松山は暖かいところである。だから紅葉もなかなか進まない。でも12月になってやっと並木のいちょうが見事な黄色になってきた。
勝山町と平和通の並木は通りの中央にあって分離帯をつくっているが、それらの葉が黄色になるのは毎年11月末から12月はじめである、今年もようやくその黄色が映えてきた。昨年も同じことを書いたと思うが、やはりそれでも毎年のことではあるが、書きとめておきたい。
以前にも書いたと思うが、30数年昔にドイツに滞在していたころ、秋にモーゼル河畔の山にあるBurg Eltzを訪ねたことがあった。
日曜日だったのでその城には入ることができなかったのだが、駐車場で車を降りて深い森の中を城の方へ歩いていくと、木々の紅葉が本当に神々しいほどで神様を信じない私でも世の中に神様が存在して、このような神々しい世界をつくりだしているのではないかとまで思われた。
当時子どもはまだ小さくて4歳と6歳であったので、彼らがどう感じたかはわからないが、妻もこういうときには自分も神を信じてキリスト教徒になってもいいかなと思うと言っていた。
ドイツの森はドイツ人の国民性と切り離すことはできないらしいが、それほど印象的に思えるドイツの森の落葉樹の紅葉であった。
グリム童話に出てくるお話がやはりそういう森の持つイメージから派生してきたことがうなずけるような気がする。
日本で知られているグリム童話のあるものは実はもっと残酷なストーリであったりすると聞くが、ともかくもそういう残酷なところまでこれらの森はそのイメージとして含んでいるということであろう。