タイルの威力を知った。これはもちろん数学教育協議会で使うシェーマとしてのタイルのことである。なんのことかというと、たとえば324が9の倍数かどうかは3+2+4=9が3で割り切れるから、324は9の倍数だとわかる。
ところがなぜこういう便法が成り立つのかの理由はあまり聞いたことはない。タイルでは、300は100のタイルが3枚(3つ)あるが、100のタイルは99+1と考えられるが、もちろん99は9で割れることはすぐわかる。
つぎに10のタイルは2本(2つ)あるが、これも10のタイルは9+1と考えられ、9は9で割れることは明らかである。
そうすると1枚のタイルから出てきた、3個のタイルと1本のタイルから出てきた2個のタイルおよび最後の4個のタイルの9個のタイルがある。すなわち、9で割っていないタイルは3+2+4=9個が残っている。この9個のタイルはもちろん9で割れるから、324は9の倍数であることがわかる。
もちろん、この方法を知っていたが、その理由がよく分かっていたわけではない。だが、タイルで説明をすれば、誰にでも一目瞭然というわけである。
ここで、タイルについて詳しくない人のために付け加えておこう。
正方形のタイル1つを1個と呼ぶ。また、その10個のタイルを縦に積み上げたものを1本のタイルという。また、1本のタイルを横に10本集まったものを1枚のタイルという。もちろん、1本のタイルは10個のタイルが集まってできており、1枚のタイルは10本のタイルからできている。それで1枚のタイルは100個のタイルからできている。
この考えを拡張すれば、10枚のタイル、すなわち、“1かたまり”のタイル、を考えることがでしきる。これは1000個のタイルであることはいうまでもないが、小学校ではここまで進んで考えられてはいない。それは3桁の数を考えるくらいで小学校の算数はほとんど用が足りるからであろう。
1個はチビ、1本はノッポ、1枚はフトッチョとか小学生が愛称がつけたとか言われている。愛称の方は間違って私が覚えているかもしれない。