TEDカンファランスのNHKの番組で今週の月曜にsecret collectorの人が話をしていた。その後の解説でsecretのはがきを書く要領として、3つのことが上げられていた。
1.Be brief (簡潔に)
2. Be legible (読みやすく)
3. Be creative (創造的に)
これはどんな文章を書くときの心構えとしてもいいだろう。
ところで、この中でlegibleというは「読みやすい」という意味だろうが、英語ならreadableとも言えるだろうか。そこで気になったのはなぜlegibleというような語があるのだろうかということであった。
ドイツ語では読むとはlesenであろう。lesbarという語があるのだろうか。
ということで辞書を調べると確かに存在している。訳としては「判読できる、読みやすい」という訳語がついている。
フランス語では読むはlireであろう。対応した形容詞はlisibleである。そうするとどうもこのフランス語のlisibleにlegibleは近いと思われる。
英語の中に読むにあたる語の関連語として、 l で始まる語がなにか大きな辞書を調べれば出ているのかもしれないが、私のもっているポケット辞典の中には出ていない。
もう何十年前に岩波のPR誌「図書」にlesenは「選ぶ」とか「摘む」という意味があるのだと書いたを読んだことがあった。その例として、ぶどうの収穫のAusleseとかsp"atleseとかが挙げてあった。
これらはいまではドイツワインの等級Qualit"atswein mit Pradikat(法律的に加糖を許されないワイン)のうちの一つになっているが、もともとはAuslese(選り摘み)とかSp"atlese(遅摘み)とかという意味である。
ちなみにQualit"atswein (ohne Pradikat) だと加糖が許されるので、私たちがドイツワインを飲んでこれは甘口で旨いななどと言ってラベルを見ると、ただ単にQualit"atsweinとある場合が多い。それくらい私のような下戸にはワインの味はわからない。
ところで、食事のときなどに水の代わりに飲むワインはTafelwein (table wine) と言われる。これはいわば水の代わりに飲むワインだからお客には出さないと思う。
ついでに言うとvorlesenは講義をするという意味であるが、前で (vor) 読む (lesen) ということから講義をするという意味となる。
いまなら教授が講義ノートをつくってきて読み上げて、学生にそれを書き取らせるなどというタイプの講義をすれば、学生から総スカンを食いそうであるが、昔はテキストなどあまりなかったので、そういう講義でもすることが大学の大きな役目であったのかもしれない。
もっとも私などは講義(Vorlesung)などというと偉そうに聞こえるので、授業がある(Ich habe den Unterricht.) と言っていた。
今日もはじめの話題からおおきくはずれてしまった。