隊群は沿岸用護衛駆逐艦主体編成です。

 国産護衛艦は併せて第二次世界大戦型駆逐艦において設置されていたCIC戦闘指揮所、この設計自体が旧日本海軍の駆逐艦に対し、情報集約と情報整理に指揮統制を包括化した先進的な設計だったのですが、このCICの容積等で流石に近代化による拡大の上限が厳しく、新しく設計する必要がありました。国産艦は改めて新世代の設計へ脱却を図ったといえる。

 マック構造、煙突とマスト部分の一体化構造などはヘリコプター搭載護衛艦はるな型、しらね型が現代のガスタービン艦主流時代において最後までその象徴的な艦容となっていましたが、マック構造を採用した最初の艦も、たかつき型です。防衛庁はマック構造採用へ防衛産業と共に視察団を編成し、アメリカ海軍のレイヒ級ミサイル巡洋艦へ派遣しました。

 ガスタービン艦主流の時代にあって、上部構造物の巨大な吸排気機構は見慣れたものとなりましたが、排気量がガスタービン艦程大きくない蒸気タービン艦にとり、特に海戦の様相を左右する電装設備、各種レーダーを搭載する上部構造物と吸排気施設は限られた上部構造物上に相容れぬ重要な構造物で、マック構造はこの一体化による効率化を期したもの。

 はるな型護衛艦は、OPS-11B対空レーダー、OPS-17対水上レーダー、NOLR-5電波探知装置を艦橋と一体化させたマックに搭載しています。OPS-11対空レーダーは八木アンテナ28本をパラボリックシリンダー型立体並列化した戦後初の二次元対空レーダーでBバンド電波帯を独自研究御圧縮技術送受信機構を備え、最大探知距離450kmという性能を誇る。

 OPS-11B対空レーダーをマック構造に搭載した護衛艦たかつき型の設計は、はるな型へ継承されるとともに、Bバンド帯の長距離索敵能力は続くミサイル護衛艦たちかぜ型、はたかぜ型へ搭載されています。実はOPS-11は護衛艦やまぐも型搭載用にアメリカへ発注したSPS-40供与が間に合わない事で設計された機種でしたが、比較的完成度の高いものでした。

 きくづき舞鶴配備時代、護衛艦きくづき体験航海に乗艦する機会に恵まれました、当時護衛艦はるな佐世保配備時代でしたが、初めて護衛艦はるな艦容を間近に眺めた際、似ていると感じたものです。それはソナー配置とマック構造、電装品などに共通点があった為に当然といえば当然でした。国産艦故の新型艦開発を通じた技術発展の一例といえましょう。

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平成二十九年度二月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2018.02.12/13)

2018-02-09 20:08:46 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 福井県の豪雪被害が物凄い事になっていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか、今週末の行事紹介です。

 伊勢湾機雷戦訓練が終了しました。四日市港に入港した機雷戦艦艇を岸壁付近から見学する事が出来、12日には四日市港、香川県の高松港、徳島県の小松島港にて機雷戦艦艇一般公開が行われます。ただ、四日市港に勢揃いした機雷戦艦艇の一斉一般公開は行われません、12日の一般公開日には他の艦艇の多くが11日に出港していますのでご留意ください。

 四日市港への伊勢湾機雷戦訓練参加艦艇は、掃海母艦うらが、掃海艇すがしま、掃海艇やくしま、掃海艇あいしま、掃海艇くろしま、掃海艇とよしま、掃海艇うくしま、掃海艇のとじま、掃海艇なおしま、掃海艇ひらしま、掃海艇いずしま、掃海艇つのしま、掃海管制艇ゆげしま、が金曜日午後から夕刻に掛け入港し、11日から順次出港帰途に就くとのこと。

 掃海母艦うらが一般公開は12日祭日の月曜日に四日市港霞埠頭24号岸壁にて開催されます。また、この日ですが11日に四日市を出航した機雷戦艦艇が他の港でも一般公開されます。掃海艇あいしま高松市サンポート岸壁一般公開、掃海艇すがしま小松島港新港南岸壁一般公開、となっていまして掃海艇すがしま一般公開は月曜と火曜日の連日公開予定です。

 さて撮影の話題、自衛隊関連行事を撮影する際に、2011年まではデジタル一眼レフ一本で撮影していましたが2011年からコンパクトデジタルカメラが撮影機材に仲間入りしています。デジタル一眼レフに当方が機材を統一したのは2005年から、それまではフィルム式一眼レフが主力でした。デジタル一眼レフ一本の時代は2005年から2011年まで、意外に短かった印象だ。

 CANONがPowershotG12という、今でも第一線で通じる高性能コンパクト機種を展開し、その後はPowershotG16,FUJI-X20とコンパクト機種を受け継ぎ、2016年からミラーレス一眼のEOS-M3を加えています。しかし、ミラーレスは隔靴掻痒で思うアングルの撮影に機種の性能が追い付かず、主力機種はデジタル一眼レフ、という実情ですが重さはある。

 EOS-7D一眼レフは、瞬時に焦点を合わせ瞬間を切り取る性能があるのですが、重量が相応に在ります。すると、一眼レフは移動時等はカメラバックに収納し、片手にコンパクト機種やミラーレス一眼を携行する構図となるのですが、このサブカメラをいつカメラバックから一眼レフを取り出すか、サブカメラ高性能化は転換の時機を難しくしてしまいますね。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭
・2月12日:掃海母艦うらが四日市港霞埠頭一般公開…http://www.mod.go.jp/msdf/
・2月12日:掃海艇あいしま高松市サンポート岸壁一般公開…http://www.mod.go.jp/msdf/
・2月12日・13日:掃海艇すがしま小松島港新港南岸壁一般公開…http://www.mod.go.jp/msdf/

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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