イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

入魂の小説とは何だろうか (言葉をめぐって 10/10)

2017-09-09 | 第四章「愛とゆるし」

 仏像を彫る趣味の人とお話ししていたら、何か魂を入れるというような瞬間があると聴いた。入魂というか開眼というか、そういう瞬間があるのだというのは、とてもわかる。

 私も、還暦をとっくに過ぎての拙い小説書きでも、そういう瞬間が、いくつかあったように思う。

 ところで、今朝は今日の勉強会で取り上げる大津皇子のことを考えている。そして、大津皇子の生涯を場所(空間)と年表(時間)で追ってみた。空間と時間という4次元の世界で追っていくと、入魂はしていないかもしれないが、大津皇子が見えて来る。そして、同世代(年齢が±5,6年くらい?)の人と、その生涯も考えてみる。

 私が、取り上げたのは、草壁皇子、大伯皇女、藤原不比等、柿本人麻呂、元明天皇、行基。古代の大戦争、白村江の戦いころに生まれ、壬申の乱の大内戦の中を生き抜いた世代だ。綺羅星のような人たちで驚いてしまう。

 さらに、一つ上の世代、天武天皇、持統天皇、額田王、・・・、一つ下の世代・・

 大津皇子の簡単な年表と、その時代のコメント、現代に残る遺跡を書いてみる。

★663年 この年、天智天皇の娘で、天武天皇の夫である大田皇女の第一子として大津皇子誕生。斉明天皇率いる対唐・新羅との戦いに向かう中、博多で生まれた。同年、曾祖母の斉明天皇崩御。白村江の戦いで敗北。軍隊は、今年行った大阪城の近くの難波京のあたりから出航し、途中、道後温泉あたりの熟田津あたりにも。寄ったのだろう。

★667年 5歳 飛鳥から大津京に遷都のため引越しか。同年、母大田皇女死す。後ろ盾を失い、悲劇への序章か。

★668年 6歳 祖父、天智天皇即位。父、天武天皇との関係は微妙に。

★671年 9歳 祖父、天智天皇崩御。天智天皇の子供である大友皇子が政権の中心に。大津皇子を含む天武系皇子は排除の方向か。

★672年 10歳 壬申の乱。草壁皇子、持統天皇と共に桑名に。天武天皇の勝利。

★674年 11歳 唯一の同母姉弟の姉の大伯皇女、斎宮として伊勢神宮に。

★675年 12歳 天武天皇即位、持統天皇が皇后に。飛鳥浄御原宮。

★679年 17歳 吉野盟約 持統天皇と6人の皇子(草壁、大津、高市、川島、忍壁)、吉野で盟約。皇親政治

★680年 18歳 持統天皇が病気となり、平癒のために薬師寺(今の元薬師寺)建立。

★681年 19歳 草壁皇子が皇太子に、この年、現在の当麻寺の本尊等が建造。役行者が活躍した時代。

★683年 21歳 大津皇子、政治に参加との記録

★686年 24歳 父、天武天皇崩御、大津皇子の変で大津皇子、天の香久山の東、磐余の池で死去。山辺皇女も殉死か。叔母・持統天皇により謀殺されたとの説あり。

 こうした時間の流れの中で、万葉集に残された、次の大津皇子の歌二つ。この数年に行った、当麻寺、二上山、難波京跡、吉野、飛鳥、薬師寺、大津京跡の体感を思い出しながら。

ももづたふ 磐余の池に 鳴く鴨を 今日のみ見てや 雲隠りなむ

あしびきの やまのしづくに 妹待つと われ立ち濡れし やまのしづくに

 こうした言霊で入魂したのが、折口信夫の死者の書の書き出しなのだろうか。やはり魂の書なのだろう。

言葉をめぐって 10/10

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峠をこえると(言葉をめぐって 9/10)

2017-09-07 | 第四章「愛とゆるし」

 奈良の旅のことを考えると、一つ以前から切望していて果たせない旅がある。それは飛鳥方面から芋峠を越えて、吉野方面に向かう道を歩いてみたいということである。

 この道は、持統天皇が吉野行幸の時に辿った道ともいわれ、あるいは壬申の乱の時に天武天皇が吉野に向かうときに辿った道とも言われる。そして芋峠を越えると、今までの風景が変わり別の世界に入ったような気になるとも言われている。

 持統天皇が吉野行幸を何故30回以上行ったのかは、歴史の謎の一つと言われる。軍事的な意味があった。政治というより宗教的意味があった。俗界の飛鳥から聖なる地で心を清めた。。。いろいろな説があるが、どうなのだろうか。

