誰の文で読んだのかは覚えてはいないが、「梅棹忠夫は知的ジャイアントである」と。確かに昨日大学の図書館へ行ってみたら、梅棹忠夫全集は22巻か23巻でそれに別巻がついている。こんなに多い著作をもっている人はやはり少ない。
私の研究している武谷三男にしても著作集は6巻で、それにその後の現代論集は7巻である。あわせても13巻にすぎない。もっとも武谷の著作集に入っていない著作はまだたくさんあるが、多分梅棹ほどではないだろう。
ともかくも梅棹が知的ジャイアントであることと、独特な思想家でもあることは間違いがないであろう。私などは梅棹については「知的生産の技術」(岩波新書)ぐらいしか知らないのだが、この認識は改めなくてはならない。
著作の多い人ではもちろん鶴見俊輔氏がいる。鶴見さんはもちろん梅棹に勝るとも劣らぬ思想家であるが、彼の著作集は多分22巻にもなっていない。だが、鶴見の著作集はもちろん網羅的ではなく武谷と同様に著作集に収められたもの以外にも著作はとても多い。図書館の目録で鶴見さんの著作を調べたら、優に100冊を越しているであろう。