イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

怒りー>哀しみー>憐れみを受ける喜び (私にとっての吉野 9/10)

2018-01-25 | 第四章「愛とゆるし」

 この3か月くらいであろうが、壬申の乱を中心に持統天皇(女帝)や天武天皇のことを考えてきたのだが、不思議なことに旧約聖書の詩篇にたどりついてしまった。これも不思議な縁というか摂理のような気がする。

 少し日本の歴史の復習しよう。奈良時代の前、7世紀の日本は東アジアの大変動の中で、唐(教科書では新羅・唐の連合軍とあるが実質は唐)に白村江の戦いで敗北し、当時の日本の軍隊の半分以上(3万人?)を失ってしまう。当然、敗戦国としての危機に立たされるが、新羅が唐に反旗をひるがし、戦いに勝ったお蔭で、弱体化した大和朝廷の内部分裂(壬申の乱)をも乗り越え、天武天皇・持統天皇の時代に律令国家が成立していく。その中には、壬申の乱に象徴される骨肉の争いもあったが、どういうわけか敵将の石上麻呂や、天智天皇側だった藤原氏を抜擢して政権トップに登用するなど、それこそ「敵を愛する」政治のお蔭もあり立ち直っていく。個人でも大変な怒りをはじめとする感情処理が、社会的規模で行われ、尋常ならざる平和構築が実践されてきたように思うのだ。

 何年か前に、飛鳥から少し離れた桜井市の長谷寺に行ったことがあった。その時に7世紀の国宝、「長谷寺銅板法華説相図」を拝見し、壬申の乱後の天武天皇・持統天皇の時代の病気平癒祈祷のリアリティを驚きの中で感じさせていただいた。ちょうどこの時、同じ長谷寺での見学だっただろうか、曼荼羅図の中で様々な表情(怒り・・・)の観音様があったのだが、それは、どんな感情でも倫理道徳の次元と違って尊いということを悟らせていただいた。

 感情の変化。特に暗い感情が明るい感情に変化する不思議について、私は非常に興味を持っている。若いころに従兄弟を通して知った、等価変換創造理論や今熱中している、「生き甲斐の心理学」は、暗い感情が明るい感情に変化する不思議を説明してくれる理論だと思う。皆から毛嫌いされるような外見の芋虫や毛虫が美しい蝶に蛹の段階を経て変身する不思議。それと同じような変身が感情の世界にもある。説明を端折ってしまうが、どんなに嫌な感情でも本質は神聖で、明るい感情の出現に繋がると考えると腑に落ちるのだ。

 さて旧約聖書の詩篇であるが、もちろん日本から遥か遠くの西アジア。しかも約2500年以上の昔の世界で作られたものだが、その中の感情は実に生々しく、今の私の感情を増幅し揺さぶる。例えば詩篇109番は、もう怒りを通り越し呪いの段階かと思われる感情の吐露から始まる。それが、作者が手に負えない、苦悩の極致であることを悟る中で、怒り・呪いが深い哀しみに転じ、そして、それを埋めるかのような愛・憐れみが流入し喜びが湧く展開になっているのだ。

 自己肯定・他者否定の世界から、苦悩により自己肯定が自己否定に転換。そして、自他肯定の世界が現れてくる。

 こうした不思議な現象があり、あるいはそれに気づき理論化する人もあり、さらに、それを実践する人・政治家もいた。希望がある話ではないだろうか。

私にとっての吉野 9/10

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ブルーな朝に・・・(私にとっての吉野 8/10)

2018-01-22 | 第一章「意識と知覚」

 愛犬が亡くなって10日経った。今朝、愛犬の泣き声が聞こえて目覚め、何となくブルーな気分であった。やっと悲しみという感情が湧いてきたようでもある。U先生の生き甲斐の心理学の一つの実践的な理論にプロセススケールというものがあり、そのうちの一つに湧き上がる感情を意識化でき意味付けできるかということがある。

 亡くなってしばらくして(10日)、夢の中で愛犬の声を聴き、悲しみの感情がやっと意識化できたようだが、それまでは、感情を意識化できず、より不健康な状態にあったのだろう。

 持統天皇にとっての吉野。それは、晩年は夫である故・天武天皇との思い出の地であり、また、唯一の子である故・草壁皇子との思い出の地であったはずだ。ひょっとしたら、喪失の悲しみを思索する場所だったかもしれない。

 悲しみという感情をどのように解釈するか。感情を解釈するとは、ちょっと日本ではお馴染みではないが、U先生の生き甲斐の心理学の中では良く出てくる言葉である。もう二度とこの世では会えない身体、深い別離としての死。絶望感というのかもしれない。その意味は何か?生きる上で明るく解釈すると、どういう意味があるのだろうか?