 さて、この一週間は折口信夫の「死者の書」をあれやこれや読んだり、考えたりした。

 大津皇子の亡霊と中将姫の話と単純に言ってしまうのは問題があるが、どこの時点で峠を越えてストレス曲線の世界から幸福曲線の世界に入ったかを考えた。

 最後の方の一説だが、「美しい織物が、筬の目から迸る。はたはた ゆらゆら 思いつめてまどろんでいる中に、郎女の智慧が、一つの閾を越えたのである」

 中将姫が、大津皇子の亡霊が寒がらないように蓮の糸を撚り、さらに織物を織る。そして、着るものが完成したかと姫も思うのだが、そうではなく當麻曼荼羅となってしまう。このあたりの、踊るような言葉の流れは、こころの自由さを表しているように思う。慈悲とか愛とかが、吹っ切れて魂の領域に入ったというのだろうか。

言葉をめぐって 9/10

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ものごとをうまく進めるための鍵(言葉をめぐって 8/10)

2017-09-06 | 第四章「愛とゆるし」

 折口信夫氏の「死者の書」を、究極のストレス曲線を幸福曲線にするための書として読んできたのだが、そのポイントはなんだろうか。

 ちょうど昨日、腰越でU先生の勉強会がありロジャースの19の命題を勉強し、それに符合するのかなと思ったことは、次のような自己認識、他者認識に関係する言葉である。

 「姫の咎は、姫が贖う」(中将姫)

 「うま人はうま人どち、やっこは奴どち」(恵美押勝)

 「神の物は、神の物ー。横佩家の娘御は、神の手に落ちつくのだろう」(家持)

 他にもいろいろでてくるのだが、わたしたちの日常の中でも良く出てきそうな表現の例なのだが、自他混同から自他独立までの様々な認識レベルのことばといったらよいのだろうか・・・。

 受容や共感ということは、カウンセリングだけでなく人生を豊にするうえでも重要だと思うのだが、それは、このうち自他独立の状態と深い関係があるように思えてならない。そして、自他混合の状態ではありえないのでは。

 一人ひとりが、霊魂(魂)を持つユニークな存在であると考えることは、とても大事なようだ。

言葉をめぐって 8/10

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自分の身体、成育史、魂からの声を聴く・・(言葉をめぐって 7/10)

2017-09-04 | 第二章「五感と体感」

 自分のストレスを考える時に、生き甲斐の心理学では、それが身体からくるストレスか、成育史からくるストレスか、あるいは魂からくるストレスかを識別することがある。

 これは、意外に役にたつもので、今の自分は何か変だなと感じた時に行うと良いようだ。昨日からの私も、なんとなくどんよりしたところがあった。身体、成育史、魂どれもあるようだが、気になったのは身体だ。少し休養を取らねばと思った。寝るのも良かったのだが、昨日は久しぶりに美味しい食事をしてから、昔の京王閣、京王フローラルガーデンに行ってのんびりした。蚊に刺されたのが残念だったが、美しい花や植物に触れたのは、身体だけでなく魂の休養だったかもしれない。

 そして、昨晩は家に帰ってから「死者の書」の人形劇のDVD(川本喜八郎監督)を鑑賞した。これが実に素晴らしいDVDであった。本で理解を深めるのも一つだが、DVDでの五感を刺激するのは私にとっては実によかった。

 しかし、主人公の中将姫のストレスは考えさせられる。大津皇子の怨霊からくる最強のストレス。これを解消するには・・・折口信夫氏の総力を挙げての解消方法。なんとなく安っぽい表現になってしまったが、それこそ、魂、身体、成育史すべての切り口が大事になる。「死者の書」のような複雑で微妙なアプローチもあるのだろうが、私たちもみんなも、それぞれ有効な解消方法を持っているように思う。まずは、それを意識してみるのが大事だと思う。

    

    

言葉をめぐって 7/10

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智慧を考えてみる・・・(言葉をめぐって 6/10)

2017-09-03 | 第十章「今ここでの恩寵」

 日本神話の中でも、黄泉の国からの脱出劇というった場面がある。絶望的な世界から、どのように脱出するか。

 昨日の死者の書もそうだが、絶望感の世界から統御感の世界に到達するためには何かが必要なのだ。

 今朝は日本書紀のイザナギが黄泉の国で、イザナミの他恐ろしい追手を、振り切る場面を読んでいた。リアルな世界がそこにあったように思う。櫛を投げて、それがタケノコとなり追手が、それを食べているすきに逃げるとか。智慧の成果というか、五感体感を含めた全身で得た智慧で、何かをして助かるのだ。それも、一つではなくいくつもである。

 これでもか、これでもかという状況に、対応していく。それは、五感体感+α、恩寵?から、思考、感情、行動の人間的活動で乗り切っていくことかもしれない。智慧とは決して人間の限りある理性だけではないのだと思う。

言葉をめぐって 6/10

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