「おしっこをする」はもちろん幼児語だが、これをドイツ語でどういうか。ちょっとドイツ語を長く勉強している人でもドイツ語の専門家でなければ、あまり知らないのではなかろうか。これはpipi machenという。
もう50年近くNHKのテレビのドイツ語とかラジオのドイツ語の講座を見たり聞いたりしているが、このpipi machenという語が出てきたことは一度しか知らない。それもブルッセルの小便小僧みたいな像か天使の子どもだったかが、逃げていくという設定場面であったと思う。
もっとも、この語を知ったのはもちろんドイツで私たちの子どもがまだほんの4,5歳のときである。私たちと入れ違いで日本に帰った科学者からそういえば、「bibi machenとかいいますね」とか聞いたのが最初であった。
何十年もある一つの外国語を学んでいてもなかなか読んで、または、聞いてわかる言葉と自分で日本語からその外国語でいうことができる単語とは数が圧倒的にちがう。このギャップはいつまでも大きい。
昨日の私の病院での待ち時間が6時間近かったということを話したら、オンラインのドイツ語のクラスの全員から私は辛抱強いとお褒めの言葉(?)をもらったのだが、その話を今朝になって妻に言ったら「辛抱強いとはドイツ語ではどういうの」と聞かれて即答できなかった。そうしたら彼女がすぐにスマホで「辛抱強い、ドイツ語」と検索して、geduldigと調べてくれた。geduldigはもちろん形容詞であり、辛抱とはGeduldという。geがつく名詞は大抵中性名詞であるが、果たしてそうであろうか。ちょっと後で調べてみたい(注)。
もちろん、語頭にgeがついても語尾が女性名詞に特有の語尾がつくとそうはならない。たとえば、GesellschaftとかGemeinschaftとかである。
(注)-e Geduldで女性名詞でした。語頭にgeがついても中性名詞ではない例があることを知った。しかし、そうは言っても語頭がgeで始まる語には中性名詞が多いのは事実である。ちなみに-eは女性名詞の定冠詞 die の省略形である。この表記は47年前のフライブルクのゲーテ・インスティチュートでのドイツ語のクラスで先生が黒板にこのように書いていたので覚えた。-sは中性名詞の定冠詞dasの略だし、-rは男性名詞の定冠詞derの省略形である。