Am Brunnen vor dem Tore, da steht ein Lindenbaum とはシュベールトの歌曲「冬の旅」の中の一曲の菩提樹の冒頭部分である。
カナで発音をつたなくつけておくと、アム ブルンネン フォアデム トーレ、ダー シュテート アイン リンデンバウムとなる。
この曲をよく覚えているわけではないのだが、今朝まだ寝床にいて眼が覚め切らぬときに頭に浮かんできたのだ。
Am Brunnen vor dem Tore, da steht ein Lindenbaum は「市門の前の泉のそばに菩提樹が立っている」という意味だが、日本語の歌詞では「泉に添いて茂る菩提樹」と「市門の前の」とかはないし、繁るともda steht ein Lindenbaumのなかには入っていない。
だが、その言葉のなかにはもちろん菩提樹は当然繁っているだろう。というわけで「繁る菩提樹」と訳されたのであろう。なかなかうまい訳である。忠実な訳とはいえないが、意訳としてはとてもうまい。こうでなくては訳詩などはできまい。
一昨日と昨日は京都にいた。京都は昨朝雪が降って、ときならぬ雪景色を体験した。ホテルが鴨川沿いだったので、雪の鴨川を見ることができた。
起きたときに窓外に見た、大文字山は雪をかぶっているようには見えなかったが、朝食を食べて部屋に帰ってきたら、比叡山が雪をかぶって白く輝いていた。ほんの数十分後のことである。
9時にはホテルを出て、長岡京市のサントリービールの工場でプレミアモルツのビールの製造過程の説明を受けた。サントリ-ビールはようやく日本でのいいビールとの定評得たようだが、市場の支配率はまだ大きくないためか、なかなかサービスがよかったし、説明もよかった。
その後は神戸の中華街のレストラン長江で昼食をとり、後は一路松山へと帰った。予想よりは早く7時30分には高島屋前の坊ちゃん広場に着いた。
(2011.1.18付記)
昨日帰宅して朝日新聞を読んだら、吉田秀和さんの伝記の紹介の記事があり、その中に菩提樹の歌のことが出ていた。その歌詞として私がたまたま採用した冒頭の部分が出ていた。それによると「泉に沿いて繁る菩提樹」ではなかったので、新聞どおりに上のように変更を施した。
多分、新聞社は正しいだろうという権威主義にしたがっている。昨日は私の普段の習慣とは異なり、私は新聞を朝読まなかった。たまたまブログに新聞と同じことが出てきたのはまったくの偶然である。
新聞社はどのような資料室とか資料や情報の検索をできるようなサーバーををもっているのだろうかと思っているが、現にそのような施設を見学する機会はまったく持てていない。
そういう機会とかを生きているうちに一回くらいはもちたいと思っているが、はたしてもてるだろうか。