 先の20日には新宿で勉強会があった。その時にある方と終了後に語り合ったのだが、愛犬が亡くなってから何故か読み始めている旧約聖書の詩篇について、もう少し思索をしたくなったのだ。それが、どんな意味を持っているのか、持統天皇と吉野、私と愛犬、そして詩篇・・・その関係はなんだかよくわからないが(笑)。何故か詩篇をまじめに読みたくなったのだ。

 悲しみはストレス曲線がすべてそうであるように、理想と現実のギャップである。愛犬が今までと同様に生きていてほしいという思いと、厳然たる死のギャップなのだろう。感情の意味を思索するとは何だろうか?憐れむべき自分をより想うことかもしれないし、死の意味をさらに哲学することかもしれない。良くわからないが、どこかに自己を再統合できる到達点があるのだろう。今分かっていることは、それが自死とかではなく、自分の生き方を明るくするもの。もちろん自分の思索だけでなく、何かが必要なのだろう。

 写真は愛犬を模して作ったもらった人形なのだが(昨年の春)、良くできている。

 

私にとっての吉野 8/10

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信じてはじめて見える世界・・・(私にとっての吉野 7/10)

2018-01-21 | 第一章「意識と知覚」

  会社を辞めて3-4年経つと、会社時代に見えなかったことが見え、会社時代に見えていたことが見えなくなっていく。こんな経験を15年くらい前に経験したが、たしかに世の中には信じて見える世界と見えなくなる世界が存在するようだ。

 端的なのは、信仰の世界で、私は約20年くらい前に、カトリックの信仰を、不思議な経験で深めることができたのだが、その時以来、初めて見えることと見えなくなることをいろいろ経験した。さらに、U先生の心理学を学ぶことで理論的にも、そういった心理現象を学んできた。

 信仰は学問の世界とは全く違うものだと今では思っている。信仰を得るために宗教を学問的に勉強しても、信仰の世界は意外に見えないものである。本屋さんに並んでいる、その信仰を持っていない立派な学者が書いた宗教の本の的が外れていると思うことも多く、他の信仰者に訊いてみると、私と同様にピンとこないと感じる人も多いようだ。信仰の世界と学問の世界は別の世界と最近は思っている。

 壬申の乱を経験した天武天皇や持統天皇。吉野などは、持統天皇にとって特別な意味があったようだが、それは恐らく、信仰というか、何かを信じて見える世界があったからではないか。

 持統天皇が30回以上吉野に行幸したり、天武天皇・持統天皇陵の真東に伊勢神宮があることも、それに関係しているように思う。今となっては持統天皇の信仰が何であったかは長い時間が経ってしまい分からないが、きっと、見えていたものがあったと思う。

私にとっての吉野 7/10

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伝統的な不安の扱い方 (私にとっての吉野 6/10)

2018-01-20 | 第二章「五感と体感」

 今の世の中でも、占いの人気は凄い。それは、さまざまな将来の不安に対する一つの智慧といってもよいかもしれない(悪徳商法などはべつにして)。

 さて、日本書紀を読むと壬申の乱の時に天武天皇は黒雲が出てきたときに占い、勝利を信じた。さらに伊勢に向かって禊をして天照大神の加護を祈ったのも有名だ。

 私は、学生時代、数理統計などを学んだ身であるが、何かそれを超える不思議な現象というのも否定できないように思う。一作日浅草寺に行ったのだが、愛犬が亡くなったこともあり、何となく不安な中での拝観であった。そして、その本堂で立派なおみくじ台があり、その前で若い女性2人がおみくじをしながら、話していることを何となく聴いてしまった。「浅草寺のおみくじは凶が出るので有名」だそうだ。

 そんなことを聴いて非常に興味を持ち、普段はおみくじなどしない私だが、してしまった。結果は「凶」(別に意識上は望んでいないが、無意識に望んだのだろうか?)。凶の文面を真剣になって読むと確かに凶だが、病気は治るとあったので、少し安心した。凶でも良いことはあるようだ。凶でも解釈のしかたがポイントかもしれない。凶の札は所定の場所に結んだが、それも優しいおまじないのようで安心した。

 「生き甲斐の心理学」だけではないが、日本ではジェンドリンが開発したフォーカシングが有名で良く知られている。なかなか良くできていて不安をうまく扱う方法として知っている人は多い。不安の感情を特定したりすることが重要だが、最悪の場合と最善の場合を思索するプロセスがある。それが占いにちょっと似ている。最悪の状態(まあ凶)でも、この程度かと思うと、安心するところがあるのだ。

 世の中、果てしなく最悪ということはなく、解釈の仕方とらえ方で、安心して暮らせることもできるのだと思う。

私にとっての吉野 6/10

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健全な愛 (私にとっての吉野 5/10)

2018-01-18 | 第九章「愛」

 昨晩は、旧約聖書の詩篇を読んだ。数千年前の嘆きや祈りは今の世の中でも同じなんだと、不思議な気持ちで読んだ。

 自他肯定(I am OK. You are OK.)で生きることが簡単な世の中であればどれだけ素晴らしいことか。しかし、傲慢(自己肯定・他者否定)や破滅(自己否定・他者否定)が忍び込んでくる世の中は何だろう。そして、それが社会の中枢まで及んできたりする嘆き。

 欧米では、少し昔の話であるが、M・スコット・ペックの「愛と心理療法」(創元社)がベストセラーとなった。それだけ愛の問題が深刻になったのかとも思うが、日本では面白可笑しく、この手の話題は語られることがあっても、M・スコット・ペックのように深く掘り下げて語れる人はごく限られているようだ。

 自他肯定の道。大雑把に言えばそんなことだろうが、それが多分大きくいうと人類の道なのだろうが(大きすぎたか 笑)、なかなか困難な道なのであろう。

 持統天皇が吉野を愛したのは何だろう。そこには満たされた女帝ならではの愛があったように思うが、それは、壬申の乱が終わってからの時代では満たされにくかったのではないか。阿修羅(昨年改修工事中で見られなかった興福寺の阿修羅像をちらっと思い出す)のように戦い続けた持統天皇にとって愛とは何だったか。美化しすぎてはいけない問題もあるように思える。

私にとっての吉野 5/10

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