物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

製品を造って売る

2008-12-13 16:50:50 | 社会・経済

この頃のように企業の製品が売れなくなって派遣社員を解雇するというニュースが続くとどうも製品を製造して売るというシステムが破綻したわけではないが、限界を見せたという風に感じてしまう。これは行き過ぎた考えだろうが、アメリカのビッグ3が今にも破産しそうになると今までの繁栄はなんだったのかと疑問に感じてしまう。

では製品を製造して売るという行為以外に何かやり方があるのかといわれれば、沈黙をしてしまう以外にないのだが、何かを買うことのできる人々がたくさんいてやっと現在の資本主義というか市場経済は成り立っていたのだなと納得をする。

確かに企業は派遣社員を大量に雇用して、もし景気が悪くなればその人々をとかげのしっぽのように切り捨てて自分の会社の温存を図る。これは合理的な考えであろうが、一方で製品を購入してくれる人々の生活を切り捨てているわけだから、実は痛し、痒しである。

トヨタのようにアメリカ経済に大きく依存して車を売っていた会社はその影響をもろに受けてしまう。内需拡大とかいわれたのはかなり前のことだが、その内需の拡大もそれほどではなくやはり輸出に頼っていたということだろう。経済の専門家にこの点を正したいと思う。あなたはどういう考えでいままできたのか。これは単に金融の公定歩合を上げたり、下げたりではすまないのだと思う。

そういうことを根本から考えてくれる経済学者はいいが、そうでないとこういう事態になると右往左往するだけである。約300万の派遣労働者がいるという。それに家族もあるいは加えれば、1000万近い人が大きく影響を受けている。これで資本主義が勝利したなどとはいってほしくはない。むしろ失敗ではないか。それに対するいい解決策はすぐには出てこないだろう。

福祉の政策としての介護とか病院のケアとか老人のケアとかは仕事としてはなくならない。それに従事する人の待遇を改善できれば、働く場所の確保にもなるし、福祉への貢献にもなる。それ以外にもいくつかの考えはあろう。教育もいつも欠かせないものである。そこにもお金をつぎ込むこともできよう。そしてそれはまったくの浪費のようでもあるが、未来に人材の育成の結果として社会にある意味で帰ってくることでもある。

いま単に製品をつくって売る以外のそのようなものごとに力を入れるとすれば、消費も上向くし、結局は景気もよくなってくるのではないか。そういう直には製品をつくるのではない分野で必要欠くべからざる分野をいくつか拾い出し、重点的に伸ばすことをするべきではないのか。

それらは国の予算からすると使う一方で多額の税金を納めてはくれない分野と思われているが、そういった発想の転換はできないのか。