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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

大混乱の中でも、正しく判断する人!(心の仕組みを活かす 2/10)

2012-11-23 | 第七章「光と復活体」

 先日、伯父さんのところにお見舞いに行った。その時、紅葉の話が出て、大阪の箕生の紅葉の話で盛り上がった。私も関西に住んだこともあり、懐かしかった。それは、とにかく東京も紅葉・黄葉の真っ盛り。

 昨晩も、近くのアウトレットを散策したが、紅葉がライトで綺麗であった。高幡不動尊の紅葉はどうなっているのだろう。今日の雨、心配である。

 さて、今日は寝不足気味である。実は図書館で「飛鳥の風ー持統天皇」(吉田知子著)をようやく入手でき、読んでいたからである。まだ、最初のほうであるが、生誕前後のことなど、新しい見方などでワクワクしている。

 特に、持統天皇の祖父の蘇我倉山田石川麻呂と祖母の皇極天皇(斉明天皇)へ共感溢れる記述が素晴らしく、時々萬葉集を引き出したりし、時の経つのを忘れてしまった。

 古代史は、資料が限られていることもあり、その解釈は歴史家、小説家いろいろな人が、想像力逞しくされている。今「生き甲斐の心理学」でU先生に学んでいる持統天皇でも、かなり違う。今回の、吉田知子氏は幼少期に影響のあった祖父母をきちんと調べ解釈しているのは素晴らしい。生育史は誕生前夜もとても大事で、それ抜きでは語れないと個人的には思っている。

 蘇我倉山田石川麻呂は、日本書紀では、乙巳の乱(大化の改新)でクーデター時に声を震わせ怪しまれたとか、乙巳の乱の後、新冠位制になっても古い冠をつけて睨まれたなど評価は低く書かれ、最後には蘇我石川麻呂の変に行きつく。

 蘇我倉山田石川麻呂は息子たちと妻などで山田寺で亡くなる。ただ、吉田知子氏は、その解釈を深く暖かくされている。

 追って(天智天皇)に追い詰められた時、淡々と妻と息子たちで自決することになるが(天皇への無罪を主張しつつ)、石川麻呂が一家全滅を避け、息子達はあきらめても娘たちに希望を託し抗戦しなかったとしている。

 確かに、その後の歴史を考えると、娘たちは天智天皇の関係もあり廃絶とならず、その後、持統天皇、元明天皇、元正天皇・・。と女性中心に蘇我の血筋を残すことで生き延びる。

 もし、息子の興志の意見を取り入れ、抗戦していたら、持統天皇誕生もなかったかもしれない。

 「生き甲斐の心理学」では、あるがままの現実(感情に関係)をいったんは受け容れることを大切にしている。そして、倉山田石川麻呂のように自己実現の道をどこかで意識する(この場合は、蘇我氏の未来など)ことで、健全な昇華という防衛機制のもと、静かに亡くなったのではないか(被害を最小にしつつ)。

 注:昇華とは、「自分の欲求を、自分の納得できる方法で発散させること」(生き甲斐の心理学、90ページ参照)。

 死後、石川麻呂の死体が追手により首を切られ、それを知った持統天皇の母は、夫の天智天皇が謀殺の犯人であることを知っていることもあり、一説には狂い、やがて亡くなるとされてる。

 ただ、それにも拘わらず、持統天皇をはじめ子孫は逞しく生き残り、山田寺も、仏像開眼の法会などで子孫に大切にされる。石川麻呂の意志は、事件にも拘わらず脈々と継承されてきたようだ。

 蛇足になるが、一昨年であっただろうか。興福寺で久しぶりに阿修羅像を見に行った。その時に、山田寺の仏頭が国宝として展示されていることに気付いた。蘇我氏をその後排除し、政権奪取した藤原家の菩提寺に、石川麻呂を彷彿とさせる山田寺の仏頭があったのだ。

 紅葉が美しい季節。1300年以前の話であるが、今でも立派に通じる、昇華とか自己実現の事例なのだろう

 心の仕組みを活かす 2/10

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