言わずと知れた、赤崎、天野、中村3氏のノベール賞受賞の報である。
天野さんの名前は聞いたことがなかったが、赤崎、中村の両氏の青色半導体への寄与は知られていた。
それにしても中村修二氏の寄与がとても大きい。基礎研究としては赤崎、天野の研究が先行していたにせよ、中村氏の研究成果と実用化がなかったら、赤崎、天野のお二方もノーベル賞受賞できていたかどうか。
新聞を読む限りでは3人とも好きなことをしていたことを強調されている。少なくとも研究には自己満足がなければならない。
これらの方々の研究成果にもかかわらず、日本の基礎研究とか実用研究の雰囲気はいまあまりよくない。
これは今日の朝日新聞の社説でも要注意と述べていたが、その注意くらいではとてもすまないところに来ているのではないか。
これは国立大学の法人化以降に顕著に見られる傾向である。私たちが大学に勤務していたころの予算の維持と研究の雰囲気が失われてしまっていると事情に通じた人は語っている。
外国に研究に行けば、帰ってきても以前に自分が在籍したその職はなくなっているとも聞く。そういうことでは誰も外国にオチオチ研究留学できない。これは構造的にそういう風になってしまったとか。
20年後の日本の研究と技術開発の現状はもう見るも無残になってしまっているだろう。そんな現状を憂うことをいう人はまだなぜだか少ない。
それにプロジェクト研究は別だが、個々の研究者に与えられる、研究費は私が現役のころの1/3くらいになっているとか聞く。
それでも、もし、いい研究が今後もできるとすれば、それは個々の研究者の涙ぐましい研究費集めの努力と日夜を継ぐ研究の成果によるものであろう。
だが、それも今後は少なくなってしまうであろう。ああ、そのことを政治に携わっている人が知っているのかどうか。