昨日くらいから急に暑くなってきた。
上着をきておれなくなった。日本の悪名高い嫌な季節の到来である。6月から9月まではとても生きておられないくらいの暑さである。
80年以上日本人をしているが、この季節はかなわない。それでもエアコンのおかげでなんとかこれまで日本人を務めさせてもらっている。
先日だったか、加藤周一さんのエッセイ集を読んでみたら、彼は日本にいるときは夏には軽井沢におられることが多かったみたいなので、これは普通の日本人のできることではない。
数学者の遠山啓さんは夏には北軽井沢に行ったこともあったようだが、彼は70歳で亡くなったが、求めに応じてどこにでも環境のわるいところへも講演にでかけたとか聞いた。それもあまり講演料ももらわなくてもだったとか。
私などは遠山さんよりも10歳以上も長く生き延びているが、これは彼のようなハードワークをしてこなかったためと思われる。
もっとも影響力の大きかった遠山さんと私を比べたりしたら、遠山さんに失礼にあたるだろう。それくらいの偉大な人である。遠山啓さんは。
実は一度だけ彼を見かけたのは松山市市民会館での講演会であった。あれは1978年のことだったろうか。競争原理を教育の場からとり除こうという彼の強い主張をいまでも覚えている。