結晶の幾何学というとX線結晶学とかの関連になるが、この幾何学がいわゆる解析幾何学とはあまりに無関係であるような気がする。もっとも結晶の幾何学などは私も最近まで関心をもったことはなかった。
定年前の数年間を固体物理の電子論を中心に大学院で何年かセミナーをしたが、そのときに結晶構造をセミナーの一部にとり入れた。そのときに解析幾何でこの結晶の幾何学をどう取り扱っているのか知りたかった。
しかし、私の知る限りでは斜交座標系の幾何学を解析幾何学で深くとり扱ったものは見ていない。よく探せばそういうものもあるのだろうが、いまのところまだ出会っていない。
具体的にいえば、ミラー指数というのがあるが、これが解析幾何の観点から見て面の方向を決める一番正統なものかどうかといったことを解析幾何の観点から知りたいと思った。そう思って矢野健太郎著の「立体解析幾何」を購入したが、あまりに役に立ちそうに思えなかった。
結晶の幾何学では必ず斜交座標系が重要になってくる。もちろん、友人のY君に言わせれば、面心立方か体心立方の結晶が鉄とか銅とかいった普通に有用な金属元素で実現しているので、応用上はあまり斜交座標系が必要ではないらしい。
しかし、やはり一般の結晶は斜方晶であるから、斜交座標系が重要になってくる。これを大学院等でそういう結晶解析をする人は十分学んでいるのだろうか。それとも?
結晶の幾何学は結晶の空間群とかと合わせていつかきちんと学んでみたいと思っている。